大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(72) つのだじろう 13 「霊劇画 真夜中のラヴ・レター」

つのだじろう作品紹介を続けて、今夜は「霊劇画 真夜中のラヴ・レター」(主婦と生活社刊)です。
TSUNODA-Midnight-love-letter1-2.jpg

前回紹介したのは銀座を舞台にしたホステス漫画「銀座花族」でしたが、同じ週刊女性で続く1981年に連載されたのが「真夜中のラヴ・レター」で、単行本は全5巻。
本作でついに、というか早くもというか…とにかく心霊漫画に戻ってきました!
ただし今回はノンフィクション!読者から寄せられた相談の手紙を基に、もちろん登場するつのだじろう先生本人や優秀な霊能者が心霊事件の解決を目指す流れです。

「うしろの百太郎」もドキュメンタリー・タッチな部分は目立ちましたが、本作ではさらにテレパシー犬などの明らかな創作部分を排しているので、もっと徹底したリアルさがあります。読者からの手紙やイラストをそのまま載せていますし、現実の事件と同時進行で描いている回は事件が解決されないまま終わるとか、除霊は無理という結論で終わる事もありますからね!
かつ、掲載誌に合わせて性の問題がやたらと多い。女性読者に向けても、年齢高めだとヌードやセックスなどエッチなシーンがサービスカットになる事を納得させてくれます。レディコミの性描写など、男性が見ても驚くほどですもんね。
よくヘビの夢を見ていたある女性が、幻のヘビの群れに襲われて『女性の大切な部分』に侵入される描写があるのですが、何故か全裸になっていて股を押さえている…このシーン好きです。その後、体内に残っているらしいヘビに時々咬まれるようになったとか、壮絶な話ですが事実。まぁ、普通ヘビは男性器の象徴として扱われるので性的な夢でどうこうと判断されるのでしょうが、ここでは信仰の問題点が原因になっていました。

当然相談に乗るのも実在する霊能者ですが、主人公は本の表紙にデカデカと載っているこの方。頭にドーナツをたくさんぶら下げたようなエキセントリックすぎる髪型の女性、『霊査・除霊 七条心霊センター』の看板を掲げる七条絵夢
幼い頃から霊感が強く、十四歳の時に霊界からの啓示を受けて以来、霊能者として活躍している方です。モデルとなったのはこの作品に協力した、北条希功子という優れた霊能者。

本編はつのだ先生の元に寄せられた相談を受ける形で各地の心霊現象を見ていくのですが、霊障相談に来る人は何故か自分勝手な人が多かったりして、そういう生き方をしているから味方の霊に守ってもらえず、たちの悪い霊障にかかるらしいんですよね。

ちなみに心霊エネルギーパワー治療で困った人を助けたりする霊能者も、テレビの正義の味方じゃないし、当然生活があるわけだから除霊費が発生しています。ある人が
『苦しい中から月賦にしてもらってまで除霊費はらって 現象がおさまらないんじゃ困るわ!』
とか言ってますから、それなりに高額なのでしょう。
本作の終わり間際には酷いニセ霊能者の例も紹介しているし、多数の霊能者に霊査をお願いした人が作った料金と結果の一覧表なんて興味深いリストと共に、料金の考察も載っています。

TSUNODA-Midnight-love-letter3-4.jpg

ところで4巻から、七条絵夢が忙しくて時間をなかなか取れない状態になったとかで、別の霊能者が中心になって相談・除霊をしていく展開になります。主人公だった霊能者、まさかの交代ですよ!
これもリアルタイムで進むノンフィクションならではの事で、創作された物語のように都合良く進まない所がまた、現実感を増しますね。これはきっと作中で描かれる心霊現象も全て事実に違いない!そう思えます。

ここから中心となる霊能者は、つのだじろう邸に出入りしている二人の霊能者で、まずは西塔恵
彼女は背後に霊格の高い姫の霊がついているのですが、その姫の霊と直接談話して霊言を伝える能力の持ち主。あくまでも霊界の啓示を伝える霊能者で、宗教的な行などには一切関連していないそうです。
そしてもう一人は、安部富貴子。生まれつき霊感が高く、霊媒体質で霊を肉体に入れるのが特技か。今度は七条絵夢と違って二人共、いたって常識的な髪型をしています。

霊的な体臭かと悩む女性達、恋愛相談みたいな話では男の生霊を呼んで尋問したり、水子の問題や…淫乱でオナニーを一夜も欠かせない女、等々。
とにかく興味深い全26章、とてもそれぞれのエピソードを細かく紹介は出来ませんが、内容の幅も広いので必ずや自分も思い当たる事象が見つかり、あれは霊魂関連の出来事だったのかもしれないと思い出せるのではないでしょうか。
つのだ先生や霊能者が登場せず、江川夕子なる新潟生まれの一人の女を描いた、第21章「うりふたつ」というエピソード。これが複体(ドッペルゲンガー)を使いつつホロリとさせる名作短編で、何故単独作品にしないでこのシリーズで描いたのか不思議でした。

TSUNODA-Midnight-love-letter5.jpg

最終エピソードとなる第26章「奇妙な絵」は、精神異常を起こしたのか一人で話したり暴れたりしていて、大人しくしている時は気味悪い絵を描いてる家族の事を相談されます。その異常な女性の描いた絵をそのまま何枚も載せていますが、それが相当にヤバい感じのアウトサイダー・アートなんですよ。
本作も多くの部分・キャラで全くつのだじろうタッチをマスターしていない絵の下手なアシスタントが描いていますが、こういう人を採用してみたら面白い作品が生まれただろうと思いますね。そしてこのエピソード、最終章なのに除霊後も症状が改善されなかった、で終わります!どんだけ正直なリアル志向ですか。

あと全編通してページの端に活字のコーナーがあり、1~3巻までは『心霊ミニ知識』です。これが幅広く、相当に勉強になるのですが…
悪霊などによる霊障を避けて幸福な人生を送るには、先祖代々からの神仏を大切にお祀りする事がさかんに言われています。我が家を見ると、やはり信仰を無くした現代の部屋…神棚も御仏壇も無い。マズイですねぇ。
あと目から鱗が落ちた事。肉親や愛する人が亡くなった時には、現界の人間は何故死んだ、もっと生きていてくれれば、と惜しむじゃないですか。あれって良くないそうで、その念が霊の現界に執着する気持ちを強めちゃって、迷って幽界に行けず浮遊霊にしてしまうのだとか。今後は、どんなに愛する人が亡くなっても、『早く幽界に行って成仏してくれるように』と祈りましょうね。
4巻は『世界の霊能者・超能力者』で、5巻は『日本の霊能者・超能力者』で本作後半の主人公・西塔恵から美輪明宏様まで紹介されていました。

つのだじろう先生の心霊漫画がずーっと一貫して訴えるメッセージですが、霊魂は絶対に存在するし認めないなんて人は現実を見てない無知な者であるし、またいたずらに怖がったりするのは危険なので正しい霊知識を身に付けようと、読者を導いてくれます。そんな「霊劇画 真夜中のラヴ・レター」…必読の書。


逃げてあるく人生の中には…本当の愛や幸福なんか 落ちていやぁしないのに…
あなたはわたしのマネをしてはいけないわ!へんに開き直ったり あきらめたりしないで…
前向きに生きるべきだわ!!



スポンサーサイト
  1. 2014/07/19(土) 23:00:05|
  2. トキワ荘
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<トキワ荘(73) つのだじろう 14 「霊劇画 恋人は主護霊さま」 | ホーム | トキワ荘(71) つのだじろう 12 「銀座花族」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/1335-524fed39
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する