大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(28) 逆柱いみり 1 「象魚」

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パソコン直ったと思ったらまだまだ問題がありましたが、とにかく今回久々にアップして紹介するのは逆柱いみり先生。

1964年生まれの静岡県出身で、1991年にガロでデビューした当初は望月勝広名義で作品を発表してました。そのうちに使い始めた逆柱いみりというペンネームの由来は、"逆木の柱"と"いみり"(方言でひびという意味)からきてるそうですよ。
社会人になってから、つげ義春先生の「ねじ式」に感銘を受けて、突如漫画家を目指したそうなのですが、そういえば作品に共通する悪夢のような光景とシュールさは共通しますね。
盛り上がる所だとか、いやストーリーすらも何もない世界がほとんどですし。凄い描き込み量の背景に力を入れ、人物はオマケくらいの印象だったりもします。

誰もが短編だから成功した(長編にはなりえない)と思うであろう「ねじ式」の世界を、あえて単行本一冊の長編にしたかのような二作目の「馬馬虎虎」(青林堂刊)には驚きました。
この絵で表現された悪夢の旅行記を読んでる(観てる)と変な気分になってくるのですね。

その「馬馬虎虎」が独自の世界を確立しつつあり、企みも画期的だったのは分かるのですが、私が好きなのはその前の1994年に出た処女短編集「象魚」(青林堂刊)です。
今回の画像がそれですが、いい味出してますでしょう。逆柱先生の絵は"変なアジア"といった趣が溢れてます。この時はまだ絵は未熟だし、後年の作品と違ってストーリーや意味を付けようとしていた跡も見えるのですが、やっぱり脈絡無しの変すぎな世界のバランスがちょうどよくて気に入ってます。


「象魚」の作品を個々に見ていくと…

まずは雰囲気がシュールな方のつげ義春的な「骨」に始まります。

旅行記とか描いてた頃のリアルな方 のつげ義春的なのが「天気よかった日」

「金魚」という、"病院へ行くため早退"という正当な理由で自由を得た少年が、おかしな一つ目兎の仮面を付けてる奴について来られてデパートの屋上遊園地に行く話はノスタルジックな夢のよう。

「動物園」逆柱世界の動物園なので、グロテスクで変な生物ばかり。こんな所があったら行ってみたい。

表題作「象魚」は、少年時代の思い出にひたりながら象魚という象の様な魚の丼を食う話。

「血痰処理」も凄くて、異世界のようで汚い工場の風景を絵として描きたかったのでしょう。生理的に気持ち悪い…

「ごはん食べられない アバラ骨浮く」は、読者も変な風景をただただ追っていかされる、逆柱先生らしい作品。
他にもいくつかと、逆柱いみり先生には珍しい四コマ漫画も収録されてますよ。
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今回既に名前を出した単行本、「象魚」「馬馬虎虎」の後は、もう完全に自分の世界を確立して、思いついた風景を描きたいように描いてるだけですね。
それが支離滅裂でも面白いのですが、万人受けはしないのが分かるし(狙ってもいないでしょうけど)、ちょっと勿体無いな~。

私は他には「ケキャール社顛末記」「赤タイツの男」を買って読んだのですが、その後(間にもあったかも)の単行本は買ってません。
いや…作品がどうのじゃなくてお金が無い時期だったりして…
多分他も同じような世界だとは思いますが(それでいいし)、持ってる方はどんな感じなのか教えてくださいね。

良く出るキャラとして、一つ目のウサギ男、ウナギイヌ…じゃなくてネコカッパ(猫と河童を組み合わせた生物)ら、おかしい奴らが歩き、またはバイクや自転車で、気持ち悪くて恐ろしい風景の中を移動するだけの作品が、不思議にいいのです。
読んでみたらこの感覚は分かると思うので、味読の方は是非逆柱いみり作品にトライしてみてくださいね!


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  1. 2007/02/10(土) 23:24:42|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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