大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

手塚治虫(43) 「SFファイブ」

手塚治虫作品より、「SFファイブ」(大都社刊)。
TEZUKA-sf-five-1978.jpgTEZUKA-sf-five.jpg
(画像の本は同内容ですが、左が1978年版・右が1989年版)

単行本タイトルの「SFファイブ」はSFを5作品収録したというほどの意味で、しかし実際は巻末にオマケ漫画があるので6作品収録の本。
手塚治虫得意のSFである以外に特に共通点は無く、作品の発表年も1968年から1974年までと幅広い。

まずは「虎人境」で、トラ人間を求めて人種のるつぼ・東南アジアはボルネオまで行く話。
『日本のアイヌのような少数民族は すこし奥地へ行けばうじゃうじゃ発見される』
と言いますが、それらは文明から取り残されているがゆえに守られている文化がある…

その1話目「虎人境」と3話目に当たる「ジャムボ」は、集英社の「手塚治虫 THE BEST 17 新・聊斎志異」でも収録されていたので、既に『ココ』で紹介しています。
2話目に当たる「三つのスリル」も、同「手塚治虫 THE BEST 18 ビルの中の目」に収録されていたので『ココ』で紹介しています。

4話目の「月世界の人間」は、1972年の希望の友が初出。
これは何とSFの父と呼ばれたH・G・ウェルズの長編小説「月世界最初の人間」を原作としたコミカライズ物で、物語は大幅に短くしながらもスリルある見事な少年向け冒険SFに仕上げています。
ベッドフォードという男のモノローグで進む話ですが、ラストで彼のペンネームはH・G・ウェルズ…つまり原作者だったと明かすのは手塚先生のオリジナルアイデアですね。
ウェルズの小説は私もよく読みましたが、まだまだ月世界人がいるかもと信じられた時代であり、地球を狙っているとかのネタも通じたのですよね。この手塚版はアポロ11号の月着陸以降、つまり月に生物はいないと分かってから描かれていますが、手塚先生はまだまだ未知の部分や夢はあるのだと言いたかったのですかね。

5話目の「黄色魔境」は、1969年の少年キングが初出。
先の対戦中…アフリカの『ワダン・ワダンの遺跡』という架空の町並みを舞台としながらも、ヒトラーやロンメル、ゲーリング等の実在するナチス高官も出てくる話。
国同士が敵対するドイツ兵とアメリカ兵が一人の日本人の少年に捕まって奇妙な友情が生まれ、また遺跡で古代生物というか宇宙人に襲われて共闘もしますが、戦いが終わってまた人間の醜さが…という話。
SFの多くは、宇宙モノに限らずこの古代文明の先住民族とかも含めて夢がある話ですが、楽しむには読者の方も純粋に信じる力が必要ですね。

ラストのオマケ漫画が6話目の「紐」で、 1970年の小説サンデー毎日が初出。
この手の大人向け雑誌に載せる用、つまり「人間ども集まれ」系の絵柄で描いたユーモア物です。
御釈迦様が下界をほったらかしにしてたら汚れきってしまったので、下界の不浄を洗い流す装置を作り、人々の前には一人一本の救済の紐をたらすと…どうなるか!?


わたしは直感的にさとった
人間とそっくりの姿をしているが ほんとうの人類とはかけはなれた何かなのだ!!
ちょうど われわれがサルかイヌと出くわしたような違和感!!



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  1. 2015/01/16(金) 23:07:49|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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