大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

手塚治虫(48) 「双子の騎士」

手塚治虫作品より、「双子の騎士」(虫プロ商事刊)。
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なかよし(講談社刊)にて1958年から翌年まで連載された作品で、単行本は虫コミックスで全1巻。
少女漫画に疎い私も、その黎明期に描かれた手塚治虫作品は一生懸命集めて読んでました。
この「双子の騎士」は手塚先生の代表作の一つでもある「リボンの騎士」の続編で、初出誌での連載中はタイトルもそのまま「リボンの騎士」でした。

その「リボンの騎士」。1953年連載スタートの少女クラブ版と、その10年後に連載スタートのなかよし版がよく知られていますが、その間に描かれている「双子の騎士」は、当然ながら少女クラブ版の続編。
前作で結ばれたサファイアとフランツですが、二人の国、つまりシルバーランドとゴールドランドが併合して生まれた国の名前は『シルバーランド国』になっていますね。
本作ではここを統治する二人の間に子供が生まれると、それが男女の双子だった事で争いの種になってしまいます。どちらが王位を継承するのかで周りが王子派と王女派に分かれて戦うのです。冒頭から『やったなこの きちがいめ』とか言って家臣達が殺し合いをしています…

生まれた男の子はデージィ王子、女の子はビオレッタ姫と名付けられ、天使のチンクによる神託でデージィの方が後継者に決まるのですが、反対派の家臣であるダリア公爵夫妻がまだ赤ん坊のデージィをさらってズボラという森の主が棲む森に捨てると、次は王位も我が物にすべく画策する。
デージィが居なくなった事を隠したいフランツ国王は、ビオレッタを一日おきに着替えさせて王子と姫の二役を務めさせるのですが、かつて自分も男装させて育てられたサファイアは悲しみの涙を流します。

一方の森に捨てられたデージィは、優しいシカのパピに育てられて生きのびます。パピは女神さまによって夜の間だけ人間の姿にしてもらって姉としてデージィを育てているのですが、夜間にシカ姿ので会ってしまった時、姉だと気付かないデージィに弓矢で狙われ、後に捕らえられて皮を剥がされそうになるのだから…人間は残酷です。

それから東のバラの館に住む白い王子黒い王子の兄弟の登場。彼らはヒーロー役とラスボス役を担う事になります。
秘密を握ったダリア公爵夫妻は国王夫妻、そして15歳になったビオレッタ姫を北の塔に幽閉してしまいました。しかしここで、久しぶりにリボンの騎士姿になったサファイア王女がビオレッタに剣を仕込み、ビオレッタは二代目リボンの騎士として活躍する事になるのです。
兄・デージィの存在を知ったビオレッタは北の塔を抜け出し、ジプシーの女王・エメラルドら協力者と共に冒険する事になるのですが、双子の騎士が再会して力を合わせて国を取り戻す事は出来るのか!?

ビオレッタは綺麗なドレスを着て久しぶりに女の子の姿に戻れた時に不幸な運命を嘆いて涙したりと悲しい描写もありますが、ジャングルでの戦いや魔女の魔法などファンタジーも有り…と、楽しめる痛快な冒険活劇です。
綺麗で可愛い絵は明らかに対象読者である少女向けですが、女性漫画家ばかりになった現在の少女漫画からはこのような、長編で冒険とかアクションを楽しむ作品は排除されてしまったのではないでしょうか。


おにいさま!! あたしのほんとのおにいさま!!
あたしずいぶん さがしましたのよ
おにいさまをさがして男のなりをして
ずーっとたびにでていたのよ!!



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  1. 2015/02/28(土) 23:59:42|
  2. 手塚治虫
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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