大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(88) 犬木加奈子 10 「八犬伝説妖怪里見中学」

続いての犬木加奈子作品は、「八犬伝説妖怪里見中学」(リイド社刊)。
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タイトルでお分かりの通り、元ネタは滝沢馬琴の長編伝奇小説「南総里見八犬伝」
江戸時代後期に書かれた100冊を越える壮大な物語ですが、あれを犬木加奈子先生が現代を舞台に移してアレンジした作品!
初出は月刊ホラーウーピーとホラーウーピーの別冊で、作者の意気込みは高く、確実に長編にすべく構成していたのに掲載誌がマイナーすぎたからか長期連載とはならず単行本にして全1巻で終わってしまいました。

個人的に里見八犬伝は小学・中学生時代に一番好きで何度も読んでた小説なので(もちろん長すぎるし字も読めない馬琴のオリジナルじゃなくて山田風太郎訳の「八犬傳」とか、鎌田敏夫の「新・里見八犬伝」とか…関連の本ですが)、犬木先生の漫画化は嬉しくて期待していたのです。

現代の"黄泉学園里見中学"に通う女子中学生・伏谷由姫は幼少期に犬にさらわれて口の中に玉を八個ねじ込まれた事があった…もちろん本家の物語で神犬・八房が安房国里見家の姫・伏姫に授けた八つの数珠玉と同様の働きをする、それぞれに『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』どれかの文字が入った玉です。
「南総里見八犬伝」で八犬士に滅ぼされた玉梓の生まれ変わりは一足先に覚醒して里見中学を校長の荒玉梓以下、教師達も『根住(ねずみ)』と呼ばれる配下の者で固めているのですが、それに対抗すべく伏姫の生まれかわりの由姫は八人の若き勇者・八犬士を集める。

現代版であり姫や八犬士も中学生の設定なので、敵側に立つ教師達の妖怪チックな能力やグロテスクな風貌は良いのですが、体を泥化する数学教師の土屋先生は由姫の心室に入り込んで天井から、
『伏谷由姫 おまえ数学の成績悪いぞ だから特別講義に来てやったんだ』
とか言ってるのは、怖がっていいのか笑っていいのか。

それぞれの因縁が描かれながら『義』の玉を持つ剣道部の犬川正義、『孝』の玉を持つ玉梓に母親を殺された犬塚孝、『悌』の玉を持つ絵の天才犬田悌斗。やっと八犬士が三人まで揃った所で、彼らの物語は終わってしまいました…いや、もう1話あるのですがそれが番外編的な伏姫と八房のルーツを描く話でした。
残りの八犬士もタイトルページで顔だけ見れたのと、単行本冒頭の登場人物紹介ページで名前も見る事が出来るのですが、『仁』が犬江仁、『礼』が犬村礼、『智』が犬坂智実、『忠』が犬山忠、『信』が犬飼信太郎。何と女性も一人居ますよ!
このように、八犬士全員のキャラクターデザインも決まってたはずなんですよね。

とにもかくにも未完なので作品の評価は出来ないのですが、続けていれば凄い傑作になったはずとしか思えない。いつか続きを描いてくれませんかね。何か私は途中で終わってる犬木作品のほとんどにそう言ってる気もしますが、1990年代に比べて明らかにホラー漫画家の活躍する場が無くなった現・2010年代、良くないですね。
でもこれはホラー専門誌でなくても連載出来る内容だし、何より現代版の八犬士達それぞれが困難を乗り越えて黄泉学園里見中学の下に結集し、荒玉梓校長らと決着を着ける所を見たくてたまらないのです。
永井豪先生の未完の名作「凄ノ王」の続きをみたいからと、自社(角川書店)で雑誌を用意してまで描いてもらった当時の角川春樹氏のような力が私にもあれば!


八犬士をつくらねばならぬのだ!!
この玉こそ我らが魂!!心……勇気!希望!!
夢!知恵!意思!そして我らが力
!!


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  1. 2015/05/20(水) 23:34:06|
  2. ホラー漫画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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