今夜は
渡千枝作品より、
「幽霊たちの舞踏会」(
講談社刊)。

渡千枝先生は少女漫画の絵柄でミステリやホラー、怪奇色の濃い作品を描き続けている方で…
高階良子先生や成毛厚子先生、
菊川近子先生といった系譜の後続に当たると言えば分かりやすいでしょうか。こういう作風も今は減っていますからね。
で、今回の
「幽霊たちの舞踏会」は1985年に上梓された初の単行本で、他にもう1編が収録されています。
表題作は幽霊屋敷モノ。幽霊屋敷を題材にした作品って、ホラー映画だと有名作だけでも
「たたり」「ヘルハウス」「悪魔の棲む家」「家」「ポルターガイスト」…その他、昔はかなりあってそれなりにヒットするテーマの一つだったんじゃないですかね。
我らの身近な日本でもオバケ屋敷の話は定番だったし、もちろん映画でも大林宣彦監督の
「ハウス」や黒沢清監督の
「スウィートホーム」、かろうじて近年だと清水崇監督の
「呪怨」シリーズこそあるものの、やはりあまり見かけなくなってますね。
で、この渡千枝版のそれは幽霊屋敷の本場…なのか、ロンドンが舞台。
本物の幽霊屋敷を所有するブラックモア夫人が自分の死後の幽霊達の事を考えてそれを売りに出したため、観光会社のセールスマン達が争奪戦を繰り広げると、ブラックモア夫人、そして彼らが惨殺死体に!
屋敷という閉鎖空間を舞台にしたミステリで、となると大抵はこういうオカルトスポットの知名度を利用して幽霊の仕業に見せかけた人間の悪事だったという事で解決するものですが、本作の場合は本物の幽霊屋敷だったのか…明らかな超常現象も交えて描かれる。
視覚的にグロい描写もしっかり使われて、なかなか外さない一作に仕上がっています。
そういえばブラックモア夫人ってハードロック好きには絶対なあのギタリストの名前が使われていて嬉しいですが、他の被害者らもターナー、パーマー、ベイカー、ジョーンズ…ら、すぐに有名ミュージシャンが思い浮かぶ名をしています。キャラクター名の元ネタをミュージシャンから取る手法を使っているのだとしたら、
「ジョジョの奇妙な冒険」以前の事ではあります。
この表題作、そして次の
「棺いっぱいに花を」も同様に、舞台は外国で登場人物は外国人。
この時代の少女漫画にはありがちな事でしたが…しかしそれはただのオシャレとかではなくて、
「棺いっぱいに花を」も西洋のゾンビ伝説がモチーフに使った殺人事件が描かれているので必然だったのでしょう。
いやあ~~あれもきっとトリックだよ
そうだ!みんなドラッグでも 飲まされてラリってたんだ
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- 2015/10/31(土) 23:59:40|
- ホラー漫画
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