大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(99) 渡千枝 3 「歪んだ騎士」

渡千枝作品より、「歪んだ騎士」(講談社刊)。
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渡千枝続きですが、また前回の「手 怪奇迷宮」から数年分を飛ばして、1994年の「歪んだ騎士」に行きましょう。単行本のレーベルも私には超おなじみなサスペンス&ホラーで、3作品が収録されています。

まずは表題作の「歪んだ騎士」
女子高生で演劇部所属の館林さつきは、文化祭で「ウエスト・サイド物語」のアニタ役を演じてから学校のアイドル扱いをされている美少女。
ある時から物事が思い通りに行き過ぎるようになるのですが、それが演劇のチケットが送られてくるくらいなら良いとしても、意地悪な先生に恨みを持てばそいつが階段から落ちて怪我するし、演劇でも欲しい役を取ったライバルが落ちてきた照明器具の下敷きになって消える。
常にさつきを見守り邪魔者を排除する『騎士』、それは同じクラスの宇佐見衛という陰気で気持ち悪い男子だった…
彼が何故さつきの騎士を気取るのかもすぐに明かされますが、いわゆる関係妄想か。彼はどれだけさつきを愛しているかを見せる証として自分の方耳を切り落とす、とゴッホばりに精神障害の具合をアピールしていますが、分かりやすく言えばストーカー。
さつきを裏切ったボーイフレンドを宇佐見が殺すに至って、ついにさつきにも反撃の殺意が芽生えた!自分の望みが分かりそれを実行すると言うのなら、今すぐこの世から消えてくれと願うと!?
本作は超常現象の類は表面化せずに人間の怖さを描いたサイコ・ホラーでしたが、最後にそこを飛び出て凄く後味の悪いオチが待っています。

次の「魔を呼ぶ家Ⅱ」は、渡千枝がいくつか手がけている幽霊屋敷モノ。
普通の家なのに何故か住人がいつかない家に引っ越してきた一家、特に女学生の広瀬美喜が味わう恐怖と死を描いています。家の中からお経が聞こえてくる事で恐怖を感じた美喜は、
『ボリュームいっぱいにヘヴィメタをガンガンかけて』
お経から耳を塞いでやりすごすのですが、この娘はどんなヘヴィメタ(笑)バンドのCDを持っていたのですかね。でも笑い事じゃなく、ある因縁の霊を使って理由付けもされる怖い話でした。

最後に「人喰いの島」
これが戦時中に旧日本軍のマッドサイエンティストが研究していた生命体でサツキカ体という、人間の死体に寄生するパラサイトを描いたエイリアン・モンスター系の作品と言えるのですが、もう一つのテーマとしてリンカーネーション、つまり輪廻転生を描いているのが素晴らしい傑作。

最後は巻末に『特別付録』として、「惨劇体感シミュレーション」という残酷絵巻も収録されています。
とにかく作者、渡千枝先生は初期より画力も上がって描ける話の幅も広がっているし、当時まだまだ追っていかなくてはと思ったものでした。


わしの長男は特攻隊だった
ミサイルを遠隔操作して 高みの見物が新しいか?
放射能やガスで地球を汚染させるのが新しいか?



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  1. 2015/11/10(火) 23:00:22|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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