大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(100) 渡千枝 4 「鈴蘭 忌まわしき侵入者」

渡千枝作品より、「鈴蘭 忌まわしき侵入者」(講談社刊)。
WATARI-suzuran.jpg

前回紹介した「歪んだ騎士」の翌年・1995年に上梓された単行本「鈴蘭 忌まわしき侵入者」に行きましょう。

まず表題作の「鈴蘭 忌まわしき侵入者」
勉強もスポーツも別格に出来る上に金持ちのお嬢様な夏目美乃の家で預かる事になり、同じクラスに転入してきた戸倉すず。人懐こい笑顔で人を取り込むすずが、美乃の友達や憧れの先輩、家族まで取り込んで侵略してくる話。
何故に夏目家がすずを預かる事になったか等、最後に明らかになる決戦が別荘で行われるのですが、これは怖い…
初期の渡千枝ホラーはあからさまに現れる幽霊に頼ってしまう部分が多かったのですが、この頃には私の好みなサイコ・ホラー、つまり人間精神の恐怖を描き心理的な部分に重点を置く作風になっていて、本作はその傑作です。
評判も良かったのでしょう、後に「鈴蘭は血の匂い」「鈴蘭は眠らない」という続編も描かれていて、もちろんそちらも必読。

次は「魔を呼ぶ家 人形」。単行本「歪んだ騎士」の中にも「魔を呼ぶ家Ⅱ」という作品が収録されていましたが、本当に全く同じ家を舞台にした正統シリーズ物。
普通の家なのに不慮の事故が相次ぎ、死人まで出たこの家に引っ越してきちゃったのは独身男性で大学講師の黒木克美。人形史の専門家でアンティークドールを愛しコレクションしている男。それは別にいいのですが、こいつの場合は愛し方の度が過ぎていました。髪の綺麗な人間を殺して頭皮を剥いで人形に使うような変態だったのですね。
それがこの『魔を呼ぶ家』に来てしまった事で、犠牲になった少女達の怨念が呼び覚まされて…

最後に「通りゃんせ 通りゃんせ」
『通りゃんせ』といえば私も大好きな増村保造監督映画「この子の七つのお祝いに」で効果的すぎるテーマ曲に使用されているので無条件に怖い歌になっているのですが、実際に暗い童謡ですよね。
主人公の女学生・悠菜は夏休みを、父が再婚する事になる相手の女性・寺脇藤代が住む高い塀に囲まれた屋敷で過ごす事になりました。藤代は素敵な人で安心した悠菜でしたが、この屋敷で起こる怪奇現象から不審に思い、藤代には出生届も出してもらえなかった娘がいた事を知る。
この題材、『通りゃんせ』自体を渡千枝先生がどう使ったかは作品を読んでもらうとして、何て悲しい話でしょうか。それこそ「この子の七つのお祝いに」の斎藤澪とか、良く言えば横溝正史作品すら思い出すような血縁を描いた悲劇。これらの作家と違って超常現象を交えるのが渡千枝風ですけどね、とにかく傑作でした。


そして"通りゃんせ"は わたしにとって
一生好きになれない曲になってしまった



スポンサーサイト
  1. 2015/11/14(土) 23:00:03|
  2. ホラー漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ホラー漫画(101) 渡千枝 5 「FUTURE フューチャー」 | ホーム | ホラー漫画(99) 渡千枝 3 「歪んだ騎士」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/1436-d751f10e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する