大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(188) H・P・ラブクラフト 3 宮崎陽介 1 「邪神伝説 クトゥルフの呼び声」

H・P・ラブクラフトのコミカライズ作品続きで、今夜は宮崎陽介先生の「邪神伝説 クトゥルフの呼び声」(PHP研究所刊)。
H-P-Lovecraft-MIYAZAKI-call-of-cthulhu.jpg

本作は帯に『恐怖神話の原点小説が ついに漫画化!!』とあります。
あの水木しげる先生が貸本漫画時代から「地底の足音」はラヴクラフト小説にしてクトゥルフ神話作品の一つである「ダンウィッチの怪」を漫画化しているし(他にも水木しげる作品にはラヴクラフトの小説をベースにした物語が散見されます)、映画にアニメにゲームに音楽と飽きるほど元ネタとして使われているクトゥルフ神話に対して、この本が出た2009年に何を今さら言うのかといった感じでしたが、これはこの出版社では初めての事というほどの意味で良いでしょうか。

で、この出版社というのが松下幸之助が創設したことで知られるPHP研究所。何故か近年クトゥルフ神話の本とかラブクラフト物をたくさん出してましたね。
この後も宮崎陽介先生は「戦慄のクトゥルフ神話 狂気の山脈」「クトゥルフの血族 ダンウィッチの怪」「クトゥルフ神話の宇宙怪物 闇にささやく者」…等々と描いていきますし、他の漫画家も含めるとPHP研究所のクトゥルフ神話シリーズは乱発気味になり、私が見ただけでも10冊くらい出てたかな。まぁ、それだけ売れているのでしょう。ラブクラフト物がそのように巷に溢れているのはファンとして嬉しくもあります。もうちょっと質が高ければ文句ないのですが…

そう、表紙だけ見て購入したこの本ですが、あまりにも漫画ページが下手、お粗末すぎる。画力だけでなく漫画に関する全ての力量が未熟すぎるのに、よりによって傑作小説であり漫画にするには難易度の高い「クトゥルフの呼び声」に挑戦しちゃっているのですね。
元々が異形の者が登場する小説でラヴクラフトもまさか漫画になる事など想定していないし、読者は各自が想像している物もあるのだから絵で視覚化されてしまうとギャップがあるのはしょうがないのですが、これではあまりにも…名作が泣いていますよ。いや、まだ経験と技量の浅い作者を攻める気もないのですが、この仕事をオファーしたのは誰だ!
でも宮崎陽介先生はまだクトゥルフ神話を描き続けていて画力もマシになってきているし、今後も長きに渡ってラヴクラフト漫画家として活躍していける人を長い目で見て採用したのかもしれません。

ただし本作にも良い所はあって、ひどい漫画の合間に活字ページでラブクラフトの解説ぺージがたくさんある事。
前書きから巻中、後書きと長々文章を書いているのはクトゥルフ神話研究家の森瀬繚氏で、ラヴクラフトの代名詞とも言える生誕地・アメリカのプロヴィデンスまで訪ねて取材を行っているそうだし、とにかく分かり易いラヴクラフト入門と言えます。ラヴクラフトが生きてた当時の状況から、彼が何故オリジナルの神々を創造し始めたのかのルーツ、クトゥルフ神話とは何か、どのような作品を書いて世界に(もちろん我らが日本を含む)どう影響を与えたのかまで詳しく解説してくれています。
宣伝文は『ついに漫画化』でしたが、本作は活字ページがかなり多く、しかもそちらで何とか価値が保たれたという…そんな本でした。


ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!


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  1. 2015/12/24(木) 23:00:29|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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