大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(68) 「スリーZメン」

続いての藤子不二雄作品も、藤子不二雄ランド(FFランド)から…「スリーZメン」(中央公論社刊)です。
FUZIKO-three-Z-men.jpg

まんが王(秋田書店刊)で1964年から翌年まで連載された作品で、単行本は全2巻。
とにかくスーパー戦隊シリーズとか言われる戦隊モノの草分けだった作品として、藤子ファンや特撮ファンなどの一部で有名ですね。確かに東映制作のスーパー戦隊シリーズなんて「秘密戦隊ゴレンジャー」からカウントしても10年も後の1975年でしかなく、それよりは前の「仮面ライダー」シリーズだって1971年に開始されているのだから、確かにこの時代から戦隊モノの骨組みを作っていたのは確かであり驚愕すべき事かもしれません。

日本海のX地点に突如巨大ロボットを現れて海上自衛隊の戦艦を撃沈すると、今度はそのロボットを迎撃すべく現れ、人型のまま空を飛び爆弾を投下する...彼らがスリーZメン!
ビジュアルは本の表紙を見てもらえば分かる通りで、主人公は真ん中の早撃ちガンマンでヘルメットの角にはレイ・ガンを仕込んだゼン。向かって左の白い奴が投げメスを使う独眼のゼブラ、右の赤鼻で太っちょがマジック・バッドを使うザンバという3人戦隊です。
彼らはロボットでもなく人間でもない、人間の体の一部に機械を使って改造し身体機能を強化した種族『マシン・マン』だ!
…って、それはサイボーグって事ですよね。ここで本作の発表年をもう一度見てみると、我々日本人が一般的にサイボーグという語を知るきっかけになった石森章太郎漫画「サイボーグ009」と全く同年の1964年なんですよ。よって当時はまだこういった機械人間の名称が定着しておらず、サイボーグとせずにマシン・マンとして広めようとか、トキワ荘仲間の仲良し同士ながら争う余地があったのかもしれませんね。
ただ連載中に状況も変わってきたのか、「スリーZメン」の中でもサイボーグのハチというキャラが登場してくるし…ずっと後に石森章太郎先生側も原作と担当した特撮ヒーロー物で「星雲仮面マシンマン」というのを登場させましたが、これはさすがにこの話とは関係ないか。
ちなみに本作には体が飛行機ながら人間の頭脳を持つという事で同じマシン・マンの仲間・ゼウスがいますが、この設定は「サイボーグ009」でいうと洋館の体に人間の脳を持つ0012を思い出しますね。

そもそもスリーZメンの3人(ゼン、ゼブラ、ザンバ)は、ある事故で死にかけていたのを禅田博士が手術してマシン・マンとして再生させて誕生しました。Zメンの『Z』も、禅田博士の頭文字から取ったもの。
禅田博士…かつて人口心臓や人口肺の研究で世界中で有名だったにも関わらず行方不明になっていた人物ですが、18年前にマブゼ博士から人造人間の無敵軍隊を作る事を強要されて妻と子も殺され、しかし彼の手から逃れて太平洋上のZ島(その正体は怪物戦艦でした)にある基地で独自の研究を続けていたのです。
悪のロボット軍隊で世界征服を企むマブゼ博士に対抗して、正義のマシン・マン部隊を作って戦うために!

…と、分かりやすい正義対悪の対立が描かれるのですが、悪の側の科学者・マブゼ博士はネーミングがフリッツ・ラング監督による1932年の映画「怪人マブゼ博士」からそのまま取ってますね。
映画好きの藤子先生らしい事ですが、私もフリッツ・ラング作品は大好きだったのに、あのサスペンス映画の名作「M」の続編でもある怪人マブゼ博士が私の若き日の日本ではどうしても観れない状態だった事を思い出します。ずーっと後にDVD化もされて、今ではあっさり観れるようになりましたけどね。
ちなみにその「怪人マブゼ博士」は、4時間半もある長尺なサイレント映画「ドクトル・マブゼ」の続編でもあり、フリッツ・ラングの遺作も自らリメイクした1960年版の「怪人マブゼ博士」でした。

さて「スリーZメン」におけるマブゼ博士が、ロボットの王となるために作った奴がキング・ギャロ。こいつがほとんど不死身で、恐ろしい部下のロボットを従えて何度もスリーZメンの前に立ちふさがる最強の敵。他にもシャドウ、ファントム・Qといった敵ロボット達が登場するし、全ての話に見所あり!
スーパー戦隊シリーズの元祖という貴重さだけでなく、現在でも充分に楽しめる作品だとは思うのですが、前述の通り同年に連載開始されて近い設定が登場する「サイボーグ009」と比べると、内容が子供向けで単純過ぎるのが後世に残るかどうかの明暗を分けたかな…逆に言うと009の方が、この時代にあそこまでのテーマを少年向け娯楽作品の中で描ききった凄い作品だったという事でもありますが。
FFランド版のオマケ、本作の『巻末新作まんが』は「ウルトラB」の連載でした。


動物にはなんかこう戦いたい本能がある
ズールはその本能が ものすごく強かったのだ…………
ズールはただ破壊するためだけの目的であばれた
人間は 必ず正しい目的がなくては ぜったいに戦ってはならないのに!



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  1. 2016/01/22(金) 23:59:32|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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