大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(8) つのだじろう 1

ukiyoesyunnga.gif

今夜はつのだじろう先生。この方も漫画界において重要人物です。
本名はそのままなのですが、漢字で角田次朗と書くのです。イメージの違いに驚きますよね。

1936年の東京都生まれで、高校在学中に漫画家の島田啓三先生を訪ねて…というより"押しかけ弟子"になって漫画修行を積みます。
ちなみにこの島田先生というのは、「冒険ダン吉」を描いた児童漫画の生みの親とも言える存在の方です。

そして1955年、漫画少年に「新桃太郎」という3ページ漫画を載せ、本名の角田次朗での名義デビューとなりました。
この短い作品も、師匠の島田先生から投稿の許可を得るまでに何と半年も描き直しさせられたという伝説があるくらいですが、そのエピソードは、藤子不二雄先生の「まんが道」を読まれた方もご存知でしょう。

それから、以前このブログでも説明した新漫画党に入党し、トキワ荘の連中と関わる事になるのですね。

1958年にUFOを目撃し、オカルト研究を開始するのですが、この年には初のヒット作「ルミちゃん教室」が生まれています。これはりぼんに掲載された少女漫画ですよ。

代表作がある漫画家というのは、いつまでもそのイメージで語られる事が多いのですが、このつのだじろう先生はその代表でしょう。
先に挙げた少女漫画から児童漫画、幅広いジャンルの少年漫画、青年漫画も手がけてるというのに、共に1973年から描きだした「うしろの百太郎」「恐怖新聞」の大ヒットによって、今や誰に聞いても"オカルト漫画家"と言われますからね。
オカルト漫画なんて、デビューから20年近く経ってから手がけているのですし、それだけで語られるにはあまりに惜しいのです。

例を挙げれば、可愛いギャグ漫画「ブラック団」、将棋漫画の「5五の龍」、競馬漫画「おれの太陽」、他にも時代漫画からスポーツ漫画まで、本当にいろいろあります。
名作「泣くな!十円」は、『俺って駄目だな~』と思う全ての少年達に読んでもらいたい青春モノの傑作ですよ。

それに1963年から石森章太郎先生、藤子不二雄先生らが作った事で知られるアニメ製作会社スタジオ・ゼロのメンバーでもありましたね。
(これは1971年に解散してます。)

もっとも、つのだ先生自身が心霊研究の話ばかりして、そういった漫画ばかり描いてる時期が長いのだから、ご本人としても"オカルト漫画家"の称号でいいのでしょうか。
オカルト系の漫画だと、既に挙げた「うしろの百太郎」「恐怖新聞」の他には、1976年の「メギドの火」が狂っててオススメです。
1980年代に入ってから始めた「新うしろの百太郎」…はともかく、1990年代になると「恐怖新聞II」「うしろの百太郎 平成版 」「恐怖新聞 平成版」といった、過去の栄光にすがった痛すぎる続編もありますよ。生活が苦しかったのですかね。

そして何より私のような梶原一騎ファンには、梶原先生と組んだ「虹をよぶ拳」「空手バカ一代」という空手漫画の名作は忘れられません。
それからそのために起きた事件も…

つのだ先生が「空手バカ一代」を描いていた際に、原作者の梶原先生、そして同じく漫画原作者で実弟の真樹日佐夫先生と対立し、「空手バカ一代」も降板してしまったのですね。
それから梶原先生抜きで大山倍達総裁と組んで「ゴッドハンド」を描きます。
当然激怒した梶原先生はつのだ先生を脅し、連載を止めさせたのですが…
つのだ先生は懲りずにあの恐怖の兄弟に逆らい、1978年にはビッグコミックで連載していた「魔子」の作中において、
『カラワジ・イキツ・キマト・ワヒオサ・ハノクキョウ・ミツオ・レシモオイ…呪われよ!』
という呪文を使ってしまい、怒った梶原兄弟に監禁された上に各方面へ詫び状を書かさた事は有名です。

呪文の解読は必要でしょうか?一応しておきましょう。文字の順番を少し変えると、
『カジワラ・イツキ・トマキ・ヒサオワ・キョウハノク・ツミオ・オモイシレ…呪われよ!』
となり、つまり
『梶原一騎と真樹日佐夫は脅迫の罪を思い知れ…呪われよ!』
ですね。何とも単純な暗号…。

ちなみにこの時期、いくらオカルト漫画以外の作品を描こうとしてもこういった妨害が入って中断を繰り返していた事を、つのだ先生は
『霊とは関係のない仕事をしようとすると
霊界が許さず、裏切られたり横槍を入れられたりで、ことごとく失敗してしまう』

と語ってました。
霊界が許さずって、そりゃふざけてるのかと思うなかれ。つのだ先生は本気だったはずです。

そうそう、「恐怖新聞」でも「笑う骸骨」という話で、乱暴で評判の良くない侍・名を仮に梶川市之進とされたキャラが登場して、暴れ回っていた事も憶えておいてください。
町民達は逃げながら『かかわりあいになるな! うかつにさわると首がとぶぞ!!』と叫んでます(笑)

あとこれも大事なのかな。
つのだじろう先生は秦の始皇帝の末裔なんですよ。自己申告では。
そのため個人事務所の名前は秦企画です。

さらに最後に一つだけ!
つのだ先生は浮世絵春画蒐集家でもありまして、ついこの前「浮世絵春画ばなし」(ソフトバンク クリエイティブ刊)という本も出してます。つのだ先生が集めた春画を公開し、独自の解説を付けた本ですね。
せっかくの新刊ですので今回はその画像を使わせていただきまして、次回は素敵なつのだじろう先生の作品を一つ紹介してみましょう。
あっと最後に、あのミュージシャンつのだ☆ひろ氏は、つのだ先生の実弟ですよ。(誰でも知ってるかな?)

それでは、おやすみなさい。


スポンサーサイト
  1. 2007/03/09(金) 23:48:23|
  2. トキワ荘
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<トキワ荘(9) つのだじろう 2 「その他くん」 1 | ホーム | 月刊漫画ガロ(30) 山野一 1 「貧困魔境伝ヒヤパカ」>>

コメント

I like your site
  1. 2007/06/17(日) 02:21:25 |
  2. URL |
  3. Lee #79D/WHSg
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/147-4400a3d8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する