大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(71) 「ミラ・クル・1」「宙ポコ」

今夜は藤子不二雄作品から、「ミラ・クル・1」(中央公論社刊)です。この藤子不二雄ランド(FFランド)版のコミックスでは、「宙ポコ」も併録した全1巻。
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当時は二人の藤子不二雄
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そのうち今でいう藤子・F・不二雄先生側の作品で、まず「ミラ・クル・1」はあのコロコロコミック(小学館刊)が月刊化する時の第1号記念作品として登場しており、つまり『月刊コロコロコミック』の創刊号である1979年4月号から連載されたのですね。しかし全5話で連載終了してしまいました。知名度が低いのは、話数が少なくててんとう虫コミックスで単行本化していない事が原因でしょう。
連載終了した理由も決して人気不足ではなく、コロコロといえばの「ドラえもん」の方が初映画化される直前ですので、大長編の執筆などで忙しくなって中断したようですね。ドラ映画が失敗していれば連載再開もありえたかもしれませんが、ご存知の通り大ヒットしてシリーズ化されたため、「ミラ・クル・1」の続きが描かれる事は無かった...内容は「ドラえもん」と比べてもさほど遜色のないものだっただけに、惜しまれる作品です。

どこにでもある町の平凡な少年を主人公にして、ガキ大将なんかがいる日常の中に非日常的な存在が紛れ込み、発生する騒動を描いた藤子Fマンガのド定番パターンでストーリーは進みます。
普通の少年である主人公は未来。『みらい』と読みます。
そして肝心の、本作における異世界の住人は…UFO。そう、宇宙船なんです。えっ、ドラちゃんみたいなマスコットキャラじゃなくてUFOって!?あまりにも前衛的すぎるのではないかと思いますね。でもご安心ください、このUFOは主人公宅の地下深くにめり込んでいて動けないため、未来の愛犬であるワンの脳とつないで肉体を借ります。だから犬の姿が本作のマスコットキャラで、可愛いんです。もちろんしゃべるし、色々と教えてくれます。
このUFOは10万光年離れたミラクル星で作られた物で、意思を持ちしゃべったりも出来る最新型。とはいえ、地球に不時着したのは834年前の事ですが、それでも現在の地球よりはるかに進んだ科学力を持っていたのですね。ワンの姿を借りたこのUFOにストロンググローブ、ジャンピングブーツ、オキシタイというミラクル星のアクセサリーを借りますが、簡単に言うとこれがパーマン・セットみたいなもので、人体強化してスーパーマンになれた未来。UFOは他にも天才バンド、ほんやくマイク等、進んだ科学技術からなるアイテムを提供してくれる所が、ドラえもんとかぶります。
誘拐された友達の少女・栗島くるみを救った事から彼女も仲間に入れる事となり、未来・くるみ・ワン…ちょっとだけ略して3体でタイトルの『ミラ・クル・1』となり、遊んだり事件を解決したりするのです。

ちなみに本作の設定は1973年から翌年まで描かれていた「パジャママン」と設定がそっくりで、私は2010年に藤子・F・不二雄大全集で単行本化された際にようやく読めた時にその事実を知って驚いたものです。つまり「ミラ・クル・1」は、「パジャママン」のリメイク作品と言えるのでしょう。

続いて同時収録作品「宙ポコ」
もちろん藤子F先生側の作品で、こちらは別冊コロコロコミックの方で1983年に連載された作品。
内容は「ドラえもん」はもちろん、「ミラ・クル・1」やその他多くの作品と同様に普通の家に異世界の住人が居候する王道モノで、可愛く擬人化しているものの爬虫類系の風貌のソールス星人、宙ポコ。学校が春休みのため珍しい宇宙の田舎を見ようと旅に出て、地球へ来たのです。
本作におけるドラえもん=宙ポコならば、のび太=つとむ、しずか=マリ、ジャイアン=ガマ口、スネ夫=イナリ、と全く同じ編成、しかも宙ポコは"ひみつ道具"みたいなアイテムを出して空を飛べるようにしてくれたりする…となっては、ますますドラえもんです。
それだけドラえもんが完璧なパターンを完成させてしまったという事でしょうが、どうしても差別化が取れなかった事で作者は悩み、たったの3回で連載終了。
つとむが少年ならではの無邪気さからを利用したり自慢したりした事で、宙ポコはつとむを友だちじゃないと怒り…と、ちょっと深いテーマで語る部分もあったのですが、残念です。でも最終話となった3話目が自身の他作品「パーマン」を使った話だったし、新ネタを出せなくなっていたのでしょうか。とはいえこの話自体の出来はかなり良いし、小池さん(F先生、A先生の区別なくどこでも登場するラーメン好き!)やしずかちゃんまで出てきて嬉しいものでしたが...
次々と有名キャラを生み出していたかに見える藤子F先生でもマンネリしてしまう事に苦しんで、それぞれ工夫していたんですよね。

この単行本は藤子不二雄ランド版なので、巻頭のカラーセル画、表題作品本編が終わると解説記事、読者のひろばがあって、最後の巻末には新作連載漫画という形態じゃないですか。
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ただし巻末漫画はたまに新作じゃなくて『名作まんが』として過去作品の再録の場合がありまして、本作の場合は『藤子・F・不二雄としのだひでお』名義の「ベラボー」が収録されています。なかなか読めないレア作品なので、これは嬉しいですね~。
それはともかく、初出時は『藤子不二雄としのだひでお』名義だったはずが、この本は藤子・F・不二雄へと変えたばかりの1989年に上梓されているので、修正されていました。(1988年のほぼ1年間は藤子不二雄Ⓕ名義)
そうです、2人の漫画全集である藤子不二雄ランドは1984年から1991年までの刊行なので、コンビ解消した1987年はど真ん中のタイミングだったんですよね。それでも全集のタイトルまでは改めず、そこから何年も藤子不二雄で続けて出してくれた事には感謝したいですね。


よく わからないけど……
ぼくの身のまわりで なにかが起きてるみたいだ
なにか とてもへんてこなことが



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  1. 2017/04/19(水) 23:00:20|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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