大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(72) 「ビリ犬」

今夜は藤子不二雄作品から、「ビリ犬」(中央公論社刊)です。
FUZIKO-billiken1.jpg

二人の藤子不二雄のうち、今でいう藤子不二雄A先生側の作品。
初出は1969年のぼくら(講談社刊)ですが、ずっと後…約20年も経ってから藤子不二雄ブームの1988年にアニメ化されました。それに合わせて20年越しの続編も月刊コロコロコミック(小学館刊)で連載され、そちらは「ビリ犬なんでも商会」と改題されています。
この藤子不二雄ランド(FFランド)版のコミックスでは、その両方を合わせて全1巻。藤子A先生も時代によって絵柄の変化が目立つ方なので、それぞれの特徴が絵で現れているのもファンとしては興味深い所ですね。

これも内容は藤子作品で非常に多い、平凡な主人公の少年が住む平凡な町に非日常的な存在が紛れ込んでくる、定番のSF生活ギャグ漫画。
大の犬好きで有名な藤子A先生は作品の中によく犬を出しますが、本作は犬を主人公にして他の犬たちも描きまくった作品なので、そこにも注目しましょう。そう、ここでの『非日常的な存在』はビリケンという犬で...いや、正確には風貌は犬そっくりですが人間の言葉をしゃべり長い耳ではばたいて空も飛べる"ケン族"というやつなんですけどね。
藤子A作品でちゃんとリアルな犬マンガは「ココ」で紹介した「タカモリが走る」が挙げられるでしょうが、それはちょうどこのFFランドの巻末新作漫画として連載されていたので、この本でも巻末に第35話目が載っています。つまり犬マンガ続きで、犬好きには特に嬉しい1冊となりました!

さて「ビリ犬」
大空を飛んでやってきたビリケン、冒頭の登場シーンは4ページ目最後のコマまでセリフ無しで続くのですが、可愛くて可笑しくて、いきなり最高です。
そんなビリケンが人間の町・花火ヶ丘に降り立ち、友達はみんな犬を飼っているのに団地暮らしで犬が飼えず悔しい思いをしていた少年・雨森タツオの家で居候するのです。タツオの弟のテツオも凄い犬好きなので、既に2人を幸せにしていますね。
すぐにビリケンと同じケン族の仲間でメガネの秀才ガリケンもやって来て、やはり雨森家で居候して巻き起こる楽しい珍騒動が描かれます。
ダンのブルドッグ・ダブ、ヨーコのコッカスパニエール・ミミ、犬種は分かりませんがマメオの大型犬・ドカ、ホネヒコのマロ等、犬は全部可愛いですね。

「ビリ犬」の方は人間と犬の立場が逆転しているシュールで怖い街に迷い込む『犬の村』で幕を閉じ...
続編の「ビリ犬なんでも商会」。こちらはケン族と敵対する"ニャン族"というライバルが登場します。名前の通り今度は猫に似た風貌で、同じく空を飛べる種族ですね。そこの大使であるドン・ニャーンもケン族の邪魔をするために花火ヶ丘まで来たのです。

それと居候で雨森家の家系を苦しめているビリケンとガリケンが"ビリ犬なんでも商会"という会社を設立し、社長となって自活を図ろうとするのが続編ストーリーの柱。
『宝の箱の中身は…!?』という話では何と百万円で宝箱を守る仕事を請け負うのですが、仕事を終えて見せてもらった宝箱の中身は手塚治虫先生の「新宝島」初版本でした。
依頼主の猿王金造は、
『わしは少年の頃 この本をよんで大感激したんじゃ! だから今でもこの本を見ると純真な少年の頃にもどれるのじゃ!』
と言って目をキラキラさせて、ここでも藤子A先生は手塚治虫リスペクトの念を出してくるのですね。

面白い作品だったのですが、残念なのは特に完結編を描かれる事もなく、話数は少ないながら20年モノの作品が突然連載終了した事ですかね。ええ、最終回も普通の日常エピソードでした。でも藤子不二雄A先生は存命なのだから、またいつか続編も描かれるかもしれません。その時を楽しみに待ちましょう。


ワーン!あいつはいったい犬か?人か?
頭がおかしくなったわ~



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  1. 2017/04/22(土) 23:00:21|
  2. 藤子不二雄
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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