大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

週刊少年ジャンプ(10) 小林よしのり 2 「新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論」

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今回はよしりんこと小林よしのり先生の作品紹介として、「新ゴーマニズム宣言スペシャル・戦争論」で行きます。

まず自分の話からさせてもらいたいのですが、私はフランスに長期滞在していた時期がありまして、その時に同じように外国から来ている人達と友達になるわけです。
やはりアジア人の方が仲良くなりやすかったですね。
お互いの下手なフランス語を共通語にしながらも、かなり打ち解けてました。

そんなある日。外国人達が集まってるのだから当然ですが、それぞれの国の話をしてた時にですね、ある韓国人が『君の国は悪い事ばかりしてた悪の国だからね』なんて言い出したのです。
我が耳を疑いながらも、なお話してると『君の爺さんは極悪人だ』なんて事も言ってくる。

これは私に対する侮辱と受け取っていいのか…少なくとも血族を貶された事は確かですね。
どこの爺さんだって国民の義務で、そして家族のために(自分だけ行かなければ家族ぐるみ村八分にされたでしょう)命をかけて戦地へ行ったのでしょうが、彼らに言わせたら外国で悪事を働くために進んで行ったように思うらしいですし、100%大日本帝国軍は"悪"であるのですね。
私にも戦争で死んだ親族は当然いるし、まぁそんな事は彼らにはどうでもいいかもしれませんが、友人のまだ見ぬ祖先に対してこんな言い方できる彼らの無神経さ、礼儀知らずさには腹が立ちました。

しかも何故日本が開戦する必要があったのかとか、じゃあ戦後の日本で貴方達の祖先はどうしたかとか、もう韓国に関しては日韓基本条約で保障は済んでいるとか、そんな都合の悪い事は知らないのですから。
きちんと説明しようとしても、『素直に謝らないなんて信じられない!』という顔をされるだけでした。
楽しく呑む席でも謝る事だけを強いて、反対意見は一切認めない彼らに不信感を抱きましたが、納得させるだけのデータが無い自分の無知さにも悔しい思いをしましたよ。

韓国に造詣の深い根本敬先生の著作から、彼らは大した事は考えてなくとも枕詞として『日帝36年許すまじ』と付けるんだって笑い話を読んだ事がありましたけどね。
彼らはそれ以後もたまに話をむし返してきましたが、まだ生まれぬ我々の子孫達にも未来永劫言い続けるのでしょうね。1000年以上も清国の属国だったのに、中国様には何も言わず。

さらに何と、オランダ人支配から日本人が統治して国を栄えさせ、後に独立を助けた国・台湾の友人まで、私が日本人であるという理由から攻撃してきた事もあります。
『他の日本人はすぐに謝るぞ』とかの言葉を添えて。
もっともその友人はアメリカの大学に進学していて、思想もアメリカかぶれだったからかもしれません。
"アメリカ=正義"というその考えには何度か爆笑させてもらいましたよ。
しかし同じアジア系の日本に対して、アメリカは原爆で30万人、空襲で60万人という日本の非戦闘員、つまり民間人を大虐殺するという人類史上最大の犯罪を犯していながら謝罪は一切無い事について、『日本が悪いんだから当たり前だ』と言い放ったのは腹立つより呆れました。
おかげでこいつはアホなんだなと納得して(笑)、決裂もせずに済みました。
人の価値がそれだけで決まるわけではないので、今でもたまに連絡取り合って仲良くしてますからね。

強力な大東亜共栄圏を作ってアメリカに対抗しようとした事も、成功しなかった以上は他国からしたら侵略行為でしかなかったでしょう。
しかしねぇ…相手が強いと従ってたくせに、負けて力を失ったとみるや手のひら返して攻撃しまくる姿勢は、少なくとも私の掲げる"おとこ道"からは外れてます(笑)

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とにかくそんな私の前に「新ゴーマニズム宣言スペシャル・戦争論」の登場です。
…って、1998年には発行されていたので、私がフランスに渡る前に出ていたのですけどね。
定価が高いからって古本屋に出るのを待っていたせいで、後悔するはめになりましたよ。この本には私の言いたかった事を代弁してる部分がかなりありましたから。
それにこの年の出版界においては"事件"でしたね。
世代を超えた大反響を巻き起こした事を覚えている方も多いのではないでしょうか。

内容は、かの大東亜戦争を巡って従軍慰安婦問題や南京大虐殺、歴史教科書問題…それらについてよしりんの解釈を分かりやすく説明し、扇情的に訴える物になってます。
それを思い入れたっぷりに、漫画としてはあまりに濃く描かれているのですが、一部を紹介して、後は自身で読んでもらいましょう。
ベストセラーだっただけに、ブックオフに行けば105円コーナーにありますから。
そう、こんなブログを読んでる暇があったら「戦争論」を買いに走ればいいのです(笑)

何と言うか、読んでどう思うかは自由なんですけど、現在の戦争博物館といった類の所で日本人に書かれている所感ノートなど見たら、『心から謝罪をしたいと思います』とか『過ちは繰り返しません』とか、まぁ全部このような物ですよね。全員同じ事書かざるをえない空気って気持ち悪いですが。
これこそ片方からの情報を植え付けて見るものを思考停止状態にしているからですな。

朝日新聞とかの書きかたも同じようなものですか?
とにかくそれに反対するの情報は目にする機会がほとんど無い。
だから日本人はよしりん「戦争論」なんかも読んでみる必要があるのです。
その後どう思うかは自由ですが、罪悪感だけ持ってる方の中でも、少しは誇りを取り戻すパターンもあるのではないでしょうか。
国民の義務に従って戦場へ行って国民の期待に応えただけであり、国の未来のために死んでいった我々の祖父の世代を恥じたり、誇大に罪をかぶせる必要なんて無いのですから。

『有色人種を下等なサルとしか思ってなくて 東アジアを植民地にしていた 差別主義欧米列強の白人どもに…
目にもの見せてくれた日本軍には拍手なのである』
『欧米白人帝国主義者どもとは いっぺんアジアのどこかの国が戦ってみせなきゃいけなかった
日本がそれをやったのである』

そう言って大東亜戦争を肯定するよしりんも、当時の軍部が暴走した事や、軍の駄目な因習なんかにも触れてますしね。(少しだけどw)

教科書で習った事以外の"事実"として日本人に知っておいてもらいたい事もたくさんあります。
少しは習ったかもしれないけど、確実に忘れてるだろうから思い出して欲しい事も。

大東亜戦争は単なる侵略ではなく、アジア解放の理念のもとにあった戦争だという事。
(東アジアのほぼ全土が欧米の植民地だったなかで、日本は強い独立国だったのですよ)

当時のアジア人は白人様に勝てるなんて、夢にも思ってなかった。そこで見せた日本の力が火付け役になり、その後のアジア各国は次々と独立戦争を起こして欧米の侵略軍を追い払った事。

そもそもアメリカが開戦に追い込んだのだという事。
(日本人移民を締め出し、ABCD包囲陣による経済封鎖、石油輸出禁止、そしてハルノート)

アメリカはもう日本の負けは確定してるのに、共産主義勢力を威嚇するため、そして人体実験のために広島・長崎に原爆を落として一般市民を史上空前の大虐殺した事。
(もちろん国際法違反だし、サル同然と思ってた日本人に対する人種差別意識も絡んでます)

どこでも原爆ばかりが大きく取り上げられますが、アメリカ軍は六大工業都市を狙った後、"人口の多い順に"日本全国64の都市を焼き払った事。

戦争が終わったら日本全土で思うままに暴れ回り、勝者のでっちあげリンチ裁判(東京裁判)によって日本軍幹部を中心に1068人の処刑をした事。
(アメリカは日本で行った大虐殺も、その後のベトナム戦争での蛮行も何も裁かれてはいない)

そしてアメリカGHQにより日本は占領されていて、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムという洗脳プログラムを実行されていた事。

"従軍慰安婦"という言葉は千田夏光という作家が1973年に作った言葉で、軍が女性を奴隷狩り的に強制連行したなどというのは完全なるデマだという事。

細かいのは他にもいっぱいありますが、↑くらいは情報としても頭に入れておかなくてはならないのではないでしょうか。
あとこの本は21章+最終章という構成になってまして、章ごとに見ると…

『旧日本軍悪玉史観というが…
では支那兵はどうだったか? 欧米兵はどうだったか? ソ連兵はどうだったか?』
と比較する第10章「他国の軍と残虐度を比較する」や、
日本軍の残虐行為と言われる写真で洗脳しようとするカルト宗教そっくりな手口を斬る第11章「反戦平和のニセ写真を見抜け」は特に重要ですね。

『もうそろそろ「日本人=残虐な加害者」「中国人=善良な被害者」などという虚構の公式を捨てたらどうだ!?』

それと負けた途端に豹変した日本の大衆も斬る、第18章の「軍部にだまされていたのか?」も心に響きます。

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新ゴーマニズム宣言スペシャルのシリーズとしては、続いて「戦争論 2」「戦争論 3」でさらに戦争論を発展させてますし、他に「台湾論」「沖縄論」「靖国論」と出版されてまして、いずれも力作揃いなので単行本を買ってない方でも「新ゴー宣」の単行本を買ってない方でも読んでみたらいかがでしょうか。

一応嫌々ながらも触れなくてはならない事に、よしりんに対する批判の嵐についてがありますね。
この「ゴーマニズム宣言」関連は、熱狂的なファンも付くかわりにアンチも生む、要するにかつてのエンターテイメント漫画のように万人受けはしない内容なんですよね。
ヒステリックな人たちがこの作品は極右だのと誤解して叫んでます。

その真面目に批判してる人達に関して、私は『お勉強の出来る人達は大変だなぁ。』というか、痛いな~と思ってしまうのですよね。
ラジー賞とか取るような底抜けおバカ映画を真面目に語ってたり、『泣いた』とか言ってる人にも通ずる、痛さがあります。

きっと彼らはいつまでもニーチェの方が永井豪先生より偉大だと思っている輩(別に間違ってはいないけどね)でしょうし、少なくともよしりん「風雲わなげ野郎」とか「タコちゃん ザ・グレート」「メンぱっちん」のような漫画は分からない人々ですよね。
『下品なだけで何が面白いか分からない』とか言われるのが目に見えてるので、読まなくていいですけど。
そんな痛い子ちゃんとは、友達になってあげないゾ!メッ!
ウンコしてポーンと空を飛ぶ子の漫画を描いて、『へけけっ』とか言ってるよしりんが描いてるのですからね。

「ゴー宣」において、私から見ても空回りしまくってる所など、考えようによってはかなり高度なギャグ漫画ではないですか。
友好的な人物はカッコよく描いたりしてて平等性にかけるのは前回も言いましたが、そこがいいし、かわいい所じゃないですか。
漫画なんだから、分かりやすく極論で描いてる部分もそりゃありますって。

この「戦争論」においては、東南アジアの一般民衆の被害を描いてないという事でかなり攻撃されていました。
しかし他のほとんどの書物は旧・日本軍の加害事実だけを誇大に語っているのだし、完全な平等・中立な書物があるのでしょうか?
私は現在でも日本に存在する米軍基地と、その兵士達による今でも続くレイプ、犯罪事件も描いてもらいたかったくらいでしたが。基地の近くに住んでる方はご存知でしょうが、ニュースになる事件なんてほんの一部だし、もちろんアジアの人々による日本国内の凶悪犯罪についてだってそうですよね。

そういえば、戦争で片手を失った体験を持ち、戦記漫画も得意な水木しげる先生もエッセイ漫画「カランコロン漂泊記 ゲゲゲの先生大いに語る」において、
「大和民族」は勇ましいと……なんとなくキモチがいいんだ。『戦争論』で……戦争が終わって長い時間を経て 戦前の勇ましいフンイキを味あわせてもらって……とても楽しかった。
と語っておりました。

生きながらえることだけが人生の目的ではない
命は手段にすぎない
この命を使って何を成すかだ


↑こういう少年漫画の王道的な高揚する文句がよしりんに使われると危険だと思われるんですよね。
戦争については、負けた方が悪であり、勝者に良い様にされ、歴史もねじ曲げられる。
それは日本に限らず歴史が物語ってる事ですので、今更簡単にどうにかできる問題ではないでしょう。
ただ、「新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論」は漫画作品としてもやはり面白いんだという事を伝えて、終わりにします。


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  1. 2006/10/12(木) 00:48:36|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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