大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(12) 上村一夫 1

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今回は紹介する上村一夫先生は、私の中でBEST 3には入るくらい好きな漫画家です。
なので今更という気はしますが、重要な上村作品を少しずつ紹介していきますね。


1940年生まれの上村先生は、もちろん戦後の貧しい時代に育ったものの武蔵野美術大学を卒業してますよ。
神奈川県横須賀市出身。
(上村先生の半生については、自伝的漫画「関東平野」を読みましょう。これは必読の名作です。)


そして数年のイラストレーター時代を経て、1967年には「カワイコ小百合ちゃんの堕落」でデビュー。
この時はまだ、明るく軽快な青年向け漫画でした。絵にも全然その後のような上村色が無く、しかも風刺漫画だから読みにくいのですよ。


その後は阿久悠と組んだり、もちろん単独でも描き続けるうちに、暗くドロドロした情念や怨念を描く作風を確立していきます。
その世界こそが上村先生の持ち味であり、凄まじい迫力を感じるのです。


変態性欲、差別、殺人、狂気…あらゆるタブーが描かれているのに、どれも美しい。
それは、とにかく上村先生は絵が凄いからですね。
一目で上村先生だと分かるその独特の絵によって昭和の絵師と称される事が多いのですが、なるほど1コマ1コマが"絵"としての完成度も高いし、雑誌の素晴らしい表紙絵も当時から評価が高く、そのスタイルは時に変化しながらも多くの青年誌で長年続けられました。


未見の方は、まず今回の画像に使った「上村一夫美人画集」あたりで絵師としての力量を観て感じてみてはいかがでしょうか。


話の内容は今の時代とは明らかに合わない部分も多いのですが、全く風化しているわけではなく、古典を読むように楽しめる事もあります。
セックス一つが、こんなに禁断のモノで、また重苦しい物なのかと。
それを知らしめるためにも若者にこそ、この世界を読んでもらいたいですね。
30年とか前に描かれた作品なのに、現代の一般人にも未だタブー視される上村作品は、まだまだオリジナルの形で復刻されていなかったり、単行本化されていない作品も多いのが現状ですが。


80年代あたり以降はポップさを増してきて、私の好みから若干外れてきましたが…
とにかくもっと作品を描いて欲しかった!
1986年1月、下咽頭腫瘍のため逝去してしまいます。享年45歳!!
惜しい…あまりに惜しい才能でしょう。


「同棲時代」「狂人関係」「大江戸浮世絵異聞・アモン」「怨獄紅」「修羅雪姫」「関東平野」…他、残した作品群は唯一無二の物として輝き続けるでしょうが、フォロワーでも上村一夫先生に匹敵する漫画家が出てきて欲しいものですね。

  1. 2006/09/15(金) 19:21:56|
  2. 劇画
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