内田春菊先生。この方もガロ出身ではかなり有名人の部類に入りますね。
1959年生まれの長崎県出身で、その悲惨すぎる過去については自伝小説
「ファザーファッカー」で読んでください。私の口からはとても言えませんので!!
漫画家以外にも小説家・女優・歌手等でも活躍してますが、このブログで語るべきなのはもちろん漫画作品。
1984年の
「シーラカンスぶれいん」で漫画家デビューした
内田春菊先生の、代表作として
「幻想の普通少女」「南くんの恋人」「私たちは繁殖している」「若奥様玉地獄」等があるかと思いますが…
内田春菊先生の描く"愛"とか"幸福"は描写は正直私の好みのではなく、毎月買ってたガロでも彼女の作品
としりあがり寿先生の
「コイソモレ先生」だけは飛ばして読んでたくらいでして…
すみません。多分凄い世界を描いているのでしょうけど、理解できない受信側(私)の問題でしょうね。
小説では文学賞を受賞してるし、漫画の
「南くんの恋人」はTVドラマ化もされて、本人もいつも厚化粧でTVや映画に出ているわけですが…
一般への知名度を不動の物にしたのは東京電力のキャラクター
"でんこちゃん"でしょうかね。
現実世界の子供達に付けた名前がギリシャ文字のアルファベット順だとかで、在波(あるは)、紅多(べーた)、紅甘(がんま)、出誕(でるた)とかって…アホな事してますが、これはユーモアで片付けていいのでしょうかね。
成長した子供達の事を考えると、私の感覚では新手の虐待としか思えないのですが…
いやいや、漫画の事を語りましょう。
既に
内田春菊漫画を好みじゃないと書いた私が紹介するのは、それでも好きなジャンルであるホラー作品なので読みやすい
「呪いのワンピース 」(
朝日ソノラマ刊)。

ちなみにサイン本です。この本は本当に好きなんですよ。

かつてテレビアニメにもなった事があるこの作品ですが、
ひばり書房等から出版されてる昔のホラー漫画好きには、まず
好美のぼる先生の同名作品が思い浮かぶでしょう。
まさか
内田春菊先生が
好美のぼる作品をリメイク!?
いやいや、関係ありません。
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どんなときにもおしゃれして 好きな男の子からきれいだって言われたい…
それは女の子の永遠の望み…
しかし…そんな望みが思いがけなく 悲しく恐ろしい結末につながってしまうことも…主人公・祐子のそんな独白から物語は幕を開けます。
いいですねー。女性のお洒落に対する思いや、綺麗な服を持ってる人に対する羨望や嫉妬の感情とか、男にはそういう気持ち自体無くてなかなか描けないもんですからね、これは楽しみだ。
内田春菊先生はさすがに上手いですよ。
家庭科の材料を買いに行くクラスの女子連中の集まりで、クラスメートの真由美は"パリの洋服"で現れます。
『ここんとこにかいてあった メイドインフランスって』とか言って自慢する真由美。
それも大人の男目線からしたらくだらなくて微笑ましいのですが、それを眺めてる女子の一人、おデブなその子は何気なく
『LET'S SUMOU』とか書いてるトレーナー着てて…まぁギャグだろうけどいい加減さが受ける。
こういう突っ込み所はたくさんあるのですが、時間も無いので流していきます。
その真由美の誕生パーティーに呼ばれたクラスメート達。
そこには祐子が好きな土肥君も来るというのに、新しいよそいきの服は買ってもらえません。
途方に暮れている時、ママの洋服ダンスから見た事のない、それはそれはキレイなワンピースが見つかるのです。
『いったいどういう織り方になっているのでしょうか
スカートがゆれるたびに お花のまわりに光る蝶がひらひらと舞ってみえるのです
そのうえデザインのせいか 足やウエストはすっごく細く胸は豊かに見え
私までなんだか たいへんな美少女になってしまっているのです』ですって。
それを着ている所を見たママは真っ青になっておびえ、それだけは貸せないと言います。
でも少女の美しく見られたい願望は抑えられません。
結局そのワンピースを着て誕生会に出席した祐子は、たちまち主役の真由美そっちのけで他の友達の羨望の的になり、土肥君の視線も釘付けですが…
わっ!!突如祐子は発狂し、
『ヒーヒヒヒ ヒヒヒ 殺してやるーっ!!
私だけ死んだ!! 私だけ死んだ!!』などと叫びながら、首を不自然にガクガクさせ始めました!
(そこのコマだけ見るとギャグにしか見えないのですが…ホラー漫画です)
駆けつけたママと土肥君で暴れる祐子からワンピースをはぎとると、うそのようにおとなしくなりましたが…完全に何かに憑依された状態でしたので、記憶は無し。
ママとそのワンピースを燃やしながら聞くには、このワンピースを燃すのはこれで3度目。
焼いても破いても戻ってくるワンピースに怯え、祐子もママのようにただただ青ざめる…
完。
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これが一話目でしたが、同じワンピースを使って登場人物や設定を変えて、PART 3まで描かれています。
PART 2では何とワンピースが主人公の皮膚になってしまいます!つねると痛がるしそばで見ると血管が見えるんだとか。
内田春菊先生もあくまで女の子向けに描いたと言ってるし、さほど深みがある恐さでもないのですが、怪談話として読むといいでしょう。
それに女性作者ならではの視点がからむから面白い。
この単純な絵も逆に効果を生んでいる所があるので、
内田春菊先生にはもっとホラーを描いて貰いたかった…いや、これからも描いて貰いたいなぁ。
他の、興奮しないエロ漫画とかくだらない恋愛漫画はどうでもいいから(って、言っちゃったよ)。
この単行本
「呪いのワンピース 」には、他にもホラー漫画の
「部分」「由起子ちゃんは雑草の中」「雨の日は嫌い」を併録してますし、他にもホラーな単行本としては
「闇のまにまに」「仔猫のスープ」があるんですけどね。
あまり思い入れが無い作者なので、面白い事は書けないし大してネタもないのですが、またいつか見直す事もあるかもしれません。
過去のトラウマを作品に生かせる事は立証済みでもある
内田春菊先生…私なんかでも、やっぱりチェックだけはしておかなきゃって思います。
またホラーを描いてくれないかなぁ(しつこいか)。
- 2007/12/06(木) 23:51:54|
- 月刊漫画ガロ
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