大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(4) 古賀新一 1 「ばけもの屋敷」

KOGA-SHINICHI.jpg

今回は古賀新一先生。
やはりホラー漫画界では重要な人物です。

1936年生まれで福岡県出身の古賀先生は、小学四年の頃から江戸川乱歩横溝正史の小説に夢中になり、授業中はノートにオオカミ男やドラキュラなどの落書きばかりしている少年でした。
中卒後に生活費を稼ぎながら漫画は独学で学び、貸本漫画界にデビュー。それから怪奇漫画を発表次々と描いてひばり書房の花形になり、何と一般の漫画界に進出してヒットも飛ばして生き残ったという、カッコいい叩き上げの方なのです。

当時の怪しい貸本稼業のひばり書房はマニアには人気とはいえ、ここからメジャー作家になった例などほとんど無いだけに、これは凄い事ですね。

しかしてその実力は!?
同じひばり書房で思い出される代表的な漫画家で言うと、日野日出志先生よりも森由岐子先生というか、確実にB級でして、でもそのB級漫画のチープの中にしかない魅力満載の作品になっています。

もうどれを読んでも簡単に、安っぽく怪奇や恐怖が向こうから襲ってきます。
貸本出身という事もあって単行本一冊完結の話がほとんどなのですが、そのため激しい起承転結で場面は展開し、大げさに怖がらせようとしてきます。

安易に蛇や蜥蜴のような生物を使って怖がらせようとする、その絵はなかなかグロくていいのですけど、これで怖がるのは小学生くらいだろうという所がほとんどですね。
でもそこがまた魅力で、恐怖漫画に免疫のできた大人には、それが"笑い"となって返ってくる事があるのです。
こういうのを町の本屋で立ち読みしては怖がっていた子供時代が信じられませんが、また大人になっても別の意味で楽しませてくれる古賀新一先生は、やはり偉いのです。

1975年から週刊少年チャンピオンで掲載された代表作の「エコエコアザラク」は、さすがに作品としての完成度が高く、先ほど書いた様なB級感は薄いかもしれません。
しかしこれがまた名作。
主人公の少女・黒井ミサの周りでいつも起こる怪事件を描く作品なのですが、黒魔術好きにはたまらない、いい雰囲気がそこにあります。
後に何度も映像化されたので、漫画好きではない若い子でも知ってる人は多いかもしれませんね。

その有名な「エコエコアザラク」については後回しにして、今夜はまずB級テイスト満載なこの作品、「ばけもの屋敷」(ひばり書房刊)を紹介しましょう。

--------------------------------
交通事故で死んだ婚約者の美佐(おっ、「エコエコアザラク」の主人公と同じ名前)を思って悲しみの中に暮らす達也が、美佐そっくりの女を墓場で見つけるのです。

その女・魔子は、いつも背に醜い赤ん坊を背負い、
『ちいさいころからどういうわけか 美しいものにはまるで興味がなく それどころかけいべつさえ かんじるんです』と言い、体中に蛇、蜘蛛、毛虫といった嫌われ者生物を巻きつけ、しかも!
それぞれに鈴を付けて飼っているのです。

そんな女が『わたしは 寒気をおぼえるほど みにくい男性にすごく 魅力かんじるわ』なんて言ってます。
そのせいで達也は自分の体を火傷させ、硫酸をかけ、どんどん醜く改造していき…
ついに魔子は赤ん坊を置いて二人きりで会ってくれると言います。

そして・・・これからが注目ですよ・・・

手を下から顔に当てて・・・ズズッ スポッ・・・と・・・顔が首から抜けました!!

じつはその美しい顔は人形で、赤ん坊に見えた醜い顔の奴が腹話術で話してたと言うのです!!

もう『それ!いくら何でも気付くだろ!!!』っていう設定を臆面もなく使って発表してる時点でこれは名作(笑)
シュール・リアリズム漫画です。
(「エコエコアザラク」でも似たようなネタを使った、ひどい回がありましたが)

実は達也は赤ん坊時代に血を吸う習慣ができたために、過去に大きな屋敷で飼われる様に生きていた幼き記憶を持っていて、その謎がどうとか…あるのですが、この際それはどうでもいいとして、今夜は終わり。それでいいのです。

スポンサーサイト
  1. 2006/11/09(木) 00:56:45|
  2. ホラー漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<SF漫画 (1) 萩尾望都 1 「百億の昼と千億の夜」 1 | ホーム | 月刊漫画ガロ(21) 高浜寛 1>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/45-25a91ff4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する