私は死人……!
でも私は………生きている…!
ああ…!こんな恐ろしいことが……
この世にあるのだろうか………!?
私がこんな地獄の日々を送るようになったのは…
あの健康診断の日からだった…………!!
今夜の
日野日出志作品は、「怪奇!死人少女」(
秋田書店刊)。

これも描き下ろし単行本の一冊で一話です。
何の前触れもなく、ただの日常と思われたある日、女子中学生の
大原百合は、健康診断で死人だと診断されます。
呼び出された親が言われた事は、こうですからね。
『医学的には考えられないことなのですが……
はっきり申し上げてあなたの娘さんは……
死人です!!』これから百合は意識を持ちながら体が腐っていく悲劇に見舞われるのですが、
日野日出志先生は少しずつ腐っていく様を丁寧に描いてますね。
でもこの話は…そう、以前紹介した
「怪奇!死肉の男」(
ひばり書房刊)と酷使した内容ですね。
主人公が男か女かの違いや多少の設定変更がありながらも、タイトルも似てるしテーマとオチまで含めて凄い類似作品なのですよ。
つまり
「怪奇!死人少女」は、
「怪奇!死肉の男」のリメイクだくらいの認識でいてもいいでしょう。
防腐剤で腐敗の進行を遅くする事しかできない百合の体ですが、それを最後まで愛情持って世話する両親と妹の家族愛は感動的です。
腐敗する体の内側から、大量の蛆虫が皮膚を破って這い出してくるし、百合は激しい痛みを感じて苦しみます。
家族で田舎の一軒家に引っ越して百合を看病するのですが、百合は地獄の苦痛のせいで家族に対してきつい事を言う場面もありました。

しかし確実に滅びていく肉体と向き合う百合は、いつしか悟りを開いて恐怖が嘘のように無くなっていきます。
『どうしてなのか自分でもよくわからないけど………
むしろとってもおだやかな気持ちなの………
不思議だわ………… ほんとうに不思議だわ…………』ついに百合は骨だけになり、その骨が七色の花々で埋もれると、次は光の粉になってはじけて散って行きました。
その光の粉が散って行き、空や雲や水や土や、他のあらゆるものの中に溶け込んで行くのです。
百合はここに至るまで意識を持ち続けていたのですが、粉になってまで家族に最後の声もかけてくれました。
それから母が妊娠して、きっと百合が生まれ変わるのだと分かって……終わり。
やはり
「怪奇!死肉の男」のようにサイケデリックなイメージ画が続き、死はけっして終わりではなく新たなる生であると示唆してくれました。
ああ……!宇宙の万物のなかに私がいる………!!
私は宇宙……!宇宙は私……!!
- 2008/05/05(月) 23:47:18|
- ホラー漫画
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