今夜は
高山和雅先生の
「奇相天覚」(
講談社刊)です。

この
「奇相天覚」は
コミックモーニング(
講談社刊)で掲載された上巻、その続編として描き下ろされた下巻の全2巻。
商業誌で連載されたSF大作なのですが、
高山和雅先生はガロでデビューし、ガロの
青林堂から
「パラノイア・トラップ」「ノアの末裔」の2冊を上梓しているので、私にとってはガロの漫画家です。
「パラノイア・トラップ」時の
小池桂一先生を思わせるようなトリップ要素もまだ生きていながらエンターテインメント作品として完成させた
「奇相天覚」。
大友克洋先生や
星野之宣先生の作品を思い出す方も多そうなクールなSF漫画です。
高山先生の絵は描き込みが多い上に上手いのですが、長編を描く時の構成力も凄いのだと確認できます。
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ストーリーは、地球を支配している人類と現代に復活した鬼とで、種族の存続をかけて戦うもの。
主人公は東洋の星占い・宿曜道をやる辻占い師の
天覚。
彼は不思議な力で鬼が復活したのを知り、鬼の角を移植してそのパワーに支配された男・
菊池春彦を追って鬼無村へ行きます。
そこで狸に霊力を加え変形させた獣のイヅナと闘い、戸隠山の地下で眠っていたコンガラという古代装置を起こして…
鬼の子孫、そして何千年も前から復活の日を待っていた
龍童というのが人類にとって最大の敵だと分かり、闘いが繰り広げられていくのです。
天覚の師匠である
九鬼参蔵達と手を組んで、東京で最も強力な結界が作られている場所の皇居で戦うのですが、参蔵はあっさり殺られてしまうし、敵の強大な能力にワクワクします。
日本政府と自衛隊も龍童を倒せる唯一の存在である天覚に全面協力し、再び訪れた戸隠山のコンガラでの激しい攻防の末、ついに龍童を倒したのですが…
実は龍童の血脈は絶えてはおらず、菊池春彦が"第二の龍童"として立ちふさがるのです!
しかしコンガラ内部の描写は素晴らしい。
高山和雅先生らしい緻密で不思議な世界です。
第二の龍童との戦いは、とにかくスケールアップして世界規模になり、今度は地の果ての国CHULE(テユレ)から来た使者・
ナージャという女性と天覚が協力していきます。
CHULEとはアイスランドの事。
ナージャの話で、天覚はかつて(7世紀)にも龍童を封じ込めた武神ソールの末裔だと分かりましたよ。
それから天覚も鬼の姿になって、壮大な最終決戦に突入していくのです。
随所に出てくる小難しい理屈も、SF好きにはたまらない要素でしょう。
今のわたしのように 鬼の放ったエネルギーを受け止め
体の中に眠っていた 鬼の因子を自分のものとして
コントロールできる人間が わずかにいたんだ
- 2008/07/15(火) 23:49:02|
- 月刊漫画ガロ
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