大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(21) ムッシュー・田中 1 「恐怖!犬神の森」

今夜は、あのムッシューの話をしましょう。

おっ、元ザ・スパイダースのかまやつひろし…つまりムッシュかまやつか、ですって!?
ノンノン!我々漫画好きの間でムッシューと言えば、当然ムッシュー・田中先生ですよね!

作品によってペンネームを使い分けていて、年齢・国籍・過去などは一切が秘密に包まれている荘厳な方。
どの時でも、絵ははっきり言ってさいとう・たかを似なのですが…
例えば劇画を描く時は田中善之助名義で、あの少年ジャンプでも「美女丸」等を描いてますし、エロ漫画を描く時はプリンス田中名義だったりします。

もちろんここではホラー漫画を描く時のムッシュー・田中作品を紹介したいのですが、まずは「魔女がくる館」「赤蛇少女がすむ館」等の代表作ではなく、私が初めて買ったこれ…
「恐怖!犬神の森」(立風書房刊)にしましょう!
MONSIEUR-TANAKA-inugami.jpg
これは元々「狼女ロビズオーメン」のタイトルで出ていたのですが、例の立風書房手法によってジャケを変えてタイトルを「恐怖!犬神の森」として出版されたのです。

火の国、熊本県の阿蘇火山群の山奥にある孤立した集落・犬喰村の、犬神神社と犬神信仰の迷信と怪事件を描いた描き下ろし作品です。

洋介霧絵の兄妹が、いとこの燐子に呼ばれて東京から犬喰村に訪ねて行く所から始まる物語。
犬喰村では現在、"犬神様の使い"とも呼ばれる妖怪犬が出るようになって村人が犠牲になり、凶暴な野犬も増えているといいます。

そこで絡んでくるのが40年前、現在と同じく竹の花が咲いた時の忌まわしき村の過去なのですが、何と当時の満月の夜、おそろしい数の野良犬に襲われて村人達は闘い、四十二人も死に…
それが犬神様の呪いだという事で、村に逗留していた旅の乙女を人身御供として野犬に捧げていたのです。

だんだん分かってくる妖怪犬の正体というのは、何といとこの燐子。
ちゃんと前の方で高校時代にブラジル旅行へ行ってアンジェロ・冬木という大学生と出会って愛の誓いをかわすシーンがあるのですが、アマゾンの洞窟で吸血コウモリに襲われた話をしていて、それが複線になっていてます。
南米にはロビズオーメンという狼人間がいて、燐子は未だに狂犬病の多いアマゾンでコウモリに襲われたときに感染してそれになったという話なのです。

最初に霧絵が目撃した時に
『鋭い牙をもった 子牛ほどもある 毛むくじゃらの怪獣』
と表現している、その妖怪犬になった燐子なのですが、それは月光を浴びた時だけなり、変身している時の記憶はありません。

やたらとページ数をかけて丹念に描かれる変身シーンは怪奇映画風で、私はかなりそそられますよ。
永井豪先生の「キューティーハニー」そっくりに、服がビリビリ破れて変身するシーンもあり、少年読者へのサービスを分かってますし!

モンスターが暴れまわる系のホラー漫画なのに、未来の動物学者である洋介に説明させて狂犬病とかSS30Rという成分の水とか何とかでリアリティを出そうとしている努力は認めますが…
ありえないと笑ってしまうのは、私が汚れた大人になってしまったからですね。

最後は妖怪犬=燐子が野良犬を呼び寄せて(この野良犬操りも前半に伏線がありました)、村人をぶっ殺しまくった末に、最初の方で娘を殺されて頭がイカレた源さんによって撃ち殺され…ボロボロに崩れて唐突な終わり。
最後に燐子の哀しみを彩るかのように阿蘇が噴火し、最終コマで
『影山燐子に合掌!』
と言われるのですが、ここまできて初めて燐子の苗字が影山だったと分かるとは…さすがです。

あくまでB級テイストあふれて突っ込み所満載の作品を描くムッシュー田中先生ですので、これを面白いと思うか否かは別れると思いますが…少なくとも私は、お薦めしたいのです。


娘が殺られた!!
呪いだあ 犬神様の呪いじゃあっ!
この村はほろびてしまうんじゃあ!
ひーっひ ひ ひ ひ ひ ひ



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  1. 2008/09/17(水) 23:11:48|
  2. ホラー漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

はじめまして

遠い昔に買った「獣に化けた“りんこ”という名の女性(少女?)がボロボロと崩れて絶命する」という内容のホラーコミックのタイトルを思い出せず、ネットで調べていました。
こちらで紹介されている「恐怖!犬神の森」で間違いないと確信しました。
実は何年もモヤモヤしていたので、とても感激です。

表紙の画像を見て思い出したのですが、燐子の体が崩れていくシーンで「チリーン」という鈴の擬音語が書かれていませんか?
読んだ当時、その擬音でなんとも切ない気持ちになった記憶があるのです。
(勘違いかもしれませんが…)
  1. 2013/07/24(水) 01:08:31 |
  2. URL |
  3. つまようじ #4snJXaBA
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます。

>つまようじさま

長年のモヤモヤをここで解消して頂き、ありがとうございます。こんなブログでもやっててよかったと思えましたよ。

しかし…鈴の擬音についての質問ですが、今すぐには答えられません。というのも、諸事情によりこの本は手放してしまったのです。また、再度手に入れる事があればここで答えさせて頂こうと思います。
  1. 2013/07/27(土) 14:36:55 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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