大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(17) 宮谷一彦 1 「青春相続人」


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宮谷一彦先生を紹介しましょう。
"劇画"のカテゴリーでこれだけ紹介してたのに、『今更やっとか!?』って感じですね。

今回は宮谷作品の内容については語る気(と時間)が無いのですが、もっと多くの方に読んでもらいたい漫画家です。
ここで名前を出し、少しは宣伝になればいいですね。
なにしろ作品が手に入りにくく、ほとんど再発もされる事が無いのですよ。
だから『読んでみて欲しい、読んだらその凄さが分かる』と、そう言いたいのですがなかなか読めないかもしれません。
今は古本屋で高い値段の付いた本を買うしか、読む手段はないですからね。

宮谷一彦先生は1944年の大阪府生まれで、1966年に上京して永島慎二先生のアシスタントを経験してます。
永島先生は宮谷先生について、『背がスラリと高く、まぁいい顔していた』と容姿について語り、さらに宮谷先生が劇画の世界でも異例の新人として売れてきた時、『正直、感心したので、何度か会って、何度か殺意をいだいて。』とまで言ってますよ。

漫画家デビューはCOMにて、1967年の「ねむりにつくとき」です。
その後「太陽への狙撃」「性蝕記」といった代表作を描き、1970年代には一部の若者から絶大な人気があったのです。

それなのに本が再発されていないと既に書きましたが、1976年にヤングコミックで連載した「肉弾時代」
これだけはクイック・ジャパン(太田出版刊)で特集され、1998年に再発もされています。
肉弾三部作の二作目である「肉弾人生」も併録してますし、これは古本屋で見つけやすいでしょう。

絵柄は、緻密で描き込みの多い"劇画"なのですが、とにかく画力が凄いです!
背景やその他細部にまでこだわった絵は、劇画の基準を変えたとまで言われています。
さらに、読んでみればいかに大友克洋先生に影響を与えているかがよく分かるのです。
スクリーントーンを加工するテクニックを確立した事でも知られてます。

あとは、はっぴいえんど「風街ろまん」でジャケ画を描いているので、お洒落系の人達でも絵は見てる方が多いはずですよ。
実際汗臭いイメージのある劇画ではありますが、扱う題材や先鋭的なこの作風は本当に洒落てますね~。
この難解さもフランス映画のようというか、味であり、やはり洒落てると感じるのです。
三島由紀夫大江健三郎五木寛之といった文学から、ローリング・ストーンズジョン・コルトレーンのような音楽ジャンルまで様々な表現で取り入れられてますよ。

とにかくマニア受け扱いだけでは勿体無い作品ばかり発表しているので、もっと再評価されて出版もされて欲しいのです。
フランスでも過去の作品が出版される話があるようですし。
まだ存命の宮谷一彦先生ですが、何しろここ20年くらいほとんど新作を描いてないのがよくないのですかね。

今回画像に使った「青春相続人」(青林堂刊)は、表題作以外は1970年から1971年にかけてCOMとプレイコックで描かれた短編を集めた作品集で、これが傑作揃いでお薦めですよ。
(でも時間が無いので、今回は作品解説をパスします。)

まだまだ私も読めていない宮谷一彦作品は多数存在するのですが、私の小さい人生のうち、かなりの力を注いで追いかけてる梶原一騎原作の作品「レーサーの喪章は赤い薔薇」「プロレス地獄変」も、共に未読なのです。
だからこそ何度も言うようですが、もっと大きな再評価と再発の波が欲しいのです!

陰毛を描いたり(「性蝕記」)、肛門オナニーを描いたのも(「穴好子の子息」)、宮谷先生が日本の漫画で初めてです。(苦笑)
他にも「太陽への狙撃」連載中に逃亡しただとか、無免許運転で事故を起こしただとか、右翼の大物の娘と結婚して夫婦でセルフヌード(しかも妊婦ヌード!)を発表したとか…
そういう奇行や変な話も付いて回る人だし、若者も面白がるのではないですかね~。

はい、それでは今夜はここまでです。おやすみなさい。


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  1. 2006/11/20(月) 23:55:03|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

初めましてBRUCE様。
毎回楽しみに読ませてもらってます。
特に劇画が好きなので、今回の宮谷紹介は嬉しかったです。
宮谷一彦漫画は、私も長年探してはいるものの、やはりほとんど集まりませんね。
BRUCE様は、古本屋で高値が付いてても、どんどん買っていますか?
安く出るのを待とうと思っても、宮谷漫画は出てこないから、大金つぎ込むしかないのですかねぇ・・・
それでは、これからも頑張ってください。
  1. 2006/11/21(火) 13:02:03 |
  2. URL |
  3. ジャンピン・ジャック #79D/WHSg
  4. [ 編集]

>ジャンピン・ジャックさま
初めまして。
毎回読んでくださってるなんて、ありがたいです。
そしてそのハンドルネームは、言うまでも無く宮谷一彦先生の「ジャンピン ジャック フラシュ」から取ってますよね!?
私は手持ち金がたっぷりある時は高い値が付いてても欲しい本は買ってしまいますが、基本的にいつも金欠なので、ちょっとでも安い店で買うか、見つからなければ我慢してます。
いつか買えるだろうと…。
収入が多くて自由になるのでしたら、高くても買っていいと思いますけどね。
どうせ車とかくだらない事に使ってしまうのでしょうし…って、それは人それぞれ物の価値が違うでしょうけど。
実は今回画像に使った「青春相続人」は、ブックオフの105円コーナーからゲットしたのですが、こんなのは何十軒も回っても滅多に出ませんよね。
それに漫画なんて文学の初版の世界に比べたら、安い安い。
もう手に入るものは買っちゃいましょう(笑)
  1. 2006/11/22(水) 20:58:56 |
  2. URL |
  3. BRUCE #79D/WHSg
  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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