今夜の
石森章太郎作品は、
サンコミックスの
「アガルタ」(
朝日ソノラマ刊)です。

これは
週刊少女コミック(
小学館刊)にて1974年から
「星の伝説アガルタ」のタイトルで連載された作品で、単行本発売時に
「アガルタ」と改題した全1巻。
悲しい物語を背景に、UFOや超能力や伝説等の不思議を追求し、しかもラブストーリーになっている傑作です。
まず、
石森章太郎先生が西武池袋線桜台駅近くの喫茶店
"ラタン"で、押しかけファンで円盤キチガイの少女
橘レミとUFO談義をしていると…
あ、いきなり中断しますがこのラタンという店は実在して、写真も載っています。
ここには
石森章太郎先生の専用席があって、毎日のようにマンガのネームを入れていたとしてファンに知られるお店です。
そして、以前紹介した
「奇人クラブ」所蔵の
「吸血」と同じようにいきなり
石森先生ご本人が登場していますが、かなり
「吸血」と共通する部分が多い作品です。他にも先生本人が出てくる作品はいくつもありますが…
そして
石森先生の自宅や仕事場の詳細な描写も、ファンにはたまりません!
…話を戻して、二人が話しているその場に、
石森SFのファンだという若い男がSF漫画
「アガルタ」を持ち込みしてアシスタント志望して訪ねてきました。このタイトルは後に分かる重要な意味があります。
彼の名は
黒木シュンで、故郷は秋田県鹿角市…十和田湖近くの小さな村だと言います。
アシスタントに採用されたシュンは暗い影を持った男ですが、オキャンなレミとすぐに仲良くなりました。
それからレミに円盤についての講釈を受けたりしますが、レミが飼う犬の
ペロはシュンにひどく攻撃的。シュンが普通の人じゃないのを見抜いているようです…
シュンの村から
ユリと
ユウという姉弟が追ってきて、超能力を使ってレミの周辺に嫌がらせの超常現象を起こすようになると…これ以上迷惑をかけないようにと、シュンは
石森プロから姿を消しました。
納得できないレミは
石森先生からシュンの履歴書を借り、故郷の秋田県那須加村へ向かうわけです。
そう、鹿角市から来たと言ってましたが、実は履歴書を見ると鹿角市には高校があっただけで、本当の出身地の名は…何と那須加村(ナスカ)村!
そこで出会ったサングラスの男(実は三つ目がある)に
R・E・ディクホフが描いた
「アガルタ」の話をされますが…後にシュンが語る所によると、作品タイトルにもなっている
「アガルタ」というのはラマ教の預言書で、アトランチスの地価城砦の名でもあるのだとか。
村人達に追われ、レミは助けてくれたシュンと共にウロコだらけの体をしたご先祖様達が住む地下の道を逃げると、何とユリがシュン達を助けるために出てきて死に、さらに逃げる二人でしたが…
ここでシュンがずっと隠していた秘密を語り、やっと全ての謎が解けます。
それは聖書のアダムとイブの話が真実で、知恵のリンゴを食べさせた、ヘビに似た彼らこそがシュンの先祖にして遠い昔に宇宙の彼方から飛来してきた者。
早く彼らに高度な文明を持ってもらい自分達も故郷へ帰りたいとの想いからした、この行為が
"銀河連邦進化管理局"に目を付けられ、この正義の旗を振りかざした破壊者(デストロイヤー)によってアトランチスは破壊され、それから云々…と、壮大な物語が語られました。
そしてユウはあっという間に消され、最後まで超能力で抵抗したシュンの
『…オレはただ…オレはただ 自由がほしかっただけだ
…東京へ出て好きな仕事のできる ほんのささやかな幸福が!!』という訴えも虚しく、消されました。
普通の地球人なので命は助かったレミでしたが、あまりにも悲痛な失恋…
そして空いた机を見て、悲しい運命にどうにも抗えなかった、あまりに切ない人生を生きたシュンを思い出す
石森章太郎先生でした。
…行きましょう! いっしょに!! …石森先生もいってたわ
やりたいことを途中でほうりだすなんて…若い者はなっとらんって!!
…シュンをそんなふうにみられたくないわ…約束したじゃないー
ステキなまんが家になるって…!!
- 2008/10/08(水) 23:12:52|
- トキワ荘
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