大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(60) 新堂冬樹&西崎泰正 2 「カリスマ」 2

この世はメシアの創り出した幻影であり
究極の真実はメシアと一体化した時のみ訪れる…
よって肉体的な死を恐れることはなく
どんな出来事にも怒りや哀しみを覚えることもない
悩み…怒り…哀しみ…
それらは魂の成長を促し メシアと一体化するための修行である…
そうでしたよね曽根さん
私は今あなたが 羨ましくてたまらない
何故ならあなたの魂はこうして メシアと一体になれたのだから



こんばんは。今夜も新堂冬樹原作、西崎泰正作画の「カリスマ」(双葉社刊)で続けます。
SHINDO-NISHIZAKI-charisma3-4.jpg

宗教法人の名を借りたカルト教団、"神の郷"のメシア(救世主)が神郷宝仙
本名岡崎平八郎である彼も、カルト教団によって母親が狂わされて殺された被害者でしたが、今度は神を憎む自分が宗教の名を利用して教祖となり、人々をだましているのでした。

そのターゲットとして選ばれた城山一家の亭主が信康
社長令嬢なのに結婚して貧乏生活に甘んじているのが麗子で、子供の利治ためにとだまされて神の郷が主催する"悟りの会"なるセミナーに参加させられて…

麗子は神の郷教育部真山千夏の懺悔の行(言葉責め)によって、善良な自分の心にあった虚栄心等が暴かれ、取り乱して泣き叫びます。
また例のマントラ、
『私は誓う あらゆる欲望の減失を!私は誓う 魂の解放を!私は誓う 永久の帰依を!』
なんてのを唱えさせられ続けて、極限まで疲弊させて思考力の鈍った脳に、送り手側の自由な情報を刷り込んでいく洗脳方にやられ…
寝る時も自ら神郷宝仙の吹き込んだマントラが入ったテープを繰り返し聴くようになると、洗脳も最終段階でしょうか。

タイトルでもある"カリスマ"という言葉は、もちろんカルト教団の教祖である神郷宝仙(メシア)を指しているのですが、こいつは醜悪な俗物で、普通に見たらカリスマ性は全く見出せない。
メシアの言葉や説法も、客観的に聞いたらどう考えてもデタラメ、というかそれ以前のくだらない悪趣味なサブカルチャーでしかない戯言なのですが、それが信じる者からしたら神の言葉である…その怖さを描いているんですよね。
モデルとなったと思われる"オウム真理教"の麻原彰晃もそうでしたよね。

悟りの会という名の洗脳合宿も、三日目を終わりそうな時…
麗子は既に顔つきも変わってマントラで魂が清められていると信じ込んでいる所で、大げさな演出の下でメシアが登場!!
『愛しい我が子達よ!
あなた方の背負う一切の罪は 私を見たこの瞬間に全て赦される!』

なんて言ってるメシアは、この直前まで女性信者に自分のモノをしゃぶらせていたのですが…
まんまと洗脳されて思考力をパンクさせられてる麗子は、感激の涙を流します。

七日間のプログラムを全て終えて帰宅した麗子ですが、家族が見たその姿は…もうお分かりでしょう。
汚い姿で性格も豹変させて、普通の人が聞いたら狂ってると思える事しか言わないわけです。
ここから、家族が洗脳された事による家庭崩壊の図が展開されるわけです。

困り果てた信康が、フラフラと近所の友人"岩尾書店"に行き、三蔵さんに事情を話すと…
何と三蔵さん、あの神の郷の天敵、脱会カウンセラー"覚醒会"武石藤夫会長と友人でした!
それから彼らの協力を得て、共に戦う決意をするのです。

一方の神の郷、メシアは邪魔になった、そして情婦だった真山千夏を氷室に命じて魂の解放(殺人)させ、肉体を光の粒子に変えて大宇宙に帰す功徳(死体遺棄)はメシア自らがやるのですが、これが体毛だけ剃って地下で飼ってる大蛇に食わせる方法なのです。
蛇の消化酵素は動物の体毛以外、骨も歯も全部溶かしてしまうという事ですが、これは恐ろしい。

麗子の洗脳は想像以上に強すぎて苦労するのですが、それでも覚醒会に預けて一安心し、さらに覚醒会は神の郷に"爆弾"といえる攻撃を仕掛けました。
神の郷の現役教団幹部の瀬野陽平が実は覚醒会の幹部で、スパイとして潜入していたのです。これにはビックリしました。
実際に今まで数々の悪行…女性教徒達への姦淫、金をむしりとってきた様を証拠画像と共に、それを一気にTVで公開しました!

この効果は絶大で、指導者のカリスマ性が薄まったために三千人近くいた神の郷信者は一週間で数十人まで激減。
それでもメシアは幹部信者たちを動かし、教団で一番大事な存在となった麗子だけを奪回。
この急展開の中のクライマックスは、神の郷の本拠地に小物である夫の信康が乗り込む所。

信康は土壇場でも全くダメで困りましたが、そんな事よりさらに意外な事実が待ち受けていました。
二十年近くも味方だと信じていた、岩尾書店の三蔵さんが実はメシアの母親を狂わせた元凶である教団の教祖で、警察の捜査から逃れるために地下に潜伏して準備をしていたのだそうです!
しかも麗子にはメシアを忘れさせると同時に、今度は三蔵さんをカリスマだと刷り込んであったのです。

洗脳合戦の後は、神の郷で本当の殺し合いの末に最後の最後でやっと信康が勇気を出して麗子を守り、
『もう二度とお前を迷わせたりしない! 俺が命を懸けて死ぬまでお前を守ってみせる!』
と決めて、この後は本当に平凡ながらも幸せな暮らしが戻るハッピーエンド。
…と思ったらメシアが大火傷を負いながらまだ生きていて、教団の復興と麗子の奪還を狙っている、というアンハッピーエンドで終わりました。
神の郷のメシア神郷宝仙(岡崎平八郎)、彼の半生を考えると、私なんかはこいつの応援をした方が良かったのかもしれません。

この漫画版「カリスマ」、実は途中までかなり原作に忠実なのですが、ラストが違っているので興味のある方は是非オリジナルである小説版も読んでみてくださいね。
漫画と同じく、ハラハラしながら読み進んでいく事は間違いない傑作ですよ。

しかし世間知らずのお嬢様で心が真っ直ぐな麗子は、簡単にコロコロ騙されるキャラとして描かれていましたが、本当に新興宗教に引っかかる大部分がこうっちゃうのでしょうか。
宗教は現実社会に順応できなくなった人々の逃げ場として使われているような印象が目立ちますが…無くなると生きていけない人や、本当に救われている人もいますよね、確かに。
私の周りにも愚かな信仰を持つ人はいますが…神などBRUCE LEEしかいない事を学校教育で教えるべきかもしれませんね。


私はいつも孤独だった…
世間の冷たい風の中を一人で歩いて来た…
身寄りもなく 生活力もなく 夢も希望もなく生きていた…
食うや食わずの私に 誰一人手を差し伸べてはくれなかった…
もちろん神の救いもない……
当然だ 神なんて人間の生み出した虚像なのだから…
私はその虚像を恨んだ……
神を騙る人間…それを崇める人間…それらを容認する社会…全てを恨んだ…
そして私は誓った…自らが「神」となることで 愚かな人間達を地獄に突き落としてやろうと…
それは社会への報復であり 神への復讐でもあった…



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  1. 2008/11/12(水) 23:27:50|
  2. 劇画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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