大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(34) 高橋葉介 1 「手つなぎ鬼」

今夜は高橋葉介先生の「手つなぎ鬼」(ぶんか社刊)。
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この方をホラー漫画のカテゴリーに入れるのはどうかと思いますが、とりあえず今回は月刊ホラーMに収録された作品ばかりを集めた短編集「手つなぎ鬼」の紹介ですので、いいでしょう。

まずは高橋葉介先生は1956年生まれで長野県出身。
1977年に「江帆波博士の診療室」を、あのマンガ少年(朝日ソノラマ刊)に掲載してデビューしているベテランですが、一部で多大な人気を集めながら、もう一つメジャー感が無いですよね。
しかしその独自の手法は荒木飛呂彦先生や藤田和日郎先生にも、確実な影響を与えている事も知られています。

20年を超える漫画家人生の中、現在までずっと幻想的な雰囲気を持ついい作品を描き続けてます。毛筆を使った特徴的な絵柄なのですが、そうとうポップ。しかしその内容はけっこう猟奇的にしてグロテスクで、私の好みにも合うのです。
手がけたジャンルは幅広いのですが、黒衣の探偵・夢幻魔実也を主人公とする「夢幻紳士」シリーズが有名でしょうか。


さて、今回は入手が容易な作品「手つなぎ鬼」にしましたが、これは12編を収録しています。

まず表題作の「手つなぎ鬼」が子供の心理や空想らしきモノを描いた名作で、危険な横断歩道を渡る時に想定した"架空の親"が、実体化した化物・手つなぎ鬼なのか…自分の名前も出てこない夢の中のような雰囲気作りが見事です。

このユーモアは社会人になれば分かるでしょう「ビンの手紙」
視覚的には一番怖い話…と思いきやそのオチは、という「人を喰った話」
善と悪が何か難しくなる無言劇の哀しい話「天使」
他に「鞄の少年」「首女」「星空の物語」「ラプトル」「座敷童」「父の顔」「百合子と私」…等、どれも見所があってヒネた童話みたいな感じが素敵です。

そしてラストの「アウトサイダーの夜」がタイトルで惹かれる通りに良くて、
『俺は怪物だ 鏡の中の自分の顔は醜悪だ
長い長い間 俺はのけ者だった この世に生まれてきた時からはずれ者だった
人から疎んじられ拒否されてきた はじかれ蹴飛ばされ隅に追いやられてきたのだ』

というモノローグで始まる、暗いアウトサイダーの男が災厄となり人を殺す話…と思いきや、そこまで追い込まれた末に得た救いを描く感動作でした。

短編集「手つなぎ鬼」…これは高橋葉介先生の持つ幻想、猟奇、冒険、そしてブラックジョークといった要素がたっぷり盛り込まれているので、入門編にも最適かもしれません。


俺は今夜 真の怪物になる
生きた恐怖 人の形をした災厄になってやる
今夜は俺の夜だ
アウトサイダーの夜だ



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  1. 2008/12/11(木) 23:00:17|
  2. ホラー漫画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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