大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(63) 中沢啓治 1

今夜は中沢啓治先生。

…誰もがあの「はだしのゲン」で目にしている名前でしょうが、1939年の、もちろん広島県生まれです。
国民学校1年生だった時に広島で被爆して、父と姉と弟を失った上に、ずっと後年に母までも原爆症で亡くし…。

いやこの方の場合は、あまりにも有名な「はだしのゲン」がそのままほの自伝的作品になっているので、それを読んでもらえばいいでしょう。
「はだしのゲン」を読んだ事のない日本人はほとんどいないはずですので、話が早いですよね。
nakazawa-keiji1.png
少なくとも漫画マニアの方には、「はだしのゲン」の原型となった自伝漫画「おれは見た」は読んでいて欲しいですが。
あと、この作品に関して右だ左だって論争をするのは止めて欲しい。そんな次元じゃない奇跡の名作なのですから…

「はだしのゲン」の主人公ゲンの家族構成や凄まじい体験まで、中沢啓治先生が実際に経験した事実をかなり忠実に表現されているようです。
あそこまで超絶な物語がほぼ実話、いやこれでも原爆被害の恐ろしすぎる表現は、少年誌向けに抑えてあると言います。

実は個人的にかなり思い入れもあって大好きな中沢啓治先生を大悟への道でまだアップしていなかったのは、正直な所…軽く扱ってはいけないという"畏れ"の気持ちがあったから。
それだけ偉大すぎる漫画家で特別な存在なのですが、漫画家になることを決意したきっかけは終戦後に手塚治虫先生の「新宝島」を読んで感動したからだというから意外と普通です。それだけこの時代における手塚先生の神様具合もうかがえるわけですが。

そして上京して2年後の1963年には「スパーク1」でデビューしていますが…このタイトルだけで全く中沢啓治先生のイメージと結びつかない作品である事が分かるでしょう。
実は戦争を題材にした作品は、1967年に母が亡くなってから描き始めたのです。骨まで原爆に蝕まれ、焼いたら何も残らなかった母の無念を込めて…
あの個性的すぎる絵柄を変える事はなく、原爆と戦時下の人間の醜さ、平和の大切さ等を描き続けましたね。
新人の頃は一峰大二先生や辻なおき先生といった大御所のアシスタントも経験したそうですが…おおっ!この2人の師匠はどちらも梶原一騎原作作品を描いている漫画家ですので、個人的にはとても嬉しいです。

とにかく自身の原爆体験を基にした戦争、アメリカ、天皇…そういった大きい力への批判は鬼気迫るものがあります。
新作はもう全く読めない状況が続いてますが、中沢先生はご存命ですので、まだちゃんと完結はしていない「はだしのゲン」の続編を始め、また凄い作品を手がけて欲しいものです。
ずっと前から漫画マニアの間では「はだしのゲン 第二部 東京編」もネームが出来てる事は知られていて、ワクワクしていたのですが…
糖尿病を悪化させて視力が低下してから、『その後は読者自身が考えてほしい』という発言があったりもして、第二部が描かれる可能性は少ないようです。
でもいくらなんでもそれは残念すぎる!どうにか描いて頂ければ世界が注目する歴史的な続編になるわけですが…。

確かにもうご高齢だし、中沢啓治先生は自分の名前で出す作品にアシスタントを使うのが嫌いらして全てを一人で描く事を貫いている頑固者ですから、難しいのですかね。
ちょっと間を開けて、そのうち中沢先生の名作を紹介していきたいと思いますが、まずは短編集「黒い雨にうたれて」からになるでしょう。
これは正に母の死をきかっけとして初めて原爆を題材にして描いた漫画で…私ごときの涙などいくらあっても足りなくなる名作です。
そして「はだしのゲン」へ…と考えてはいますが、やはり語るにはまだ畏れ多いかな。


なんや兵隊さん
うんこ たれながして、汚いのぉ~



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  1. 2008/12/27(土) 23:09:41|
  2. 劇画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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