大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(71) 山口貴由 4 「魔幻戦記 サイバー桃太郎」

今夜も山口貴由先生で続けて、「魔幻戦記 サイバー桃太郎」(リイド社刊)です。
YAMAGUCHI-TAKAYUKI-cyber-momotaro1.jpg
これは1989年の記念すべき初連載作品で、ジャックポットにて連載されました。

↑は2005年に復刻された時に描き下ろされたジャケであり、こちらが1992年発行のオリジナル版である旧装丁なのですが…
YAMAGUCHI-cyber-momotaro2.jpg
比べればまだ画力が発展途上なのが一目瞭然ですね。

SFと時代劇をからめた奇想アクション作品で、タイトルでお分かりの通り日本の有名おとぎ話である「桃太郎」を一応モチーフにしていますが、1話目こそ鬼退治するものの、あとは主人公の名前が桃太郎である以外あまり関係なくなります…

まずはその鬼退治の1話目。
桃太郎は鬼ガ島の食夢鬼という鬼に挑戦しますが敗れ、道場の仲間達やヒロインのイヌ子にも見放されます。
しかし致命的を負ったまま再び食夢鬼に挑み、ハラワタ飛び出しながらも
『手負いのほうが強いんだ!』
と顔面にパンチを入れ、その強力な一撃で食夢鬼の脳味噌や目玉は頭の後ろから飛び出し、ついに勝利します。

そう、この時代から山口貴由先生得意の、脳味噌にハラワタ、目玉も飛び出しまくるグロテスクなバイオレンス描写があるのです。
セリフでの見得切りや、メッセージ色の強そうな所(実はなくても)も。
独特の世界観はありながらも、ストーリー構成も画力も現在に比べたら全然ダメ…しかしその分熱さや勢いはこの時代の方が凄いし、初期作品に共通するコミカルさも私は好きです。

物語の方は、2話目から肉体を改造されて身体の3割が死人の臓器と人口の骨格を使った改造人間になり、強敵を倒していく…
それからほぼ同キャラクターながら、脳髄及び生殖器官を除く全てをロボット化した桃太郎がまた戦い続ける「真サイバー桃太郎」というシリーズが始まるのです。

イヌ子が踊り子になって桃太郎が呼び込みしている話があるのですが、ここの座長が私の大好きなブライアン・デ・パルマ監督の映画「ファントム・オブ・パラダイス」(Phantom of the Paradise)のウィンスローが被っていたるフクロウ顔マスクなのは嬉しい。
山口貴由先生も同作品のファンなんでしょう。

それから桃太郎はとても劇画のヒーローとは思えない醜い『本当の姿』を出し、『できそこない』『脳ズイ足ラズ』『人間以下、機械未満』『人権のないスクラップ野郎』等と罵られながら辛く生きていくのです。

最後の強敵・天使と戦いながら、
『オレは世界でただ一人!オレしか歩けない道があるハズだ!オレにしかたどりつけないゴールがあるハズだ!おまえなんか消えちまえ!オレは孤独が欲しい!』
と諦めず、天使の体内から飛び出すラストの1ページはそうとうヤバイですよ!


オレは桃から生まれたみなし子だ。
金がみなし子のオレの心を満たしてくれるかよ。
金なんかいらねーーっ



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  1. 2009/02/03(火) 23:26:42|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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