大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(42) 石森章太郎 33 島本和彦 2 「スカルマン」 2

今夜は石ノ森章太郎(石森章太郎)原作による、島本和彦版の「スカルマン」(メディアファクトリー刊)の続きです。
SHIMADA-ISHIMORI-skull-man5-6.jpg

石森章太郎作品の熱烈なファンである島本和彦先生は、その構想を受け継いであきらかに本気モード、力入りまくりのカッコいい絵柄です。
オリジナル「スカルマン」や、他の石森作品へのオマージュも多用しながら…

スカルマンは祖父(千里虎月)邸で炎に包まれながらも甦った後、自分でも制御できないほどのパワーを得て神楽達男の名を捨てて千里竜生となり、変身能力を持つ人造生物のガロと共に強敵達を倒します。
前半は特にオリジナル(石森)版と重複する内容で復習もしてくれるので、読んでない、または忘れてる読者でも安心して読んでみてください。

本作で当初最強の敵と思われたのは謎の組織を指揮して世界征服を目論むラスプーチン
蜘蛛男パラサイトグリーンコブラ男(蛇塚)、カメレオン男(五色透)…そんな改造人間達を操ってスカルマンを襲ってくるのですが、祖父に殺されたスカルマンの両親の助手だった男です。

他に綾瀬五郎という、スカルマンの同級生だった男にして神楽組の組員は、かつて絶対に勝てなかったスカルマンを越えるために改造手術を受けて蠍男となった。
女王蜂の蜂女(黒貴優香)や働きバチの黄嶋冴矢香ら蜂の改造人間達がスカルマンの仲間になる。

…他にもドラマを折り込みながら進むのですが、特に重要なのはスカルマンを狙っていた飛岡剛という刑事。
彼はラスプーチンによって改造人間にされながら洗脳に勝ち、さらにスカルマンの手によって改造手術を受けて…何と仮面ライダーになります!
主人公のスカルマンがかつて好き勝手に個人的な復讐劇を繰り返した、つまり決して正義ではない分、この飛岡刑事こそが正義の味方えあり、ヒーロー物らしいキャラかもしれません。
ラスト凄い勢いで悪を狩り、ラスプーチンを倒すのも彼だし。

『きさまらのゆがんだ力……邪悪に満ちた肉体の強さ
そこから生まれるねじ曲がった欲望……
人間性を失った果てに捻出された目的意識
この俺が……永遠に許さん……どんな事があろうと
例えこの俺の肉体が消えることがあろうと 絶対にきさまらだけは許さん……!!
地獄の底まで追いかけて必ず滅ぼしてやる……』


SHIMADA-ISHIMORI-skull-man7.jpg

島本和彦版で重要な、そしてそのため話を難しくしているのは肉弾戦以外にも精神戦がある事でしょうか。
そのため起こる"共鳴"という現象がありまして、一体化(アクセス)する事によって能力の一部に多大な影響を受けてしまう…。
このために当初スカルマンの命を狙う殺し屋だったマリアは彼を愛するようになり、スカルレディというヒロインにまでなって暴れてくれました。

この共鳴して起こる"感覚的現実"、共感力はスカルマンにとってはいい事ばかりでなく、いや大変な事に、"タイガー・ムーン"という変な建物に住む妹の麻耶いわく、
『相手が「死」に対した瞬間 同じ苦しみ 痛みを共有してしまうようになった……
そのために人を傷つけたり殺めたりすることができなくなったはず………!』

というのです。
次々と強敵が襲ってくるというのに、ただのパワーアップじゃなく忌々しい能力が強くなってしまったスカルマンですが、戦いは最終局面へ。

島本和彦「スカルマン」においての謎であり重要だった部分ですが、そもそもスカルマンが人生の目的のように復讐活動するもとになった殺された両親。
ラスプーチンを助手にしていたミュータントというほどの天才…真悟ランは生きていて、しかも組織のボスだったのです。

それからやはり石森章太郎作品である「変身忍者 嵐」を知る者には嬉しすぎるシーンから、「スカルマン」を締め括るオチへと流れていって終わります。

前回書いたように島本和彦版の「スカルマン」では掲載誌の休刊による移動等もあり、当初の構想を大幅に変えたりテンポが狂ったりという事もあったようですが、単行本で読み直しても気にしなければそれほど違和感はありません。
石森章太郎ネタを気付かずに読む読者がどう思うのかは少し心配ですが…私にはとても愛すべき作品です。


これが本当の"力"だ
きさまらのもっているものは……悪は力ではない!!
正しきものを滅ぼさせようとする堕落した能力
それは 人間の持ちうるいちばん弱い部分にすら勝つことのできぬやつらの
情けない喚きにすぎん!!
破壊することによってでしか自己表現のできん
幼稚なきさまらのたるんだ性根を
この俺が!!
芯から叩きなおしてやる



スポンサーサイト
  1. 2009/02/11(水) 23:15:01|
  2. トキワ荘
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ホラー漫画(40) 浜慎二 1 「幽霊が泣く教室」「百年少女」「夜、教室にうかぶ首」 | ホーム | トキワ荘(41) 石森章太郎 32 島本和彦 1 「スカルマン」 1>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/700-7cc6de5c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する