大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(40) 浜慎二 1 「幽霊が泣く教室」「百年少女」「夜、教室にうかぶ首」

今夜は浜慎二先生です。

浜慎二先生といえば1936年生まれの岡山県出身で、1955年に貸本劇画家としてひばり書房からデビューしました。
ハードボイルド物や漫画の描き方指南の本なんかも出していましたが、やはりホラー漫画家としてのイメージが強いですね。特に立風書房のホラーシリーズ、レモンコミックスから数多くの作品を上梓していて、しかもロングセラー本が多いホラー漫画家なのですが、どうも話題に上る事が少ないのは絵柄もストーリーもインパクトがないからでしょうか。

とても実力は一流とは言えないし、新しいジャンルを作るような特徴も無いのですが、しかも普通には上手いためにB級ホラー漫画としてはつまらない…
私も子供の頃から何冊か持っていましたが、熱烈な日野日出志ファンである事が災いしてか、健全すぎる浜慎二作品はあまり評価せずに売ってしまったものでした。

しかしその時の私はインパクトを重視しすぎて、地味な世界の中にある良さには目を瞑っていたのかもしれません。
代表作がどれなのかも全く分かりませんが、「白ヘビ少女の呪い」「吸血少女カレン」「顔のない転校生」「呪いの猫の島」…あたりは古本屋でけっこう見かけます。


以下も全て立風書房のレモンコミックスですが、まず「幽霊が泣く教室」
HAMA-yureiganakukyoshitsu.jpg
小学生女子の主人公・仁科絵美ちゃんが、学校の"幽霊便所"で少女の幽霊を見て以来、ギフチョウ(岐阜蝶)に付きまとわれるようになり…
少女の幽霊の正体はギフチョウの産地の沼で死んだ、父の友人で金持ちの蝶マニア・大城さんの娘留美子であり、絵美ちゃんに探してもらいたくて迷惑にも何度も呼んでいたと。

これだけの単純な話なのですが、逆にこれで単行本一冊描いてしまうのは凄い力量なのではないでしょうか。
蝶マニアの生態が興味深いのと、ラスト近く数ページの絵美ちゃんが呼ばれて迷い込んだ世界の描写はシュールで少し面白い。


次は「百年少女」
HAMA-hyakunen-syojo.jpg
大人しい性格な上に転校してきたばかりで友達のいない大町由加里は、"市立母子寮"で母親と二人暮らし。
父親が交通事故で亡くなっているので、そういう家庭用に市が寮を提供しているのでしょうが…母子寮ってヒドいネーミングですね。

その由加里が遠くの古いお屋敷に住む萩島真里という美少女と友達になりますが、真里は一緒に暮らしているばあやと共に毎日動物、時には人間を殺して、その血をある銅像に口移しで与えている恐ろしい少女だった…
しかもそれを百年ほど続けているようで、真里はずーっと少女(それもかなり可愛い)のまま。
最後は由加里が拉致された時に、助けに来た銅像が壊れると一気に百歳の老婆になって息絶えたのは残念でした。


そして、「夜、教室にうかぶ首」です。
HAMA-yoru-kyoshitsu.jpg
主人公は、きたる児童会長選挙で初の女子会長を狙う小学5年生の中原則子
しかしそれが表面上は仲良くしている友達である日景真由子の嫉妬を買います。

そしてヴェール・ヴォルソという現象(または病気)を起こすのでした。
このヴェール・ヴォルソというのは、八歳から十三歳くらいまでの子供が本人も知らないうちにあらゆる障害物を跳ね除けて目指す相手の心臓を食い破るというのですが、その方法は首から上と両の手首から上だけが寝ている間に飛んで行って目的を遂げるもの。

ヴェール・ヴォルソ。
この漫画以外で全く聞いた事のない現象ですが、浜慎二先生の創作なのでしょうか。
その昔にヨーロッパの一部の地方で未開人の間で怖れられた現象だとの事ですが…
こうして伝説みたいなものにも絡めた分、他の浜慎二作品より深みが出た気はします。

ところがこのヴェール・ヴォルソで目的を達しても、自分の親とか兄弟といった身内が犠牲になるのだそうで、真由子の場合は弟の修司が苦しんでいました。
しかもこの家系では以前から起こる現象だったようで、真由子の母もかつてこれをやり、弟の正平(真由子の叔父)が何十年もブロック小屋に閉じ込められるはめになっていたのです。
最後に2コマだけ出る正平は完全にフリークスで…その呪われた家系は自ら家に火を放って心中しました。

今回紹介した3作品は全て小学生女子が主人公となっていますが、浜慎二先生は本当に学校を舞台にした作品が多いです。
しかし、10年ちょっと前くらいに「学校の怪談」が大ブームとなって学校の怪談を題材として書籍化、ドラマ化、ゲーム化、アニメ化、そして映画化までされた事がありましたが、誰も浜慎二作品を映画化しようと言うどころか、思い出す事もなかったのでした…



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  1. 2009/02/12(木) 23:50:13|
  2. ホラー漫画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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