大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(76) 池上遼一 8 家田荘子 1 「今日子」

今夜は、池上遼一画、家田荘子作による「今日子」(小学館刊)です。
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劇画好きで池上遼一先生を知らない方はいないでしょうが、あの家田荘子を原作に迎えた驚きの作品も上梓している事はあまり知られていないのではないでしょうか。

一応書いておくと、家田荘子はエイズ患者やヤクザ等、人々が目を閉ざしている方面に目を向けた作品を書くノンフィクション作家で、代表作は何といっても映画化されてシリーズにもなった「極道の妻たち」でしょう。
『イエローキャブ』は、アメリカに渡り苦学しながら学ぶ女子留学生たちの姿を描いた作品。
東洋人である偏見と人種差別、そして文化的差異からくる誤解を受けながらも勉学を続ける女学生たちの姿を描き出した
元々池上遼一先生の大ファンだったそうですが、この意外な組み合わせが生んだ「今日子」とはどういう作品なのか。


主人公の紅林今日子が、恋人の円浄優というボンボンと日本の有明にある米軍基地内のお祭りで踊った後、将来を誓うのですが…
その直後に酔っ払った米兵達に襲われ、今日子は犯されでしまう衝撃のオープニング。
しかも、銃で脅されて手も足も出ない優は、その姿を見て勃起してしまうのです!

それにしてもこのポーズで『助けて………』って!
IKEGAMI-IEDA-kyoko2.jpg

残念ながら事が完全に終わってからですが、通りがかって助けてくれたのはアメリカ陸軍特別医療隊のジョージ・ブラウン大佐という黒人将校。
今日子はこのブラウンと出会った事により運命が変わり、戦う女として活躍する…壮大なストーリーのアクション漫画になります。
何度かの会いって語り合っただけですがブラウンを愛してしまった今日子。

『人は攻めるだけに戦うのではない。
時には正義のために……
時には愛のために……』


しかしはブラウンをとある陰謀に巻き込まれて殺され、その殺しを命じた巨大な権力を持つ真犯人に復讐を誓うのでした。

敵の一味に山小屋へ監禁されてブラウンから預かった物が無いかと問い詰められ、拷問される場面では…
素っ裸に脱がされた上に、何と女性器へタバコを押し付けられました!
しかも裏切り者のスナイプスが現れ、またも同じ事をされるのですが、ここまでされるヒロインというのも珍しい…そしてこれが女性作家に書かれた原作だと思うと、怖いものです。

今日子はこのスナイプスを追いつめて初めての殺人を犯し、敵の正体を掴むためにアメリカへ渡りました。
そしてボビィ・マッコーイというゲイの男が協力者になり、偽装結婚してアメリカ軍へ入って鍛えます。
訓練中に命を狙われたりの試練も乗り越え、軍隊の教育部では最優秀卒業生になるほどたくましくなった今日子。
(ここのシーンのために原作者は実際にアメリカ軍取材もしてたそうです)

敵の黒幕は女性政治家のスカイ副大統領であると分かるのですが、ブラウンは彼女の野望と癒着の証拠を掴んだために殺されたのでした。
このスカイというのが金と知恵と美貌を使って権力を手中にし、初の女性大統領を目指している大物なのですが、副大統領室で首輪付けた男達に自分の性器を舐めさせています…
スカイの興味深い過去も、少し掘り下げられますね。

日本に残していた両親も殺された今日子は、かつての恋人である優(彼もたくましくなりました)にも協力してもらって、ついに復讐を果たすまで…命をかけて闘いました。
全てが終わった後、何故かタイ王国のバンコクにいる今日子は"パッポン・シーロム" の喧騒の中に一瞬ブラウン大佐の幻を見て、映画「禁じられた遊び」そっくりに、人ごみへ入って行くラストでした。

権力が絡んだ陰謀や人間の欲の汚さを描きながら、正義と愛の偉大さも問いかけた作品…でしょうか。
世の中変態が多い事も学べるし、私は好きな作品です。
ところでずっと見落としていたのですが、この「今日子」には表紙を見ると『愛スル弾丸』というサブタイトルも付いてましたね。


男になるために……
これは僕の戦いなんだ。今日子は愛する人を殺され、その後、その復讐のために死をも恐れず闘ってきた………
でも、それは自分のための闘いでもあったはずだ……
だから、僕も、自分を納得させるために闘いたいんだ……
納得できる男になるために 僕も……闘う!!



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  1. 2009/02/27(金) 23:29:19|
  2. 劇画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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