大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(19) 「超兵器ガ壱號」

今夜も藤子不二雄先生の短編集で続けて、「超兵器ガ壱號」(双葉社刊)です。
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昨夜の「藤子不二雄SF短編傑作劇場 SFシアター」と同じ双葉社のアクションコミックスになりますが、こちらの方が先に出た本です。
藤子・F・不二雄側のSF(すこしふしぎ)短編集である事も同じですね。ジャケの装訂はイラストレーター、絵本作家福田隆義

9編が収録されていて、まずは表題作の「超兵器ガ壱號」
ジョナサン・スウィフトの風刺小説「ガリヴァー旅行記」を基にし、大東亜戦争における大日本帝国軍とからめた作品です。
日本の領土である無人島に、宇宙のどこかから不時着した巨人を捕獲し、ガリバと自称する彼を軍は"ガ壱号"と名付けて対米軍用の超兵器としました。
そしてまんまと、あのB29すらも撃退して搭載していた原爆はロサンゼルスに投じて大日本帝国勝利で戦争が終わる…
そんな日本人にとっては痛快な作品でもあるのですが、主題はそこではなく、ガ壱号とその言葉の解読役に抜擢された海堂少尉との奇妙な友情に涙し、何故か母星に帰りたがらないガ壱号の可笑しい秘密を知って笑える話。

次の「あいつのタイムマシン」はタイトルの通りF先生得意のタイムトラベル物ですが、己の一生をかけて鬼気迫るまでにタイムマシンを研究している男と、その目的、そして結果は…
それはばらさずにおきましょう。とにかく私の大好きな作品です。

「神さまごっこ」は、上居というふがないサラリーマンが"神様セット"を授けられて、異世界の神となって世界を創造していくのですが…
信仰心は持たないのに都合よく神様を利用する現代人を皮肉りながら、上居は可哀想な事になって終わるオチが大人向けなギャグ漫画です。

「テレパ椎」は、テレパシイと椎の実をかけた駄ジャレがタイトルながら、人間の心の声を読む事が出来ると起こる不幸を描いた、そしてオチもなかなかブラックな作品でした。

「ぼくの悪行」は、有川布礼夫という…ひどい名前の通りありふれたサラリーマン31歳が主人公。
彼はパラレルワールドを見つけて行き来できるようになったものの…同じ顔であるあちらの世界の有川に嫌がらせをされ、こちらもあっちでやり返して。
ラストはお互いが今まで生きてきたのと反対の世界で生きる事になるのですが、ユニークなアイデアを使って人間心理もさらっと描いた作品ですね。

そして「いけにえ」。これは昔初めて読んだ時、全然意味が分からなかった作品です。
これは地球に君臨した恐るべき力を持ったUFOが、何故かさえない日本人の浪人生である池仁平を差し出すように指名してきて、彼一人をよこせばおとなしく立ち去ると宣言します。
政府は池仁平一人の命より国民、いや全世界を守るために彼を差し出そうとして…
ラストはいきなり宇宙人が考えをひるがえして、池仁平の裏口入学を斡旋して立ち去るのです。
…やはりこのオチ、今読んでみても意味が分かりませんでした。

次は悲しい雰囲気の流れる「旅人還る」
"フダラク計画"なる、移動速度と人間の寿命をウラシマ効果で超越した…説明は難しくなりますが、地球への帰還を考えずにコールドスリープを併用しながら極限まで宇宙航行し、宇宙の果てを人類の目で見るという夢を叶える斬新な計画が実行されました。
その宇宙の果てを見るのは一人のパイロットのみで、地球に残る者達にその感激を伝える事すらできないわけですが…この壮大な物語の主人公となった男と、地球に残した恋人との結末は!?
凄い。ひねったオチも素晴らしくて、感激する事間違いなしのエンターテイメント作品でした。

「メフィスト惨歌」は、人生に絶望しかけた高木健が現れた悪魔と死後に魂を渡す契約をしてしまう話なのですが、契約書に記した内容は巧妙に魂を取られないようになっていた。
ここで記した内容を覚えておけば、貴方の前に悪魔が現れた時にも使えるので、作品を読んでよく覚えておいてくださいね。

ラストは「白亜荘二泊三日」で、白亜紀の別荘旅行に当選した未来の一家を描いてます。
この一家の子供達が人類の祖先である哺乳類の小動物にある事をし、図らずとも人類進化の道に関わる、という話。恐竜好きにもたまらないでしょうね。

こうして見ていくと、藤子・F・不二雄先生はいろんな小説や映画からアイデアを持ってくるのが非常に多いのですが、さらに何かを足していかに自分のオリジナル作品に仕上げているか見るのも面白い。
いや私は石森章太郎先生のよう諸作品のように、そのままパクってるようなのも好きなんですけど。


昔は良かった
すべて人間が神を信じていたもんだ わしも生き生きと活やくしたよ
やつらが悪いのだ!!
コペルニクスやダーウィンなど 科学という名の屁理屈が神を否定した!!
たしかに教会神社仏閣 数多くあるが……
今の世にまことの信仰をもった者がはたして何人いるか!?
それも世代を重ねる内には減る一方だろう
神を信ずる最後の一人が死んだ時…
わしも消滅するのだよ



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  1. 2009/03/12(木) 23:45:32|
  2. 藤子不二雄
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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