大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(20) 「劇画 毛沢東伝」

今夜の藤子不二雄作品は、「劇画 毛沢東伝」(実業之日本社刊)です。
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1970年から1971年の週刊漫画サンデーにて連載された作品で、タイトルの通り"中国の紅い星"こと毛沢東の生涯を描いたもので、単行本は全1巻。

上記の本は2003年にオリジナルタイトル・デザインで復刻された版で、実はこの前の1990年にも「毛沢東の長征 中華人民共和国の青春」徳間書店刊)のタイトルで単行本化されていました。
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二人の藤子不二雄のどちらかというと、もちろん大人向け作品を得意とする方、つまり藤子不二雄A先生で、私はこの時期の藤子A先生が描いていた、毒々しい絵柄がとにかく大好きなのです。
世界的に見ても東洋人としてはBRUCE LEE(李小龍)の次に有名な、毛沢東という歴史的な人物を描いているのですから、当然ながら藤子A先生は膨大な資料を紐解いて描いたようですね。

1893年に湖南省で生まれ、厳格な父によって商人になるべく育てられた少年時代とその反抗。貧しい時代の滅びかけている中国が呼ぶ不幸を目の当たりにして、
『こんなことがいつまでつづくんだ! こんな無残な非道なことが!!
彼らを助け 彼らを救ってやれるものが この広い中国にだれ一人いないのかっ!!
水滸伝の宋江は いまの世にはいないのかっ!!』

と叫んで勉強に打ち込み、教師時代を経てマルクス主義に出会ってついに信条が揺らぐ事もなくなり…"中国共産党"の創立です。

貧農の出身で後に中華人民共和国元帥となる軍人の朱徳との出会い、政治家としては大物になっていながら愛する妻が処刑され、また蒋介石との対立…
しかし満一年、一万二千キロにわたる軍隊の長征を成功させます。ここらへんは得意の骨太な筆致で、特に感動的に描いてますね。
そして1949年の北京天安門前広場での、中華人民共和国建国宣言までがこの本の内容となっています。

この「劇画 毛沢東伝」は歴史書として、また毛沢東思想(共産主義思想)の勉強をする事もできるでしょうが、その後の独裁化や文化大革命での大量殺戮や迫害等のネガティブな部分については一切触れてないので、あくまで英雄としての側面だけですね。
執筆当時はまだ毛沢東も生きてましたし、悪の実態が明らかになっていなかったのでしょうが、何しろ現在ではヒトラースターリンと共に、"世界三大大量殺戮者"などと言われているのですから…

あと、この時はまだ日本と中国の国交も樹立されていなかったのですよね。毛沢東は面会して後に国交を結ぶまでになった田中角栄首相を高く評価していたと聞いた事があります。
そして82歳で死去しますが、10年近く前に生誕100周年とかで毛沢東グッズが大量にあふれましたね。私も買った事あるのを思い出しました。
私も含めてですが、さほど毛沢東やその思想のファンじゃない方々でも、この「劇画 毛沢東伝」藤子不二雄A先生の絵だけでも十分楽しめる事は確かでしょう。


戦争ー人類がたがいに殺しあうこの怪物は、人類社会の発展を遠くない将来に消滅させることになる。
人類の戦争生活の時代はわれわれの手で終わらさねばならぬ。人類の社会が階級を消滅し、国家を消滅させるとき、すべての戦争はなくなり、人類の永遠の平和の時代がくる。われわれの戦争の目的は戦争を消滅することにあるのだ!!

毛沢東 1936年 12月



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  1. 2009/03/13(金) 23:30:18|
  2. 藤子不二雄
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

読んだよ(^-^)

この本、買いました(^O^)

どう見ても、毛沢東が笑うセールスマンの喪黒福造にしか見えません(^^;)

原作者が藤子不二雄だから仕方ないかな~
  1. 2012/05/03(木) 04:39:47 |
  2. URL |
  3. 毛沢 東(けざわ ひがし) #-
  4. [ 編集]

読みましたか(。・ω・)ノ゙

>毛沢 東(けざわ ひがし)さま

そのペンネームいいですねー。私も、初めて毛沢東の存在を知ったのは子供の頃に読んだ「ゴルゴ13」でしたが、振り仮名がどこにも付いてないものだから、やはり『けざわ ひがし』と読んだまま思い込んでまして、何かの時にそれを発声したため親に笑われたのを思い出しました。
そうです、歴史上の偉人も藤子不二雄先生の手にかかってしまうともう、オリジナルキャラですよね。
  1. 2012/05/03(木) 11:00:49 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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