大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(79) 上村一夫 3 鈴木則文 1 「鹿の園」

次なる上村一夫作品は、映画監督・脚本家の鈴木則文氏を原作者に迎えた作品「鹿の園」(ソフトマジック刊)です。
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これはソフトマジックが2002年に"怪奇エロス傑作選"と題して、上村一夫先生の単行本化されていなかった作品を3作連続のシリーズで刊行してくれたモノで、これ以降また再評価と復刻が進んだ事を考えても、有難い企画でした。

当然私も飛びついて買った、まず第1巻となる「鹿の園」は映画監督としても個人的に大好きな鈴木則文監督が原作なのですが、この監督は何といっても菅原文太主演の超名作「トラック野郎」シリーズのコミカルなイメージが強いでしょう。
しかしこの作品は上村一夫先生の退廃的な絵柄と作風に合わせた内容になっていて、また何ともエロく、変態な全1巻ですね。
1976年の漫画ジョー(廣済堂刊)にて連載スタートして、6回の掲載で終わらせています。

タイトルは18世紀のフランス王ルイ15世のためにヴェルサイユ宮殿に開設した娼館の名で、またノーマン・メイラーの小説でも同タイトルの作品がありますが…
舞台はまだ華やかだった頃の映画界。一人の美少女を通じてその内幕をスキャンダラスに暴く内容になっています。

京都に降り立った主人公の綾小路若葉
彼女の母・綾小路芙美は、かつて梓ふみ子という名で映画女優をしていましたが、ある日撮影所の中で謎の自殺を遂げていました。

撮影所に現れた若葉を、村瀬高之という映画監督志望の助監督がいきなりやっちゃって話が始まります。
若葉を見て心を動かされたのは他にもいて、かつての大監督・牧口建造、それに東旺映画社長の中田松之助らは乱交しながら上田秋成「蛇性の淫」を若葉主演で撮る相談をしますが…

村瀬高之と牧口の妻・真弓が共謀して牧口をガス中毒させますが、そこに若葉が入ってきて三人が共犯となり、牧口を口のきけない廃人にして家に飼う事となるのです。
この老人を鎖でつないで庭の散歩し、その目の前で乱交したりとヤバい描写が続きます。
そして若葉の母・梓ふみ子の自殺の謎が分かり、現在の登場人物達に待ち受けている運命も分かるのですが…
最後の最後に綾小路若葉にまつわるもっと大きな謎が出てきて終わる作品でした。

映画の撮影所に現れる白蛇や、他にもいろんな要素が合わさって見事にエロスとホラーを融合させ、傑作中篇に仕上がりました。
巻末に上村一夫先生のアシスタント出身である岩明均先生や、本作の原作者である鈴木則文監督の貴重な話も収録していいて、ファンには嬉しいサービスです。


お前の作品も お前の主演女優も お前の女房も 今は俺のものだ!
十五年も俺を犬畜生扱いしてきやがって!
何が世界的巨匠だ!貴様は才能なぞひとかけらも持ち合わせちゃいない俗物だ!



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  1. 2009/03/26(木) 23:11:41|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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