大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(91) 上村一夫 15 小池一夫 5 「バーボン警察」

今夜の上村一夫作品は、下の名前が同じ小池一夫先生を原作者に迎えた「バーボン警察」(スタジオ・シップ刊)です。
KAMIMURA-bourbon-cop.jpg
漫画ジョー(廣済堂刊)にて1978年から連載された刑事モノ作品で、単行本は全2巻。

私が勝手に『漫画界の三大KAZUO』と呼んでいるこの二人(もう一人はもちろん、楳図かずお先生)といえば両方の代表作としても名前が挙がる、ご存知「修羅雪姫」のコンビでもありますが、この「バーボン警察」も実は隠れた名作!
上村一夫作品の中ではかなりコミカルな画風の中に、確かな小池一夫節が入れられていますよ。
今作では日本人が一人も登場しませんが、もちろん上村一夫先生は外国人を描くのも上手い!

犯罪者だらけのニューヨーク、南ブロンクスシンプソン生まれのプエルトリコ移民のチコ・ガルシア20才が警察官としてデビューし、"69分署"に配属される所から物語は始まります。

最初のコンビとして付いたのはバートという、犯人の逮捕や射殺をゲームと考えて職務に挑む先輩でしたが…
チコの新人ゆえのミスのせいで、
『飢えたコヨーテのキンタマを探ぐれと言われて おまえできるか
いきなりがぶりとやられるにきまってるんだ
やつらはコヨーテを同じなんだ おれたちの姿を見ただけで撃ってくる
だがやつらが撃つ前におれたちは撃てねえ
コヨーテなら撃てるが人間の姿をしているんでな
ゲームなんだッ ザッツ ア ゲームッ』

等と言い残して1話目にして殉死してしまいました。

次にコンビを組まされたのはウインクという黒人。
チコは真面目で素直な性格で、警官の職務に対して正義感をもって挑もうとしますが、ウインクによってキレイ事は通じないニューヨークの現実を教えられ、毎回のようにショックを受けて涙を流す事になるのです。
『銀バッチを胸に光らせている 誇り高き警官の時代は終わったんだ。
いまは何もしないことが正義なんだ 何もしないことをモットーにすれば立派な警官として生きていける
百人の中に一人の犯罪者がいるとき そいつをパクるのが銀バッチの正義だったはずだ
だが いまは百人の中の九十九人が犯罪者で たった一人がまともな時代なんだ
そのまともな一人の正義を守ってやるために九十九人をパクってたらどうなると思う
ニューヨークがなくなっちまわあ』

と言い、他にもここでの女性との付き合い方等にまで指導は及びます。

ダーティなイメージを持ちながらも心強い先輩である、そんなウインクでしたが…
その融通が利いて消極的でもある所を狙ってきた白人の犯罪者達に怒りを燃やして戦い、殉死してしまいました。
このように作中何度か人種差別問題も出てきましたが、プエルトリカンのチコは中間色(ミドルカラー)らしいですね。黒人かと思ってたけど、確かによく見ると少し他の黒人より色が薄い。

最後は実は汚職警官捜査のスケープゴートなのですが、チコは私服巡査に出世して殺人課所属になります。
コンビとして実は調査役の女刑事ベル・コードウェルが登場し…
主要キャラに女性(当然美人)が登場したら作品も色っぽさを増し、ややあって作品の締めくくりには二人の愛の物語になって終わるのでした。

おそらく原作の小池一夫先生は、もっとシリアスに犯罪や人種問題を描いた作品にしたかったのでしょうが、上村一夫先生のいつになく明るい画風によってか後半は方向を変えてきたような感じがします。
だからラストは汚職警官捜査とか関係なくなって二人がゴールインするハッピーエンド…それも微笑ましくて、いいのですけどね。


愛という言葉は それを受け容れられる相手には美しくきこえるけど
そうでない相手 つまり私のような女には虚しくひびくのよ
もし私と寝るということで抵抗があるとしたなら
私を助けるという考え方をしてくれないかしら
もし あなたによって私の不感症が治せたら……と



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  1. 2009/04/25(土) 21:53:44|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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