大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

日野日出志(50) 「世紀末晩餐会」

日野日出志先生や作品の紹介も、今回で50回目記念…
そんな今回は、「世紀末晩餐会」(東京三世社刊)です。
HINO-seikimatubansan.jpg
表紙に『世紀末オカルトの集大成!』とあります。

これまたトラウマ必至の名作8編を収録した短編集で、初期作品のようなグロさを前面に出した物が多いながら、結果を読者に考えさせるような作風を模索していて…とにかく好きな一冊です。

まずは表題作の「世紀末晩餐会」
藤田というゲテモノ料理に目が無い男が、行きつけの"割烹 げて"を出た所で謎の男に声をかけられて世紀末晩餐会の会場、"クラブ 穴ぐら"に案内されました。
そこでは人間の胎児料理のフルコースを食べていたのです!胎児のうま煮、天ぷら、クシ焼き、胎児酒…藤田にとって最高の料理を楽しんで酔い潰れてしまうのですが、気付いたら産婦人科病院の地価マンホールの中でした。
その後いくら探してもクラブ 穴ぐらは見つからず、しかしどうしてもあの料理をまた食べたい藤田は、妻の妊娠という朗報を聞き、心の中に悪魔が忍び込む…。

という怖い話なのですが、実はこの「世紀末晩餐会」の見所は私にとって最初に出る割烹 げてのメニュー表。
せっかくなのでここに全部書き写してみると、

御酒

まむし酒 800
どぶろく 100
酒一級 300
酒二級 250
ビール 450
チューハイ 280
焼酎 200

御料理

竜刺 50000
竜丸焼 46000
竜鍋 56000
竜汁 6000
スッポン丸焼 13500
スッポン刺身 20050
スッポン汁 3000
スッポン鍋 18700
雀丸焼 300
虎の玉焼 1986
カエル丸焼 600
猿の脳味噌 9000
トカゲ丸焼 15
ヤモリ丸焼 300
タモリ丸焼 120
タケシ丸焼 時価
赤犬鍋 80
猫鍋 40
ネズミ鍋 タダ

なのです。恐ろしい漫画を描きながらもお茶目な日野日出志先生・・・・


次の「通夜」は、浮気して邪魔になった夫を殺しておいてのうのうと葬式で悲しいフリをしている雪江に、殺された夫の死体が襲ってくる…
包丁で動く死体をズタズタに切り裂く雪江でしたが、恐怖から自分で口走って全ての悪事が回りにばれてしまいました。そもそも死体が動いたのも、罪の意識から来た錯覚だったようですが、何ともグロい最終ページ。

「もう一つの顔」は、腹にできた顔(人面瘡)に何年も苦しめられてきた黒沼ひろしが、顔に隣りの女の人を要求されたため、ついに人殺しを犯してしまう前に覚悟の自殺をするのですが、その腹にあるのはマジックで書かれた『へのへのもへじ』だった、という話。
全ては黒沼の妄想だったのか…?

「僕の耳は象の耳」はこの本の表紙真ん中の絵の物ですが、この通りダンボのような耳になった男が"音"に苦しめられ、ついには体が巨大な耳になってしまう不条理な話。
…だと思ったら、もう一つひねってドイツ表現主義映画「カリガリ博士」に似たどんでん返しの結末を用意しています。

「満月の蟲男」は笛の音で人間の子供の脳味噌を吸いとるカブトモドキを操る蟲男なる謎の怪人の話で、「赤い目の鼠」は謎の鼠を殺した返り血で醜い姿に変貌していく話。

「死体と暮らす男」は自殺した男の魂が自分の肉体が腐っていく様を見て、その死体に襲われ、最後は死神の使いに連れられて地獄へ行く話。
こんな恐ろしい目に合うのだから自殺はいけません、という教訓にもなりますね。

最後の「スプラッターマン」は特殊メイクを生業にするSFXの第一人者である小倉、業界ではスプラッターマンと呼ばれるこの男が、リアルの世界で人を殺してしまう妄想に取り付かれて…
これはどうなるか、自分で読んでもらいましょう。

ホラー漫画100回目になった今夜はここまでにしますが、今後とも日野日出志作品、そして大好きすぎるが故に忙しい中で書きたくなくて、まだ全然マトモ紹介していない楳図かずお作品、伊藤潤二作品、他にもいくつかありますが、そんなホラー漫画もいつか紹介していきますね。


それからというもの 僕の耳は
日増しに大きくなってきているのです
耳が大きくなったぶん 音はさらに激しく僕を痛めつけます
あ…!音が聞こえ始めました!!
うっ!うわわわ~っ!!
音だっ!音が僕を殺そうとしているんだあ~~~っ!!



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  1. 2009/04/29(水) 23:41:16|
  2. 日野日出志
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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