大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(52) 浜慎二 3 「闇に光る少女の目」「夜歩く死体」

既に何作品か紹介している浜慎二先生ですが、最重要と言っても過言では無い作品を忘れていました。
それが「闇に光る少女の目」「夜歩く死体」(ひばり書房刊)。
HAMA-yaminihikaru-yojonome.jpg
言うまでもないでしょうが上記の2作品は同内容で、例の新作として騙し売りするひばり書房手法のため、タイトルが違うだけです。そして、私は分かっていても両方買ってしまうのです。

これは珍しく3編を収録した中短編集になっていて、表題作はタイトルで分かる通り浜慎二作品のいつもの例によって少女モノ、しかも今回は幼女です。

夜中に一人で車道を歩き、はねられ続けている謎の幼女…
しかもこの子は霊ではなく、実体がある存在のようです。
無垢な可愛い顔して、自分をはねて逃げる車に事故を起こさせて殺したりしてます。

ある時、はねてしまったのは"ドクロエンゼルズ"というグループを作ってチームロゴ入りの皮ジャン着て走るタケシ(武)。
彼は幼女をはねた後、ちゃんと介抱して怪我が無い(そんなバカな)と見るや置いて行こうとしますが、車道から動こうとせずに『おにいちゃんちに行く…』などと言っています。

幼女が気になって結局家に連れ帰ってしまったタケシは、次の日職場の工場長に相談して市の養護施設に入れました…やはり全然幽霊ではありませんね。
その後も何故か幼女に呼び出されたりでひっかきまわされているタケシですが、そんな時は決まって幸運に恵まれるのです。アパートで爆発事故があって、出てなかったら確実に死んでいた、とか。

そして敵対グループの"ブラックイーグル"に襲われて危ない時、現れた幼女が彼らを眠らせ、またも助けられます。
幼女をつかまえてみると、目から血を流して
『もうお兄ちゃんちへ行かなくていいの…目が見えなくなったの……』
そう言い残して消えてしまいました!

しかも手術代を送金していた田舎に住む盲目の妹・美枝の目が幼女の代わりに治っていたのです!
あの子は神様だったのかと思い、それから毎日オートバイを走らせながらその姿を探すタケシでした…で、終わり。
例えば幼女は昔車にひき逃げされて死んでいて、親切にしてくれる人が現れるまで車にひかれ続けていた、とかそういったバックグラウンドは一切明かされないままでしたので、狐につつまれたような気分が無いではないですが、ハッピーエンドのイイ話もたまには良いですね。
改題された方の「夜歩く死体」というタイトルは内容見るとひどい事も分かりますが…


残りの2話は表紙のイメージからはほど遠い画風の、おそらくはかなり昔に描かれた作品で、ハードボイルドさもある怪奇劇画に仕上がった傑作なのです!

まず「魔首」
またいきなり人が車にはねられる描写からスタートしましたが…
はねられた男は半年前、大レジャーセンターを作る計画に反対して土地を売らなかったために村人の陰謀で殺された章太でした。
それも先に殺された兄の章一の首が同化し、腹に兄の顔を持って埋められたはずの章太。

自分を殺した奴はもちろん、命令した奴やグルになっていた奴らも含めて復讐のために甦ったのです。
素手で首を引きちぎり、その頭を抱えて歩く章太の姿は鬼気迫るものがあります。
絵柄も80年代のに比べてずっと味があるし(可愛い女の子は80年代に軍敗があがりますが)、この作風でいったらもっと大御所になれたのではないかと思わせる名作。

最後に「いぬ男」
犬猫病院を経営する獣医の山野は、息子の一郎が野犬にかみ殺されて死んでから精神に変調をきたし、自分の病院で扱う犬たちを殺したりするようになり…
ついには妄想から助手を殺してしまい、自分の姿が犬になって犬殺し(野犬狩りの業者)に連れて行かれてしまう。
それを一郎の同級生・たけし『人間なんだよそのいぬ そのいぬ一郎くんのおとうさんなんだよ 人間なんだよう!』と追いかけて終わる…ヤバイ作品で、これも同じく80年代になって作風変えて、ぬるくなってしまった浜慎二先生に残念さを覚えるほどの作品でした。


土地はおらのだ
ぜったいてばなさねえだ
弟とふたりではたけをつくるだ

くそっ だましたなっ
お おら死なね
ぜったい死なねえ



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  1. 2009/05/18(月) 23:05:08|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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