大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(76) 永島慎二 12 「殺し屋人別帳」

今夜の永島慎二作品は、短編集"ダンさんコレクション"の7冊目「殺し屋人別帳」(朝日ソノラマ刊)です。
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あの「漫画家残酷物語」で悩み多き青年達に絶大な人気を得る直前に描いた貸本向け劇画を6編集めていて、貸本時代の定番である殺し屋、犯罪、復讐、アウトロー…そういったモノを描きながらも永島慎二先生らしい自己表現がされていて、これまた愛すべき作品集です。

本のタイトルが「殺し屋人別帳」ですが、今回はそのままの表題作は存在せず、これは殺し屋を描いた作品を集めたために付けたものでしょう。
また東映のヤクザ映画好きの方には石井輝男監督、渡瀬恒彦主演の同名作品「殺し屋人別帳」に始まる"人別帳シリーズ"が思い出されるでしょうが、あれとは何の関係もない事を付け加えておきましょう。

「7本のドスと竜」に始まりますが、これは任侠の心を持つヤクザのドス竜と、弟分の藤次の陰謀と人生を50年越しの物語で描いた作品で、暗い閉塞感が漂います。

「両手のないチャンピオン」はボクサーの鉄街五郎が殺し屋のスリーガンズに両手を撃ちまくられて三年後、自分も殺し屋のブラックコートの鉄となって復讐を果たす話。
ブラックコートの鉄の両手は、まさに「コブラ」のサイコガン…しかも両手版でカッコいいです。

続いて「ろくでなし」「右翼少年」「丑松の恋」「道」と続きますが、どれも冷たいはずの"殺し"という犯罪を描きながらも、人情に重きを置いた話になっています。

特に「右翼少年」は若者たちの政治思想を描きながら、警官の父親の口から"青年漫画の教祖"と呼ばれた永島慎二先生のモノであろう青春についての考えを読み取れる貴重な作品になっています。

わざとリアルに描かず漫画風にデフォルメしている初期の絵柄も素敵な短編集「殺し屋人別帳」…そこに含まれる思想も含めてオススメです。


孤独
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夢…こうしたことから逃げちゃいかん
勇気と若さをもってぶつかっていくんだ
誰もたすけてはくれない
自分自身の力と眼を信じてとっぱするんだ
失敗することもあるだろうが そんなことはもんだいじゃない
大切なことは自分の眼でよく見よく考えて
又立ち上がることなんだ




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  1. 2009/06/14(日) 23:30:07|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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