大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(48) 石森章太郎 38 「原始少年リュウ」

今夜の石森章太郎作品は、「原始少年リュウ」(秋田書店刊)です。
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1971年の週刊少年チャンピオンにて掲載された作品で、単行本は全3巻。

前回までの「リュウの道」で始まる『リュウ3部作』の2作目です。
しかし時系列ではこの「原始少年リュウ」が最初の"太古編"であり、続いてこの後に連載される「番長惑星」"現代編"、そして「リュウの道」"未来編"に当たるのです。
とはいえ主人公の名前がリュウなのと、顔も似ている以外は全く関係なく独立した別作品で、関連性は見受けられないのですが…
この「原始少年リュウ」だけ、テレビアニメ化もされた事があります。

ここでのリュウは、タイトルの通り原始時代を舞台に活躍します。
人類と恐竜、猿人や現代では絶滅している様々な動物が共存する時代に、キバトラ一族で生まれたリュウは…肌が白かったために呪われた子だからと、りゅうの王という恐竜(ティラノサウルス)が住む"りゅうの谷"へ捨てられます。
そこを猿人のキティに拾われて育てられ、第二幕はそれから十数年後。

成長したリュウはランという少女と出会いますが、そのランがいる一族によって追われ、火あぶりにされかけたあげくにキティも槍で射られてしまいました。
そこへ、りゅうの王が現れて部族をメチャクチャにし、キティも喰われてしまうのです。
それからリュウはりゅうの王を殺す事、また他にいると分かったまだ見ぬ母を捜す事を目的として、この物語は進行するのです。

実は売られてきていたランもリュウの旅に同行し、それまで全裸だったリュウのために豹の皮で服も作ってくれました。
ランの弟のドンにも会えて仲間に加わりましたが、たくさんの部落を支配する野望に燃えるタカやランを好きなヤムからは命を狙われ、マンモスやオオカミや雪男、テレパシーを使えるオオトカゲなんかも襲ってくる…苦難と旅が続きます。

しかし憎い敵であるタカの実兄・キバはリュウと同じく、いやそれ以上にりゅうの王を殺す事に執念を燃やしていて、彼とは熱い友情が生まれます。
というより、キバの方が強くて度胸もあって、人として器の大きい兄貴分ですね。
彼はりゅうの王によって自分の部落、そして妻も子も殺された過去があったのです。
ついに出会えた仇との無謀とも言える対決は、勝てないながらも勇敢に戦ったキバが無残に殺されてしまいましたが…めくらにしてやったので、リュウが上手く神殿の石を崩して下敷きにし、ついにりゅうの王は息絶えました!

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リュウは後半、ちょっとしたヒントから火を起こしたり弓矢やそりを開発したり、原始時代にはあまりにも貴重な知識を開発していくのですが、それもそのはず…
白い肌で神と崇められるようになる彼は、何とアトランティスの一族でした!
トリ型の円盤に乗って宇宙まで飛び出たりして、いきなりSFになるのにはビックリします。

まぁ石森章太郎先生の大好きな…海中に沈んだとされる伝説の島アトランティスのネタ、これを出したら何でもありですからね。
ついには生まれて初めて見る母にも会えるのですが、この時こそがアトランティスの最後の時代でした。
地震と洪水で一気に崩壊したアトランティスから、ランとドンだけ連れて逃げ出したリュウでしたが、母は死んでしまうのです。
このラスト近くの急展開に、原始時代好きとか恐竜好きでこの「原始少年リュウ」に辿り着いた読者は違和感を覚えるかもしれません。しかしシンプルな話でありながらドラマチックに展開しまくる、なかなか面白い作品なのでした。

最終巻である3巻にはまず、もっと低学年向けに描かれた類似作品の「原始少年サラン」が収録されています。
いきなり子供達に石を投げられながら『かたわものーっ ヤーイ ヤーイ まっ白けの雪ダルマ』なんて馬鹿にされてる少年サランが、ついに火を作り出して認められるまでの短編でした。

次に「おわりからはじまる物語」というのがあり、こちらは未来の世界を行きぬく数人の少年を描いた作品。
また「リュウの道」のアイザック型ロボット(今回の名前はボットワン)が登場していろいろ助けてくれるのでした。


余談ですが、本作を連載した1971年といえばトキワ荘時代からの朋友でもある漫画家・つのだじろう先生らと設立したアニメ製作会社"スタジオ・ゼロ"が解散してしまった年。
しかしその末弟である角田ヒロ(現・つのだ☆ひろ)らのバンド、ストロベリー・パス(フライド・エッグの前身バンドでもある)が唯一残したアルバムにして傑作「大烏が地球にやってきた日」のジャケットを石森先生が手がけたりもしています。
ISHIMORI-strawberry-path.jpg


…リュウ!
…人間にはな…むりなことだとわかっていても…
おろかなことだと わかっていても…
…どうしてもやらなければいかんというのがあるんだ!!
…いまのわしのように!!

くるなっリュウ!!手だしはゆるさん!!
…これは こいつとわしだけのたたかいだ!!
こいつだけが わしがいままで生きてきたささえだったのだ!!



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  1. 2009/07/19(日) 23:39:45|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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