大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(47) 石森章太郎 37 「リュウの道」 2

今夜は石森章太郎先生の「リュウの道」(講談社刊)の続きです。
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主人公の柴田リュウは、魔人が統治する町の兵士達によってさらわれたゴット達を助けるため、新たに仲間になったミュータント軍団のボスで三つ目のコンドルと共に城壁の中へ入り込み、大神像(巨大ロボ!)が動き出してそこをほぼ壊滅させます。

ミュータントを忌み嫌うこの町の"神"の正体にして大神像を操作していたヤツも実はミュータントで、死ぬ間際の彼からいろんな秘密を明かされたリュウ。
リュウこそは、この"神"が何と千年待ち続けた人物でした。
『そうなのじゃリュウ おまえこそがわしのあとをつぐ者じゃ
人類の未来のために"神"になる者がおまえなのじゃ!』

そして地球が滅亡しかけている理由や、新世界誕生の壮大なドラマなんかを教え込まされるのです。
週刊誌連載なのにここをあまりにも丹念に、長いページを使っていて驚きます。それだけ重要なメッセージが含まれている…ような気もします。

「リュウの道」はそのままリュウの成長物語になっているわけですが、自己中心的な理由から宇宙船に密航して冷凍睡眠させられ、目覚めた後もあまりにも幼稚で困った奴だったリュウでしたが、精神的に成長し、この辺りから本当に神に近づいていきます。
まずはミュータントが"神"の名の下で支配していたその町の人々を指導者として導き、人間とミュータントの共存する未来を作っていく決意をして…第一部 完。


それから一年。
老サイボーグのゴットは町の議長、ペキがすっかり成長した猿人になって警備隊長、コンドルは護民官長、ロボットのアイザックもリュウの助手として働き、ジミイも大きくなっていますが…その姉にして作品のヒロインであるマリアは未だ狂ったまま(自分の世界で"ゆめ"を見ている)という状態。

しかし姿は見えず精神攻撃をしてくる異次元からの怪物との対決で、ようやく初期から狂っていたマリアの精神は元に戻りました。
その敵を撃退した時から、主人公なのに恐怖で髪の毛が真っ白になってしまったリュウですが、これは後に潜在能力を覚醒させて精神を自由に操れるようになり、精神は肉体を支配できる…というわけで、黒く戻しました。

一見平和でも、恐ろしい死の裂け目、落とし穴がある事を学んだリュウ達は、今度は一年前にここから逃げ出したかつての住人一派とそいつらが操る悪魔の蠅や回虫と対決!

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イルカとテレパシーで会話したり、幕末の日本から馬淵小平なる侍が一人でタイムスリップしてきたり…ちょっと作品が暴走気味のような気もしてきました。
で、次は新人間(ニューマン)を名乗る、人間よりはるかに進化した人造生命体(人工人間)との関わり。ここでは人間や生命という物について考えさせる内容になっていますが、人間がほとんどいなくなった未来の地球では自然が己のその本来の姿を再び取り戻してきているとして、食物連鎖についてのお勉強に10ページ以上かけたりしています…

『人間は地球の細菌なんだ!そしておれはその中で・・・・"怪物"になりかかってる細菌だ!
この"おれ"という細菌の存在は・・・・病める地球というからだにとって どういう意味をもっているのか?
新しい"良薬"としてか?それとも死をもたらす病菌としてか?』


クライマックスのエピソードで、今までの神もどきではなく本当の神様らしきモノが登場しますが、その姿は"多角形の透明な柱"
これは作品を読んでもらえば一発で分かるのですが、スタンリー・キューブリック監督が生んだ…映画史上の大傑作SF作品、「2001年宇宙の旅」におけるモノリスですね。

この"神の意志"に呼ばれて、次代の地球の主人が人間族とイヌ族のどちらになるかという戦いをさせられたリュウ。
神に新しい能力を授けられた犬のタロウも撃退したリュウは、ついに神である透明な柱に触れると…
ここからますます「2001年宇宙の旅」で、あの芸術的で見入ってしまうイメージの洪水も、難解さで答えをぼかされる所も、手法としてそっくりパクリ…です。
そう、あんな感じで良く分からないまま壮大なイメージだけ残して終わってしますのです!

それでも連載当時はかなり人気もあり、また漫画史全体を見回してみてもフリークス(ミュータント)がこんなに出てくる作品は少ないとか、評価出来るポイントはいくつもあります。
ストーリーもテーマも上手くまとめた方だと思うのですが、あまり名前が挙がらない、そしてもう一つ記憶に残らない作品となったのは石森章太郎先生らしい実験的なコマ割りや描画が過ぎたからか、目的が散漫になって寄り道しすぎたからか…はたまたヒロインのマリアが地味だった(しかも狂ってたし)からか。
ただ、波長が合えばこれが一番好きな石森作品だと言う人もいると思います。私も、かなり好きです。

しかも、これは前回も書いた通り、『リュウ3部作』の第1作目に過ぎません。
週刊少年マガジンから週刊少年チャンピオンに発表の場を移して描かれた、続く「原始少年リュウ」「番長惑星」の紹介も次回からしていきましょう。


おまえのいく道は一つ
お前の"仲間"をふやし
"仲間"とともに"地球"の"意識"となり
ワタシと"合体"すること

ワタシはおまえ
リュウはわたし
おまえはリュウ

そして無数の"リュウ"が
ひとつの大きな"意識"に成長した
遠い未来 宇宙は・・・・
"リュウ"になる



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  1. 2009/07/17(金) 23:41:13|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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