大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

手塚治虫(12) 「やけっぱちのマリア」

今夜は手塚治虫先生の「やけっぱちのマリア」(秋田書店刊)です。
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これは1970年に週刊少年チャンピオンで連載された作品で、単行本は全2巻。

あの手塚治虫先生が"性教育マンガ"として描いた作品ですが、その意図した所を理解できなかった福岡県では、ただのハレンチマンガだと捉えて有害図書に指定した事で知られています。

実際に性に関して奥手だった私は、思春期にこの本を読んで性に関する知識を学んじゃいましたし、他にも人体や人相についても勉強になり…
そして何より面白い学園モノなのですが、その中に斬新なアイデアを盛り込んでいて、またしても手塚治虫先生の才能や偉大さを再確認する事になるでしょう。


主人公は中学一年生(だが一年落第している)の焼野矢八…あだ名はヤケッパチです。
彼は暴れん坊で喧嘩は強いのですが、一匹狼で不良グループとは対立しています。
『おれの目が……こういうふうになりゃ………あらしを呼ぶぜ…台風だっ』
とか言って敵をブッ飛ばしまくって、カッコいー!!

そのヤケッパチが妊娠したと本気で心配し、あるきっかけで産まれたのは…エクトプラズム!つまり生き霊でした。
父子家庭で育ったヤケッパチは強がっていても実は母性愛に飢えていて、そのために産まれた自分の心の中の女の部分が分身となって出てきたのです。

そのエクトプラズムがちゃんと意志を持っていて話もするので、適当な入れ物に入れようと…父親のヒゲオヤジが出してきたのは何とオトナのオモチャ!ダッチワイフです!!
エクトプラズムはそのダッチワイフを体にしてマリアと名付けられました。
かなり可愛い女の子なのですが、ヤケッパチの分身だけに男まさりな暴れん坊。

マリアもヤケッパチと同じ"市立第十三中学校"に編入して、二人とも男女の違いや諸々を学んでいくのですが、前々からヤケッパチが対立していた学校の不良グループ"タテヨコの会"がいいです。
会長は女王雪杉みどりという美人でエッチ、しかも金持ちで強いスケ番。
実はヤケッパチを好きだと判明するのですが、パンチラは当たり前だし中学生のくせに全裸で誘惑してきたり…
「やけっぱちのマリア」のサービスカットで、かなり活躍してくれました。

その下にはボス・ナンバー2の若松という男がいて、特殊な仕掛けのあるステッキを使う彼は強くて渋い。髪型は矢吹ジョーのようです。
ボス・ナンバー3はすぐに出てこなくなりましたが…

幽霊が出てくる話や、タテヨコの会によって宅配便で網走番外地に送られたマリアが、十五人殺した死刑囚と結婚させられたり…
まぁ色々あるのですが、常に物語の間に性教育をはさみながら進行するのは忘れていません。

苦難を共にしているヤケッパチとマリアは恋愛感情が生まれていますが、体が所詮はダッチワイフ…つまり人形であるマリアです。
最後はボロボロの状態になってヤケッパチとは涙の別れ…

結局、ヤケッパチも人形(しかも自分の分身)との道ならぬ恋は諦め、また羽澄マリというカワイ子ちゃんとの恋も芽生えてハッピーエンドでした。
ただマリちゃんという名前がマリアに似ている事にはしっかり反応していたのは泣かせます。
少年漫画の学園モノらしく戦いに恋愛に、それにギャグ色も強い名作で…大好きな作品でした。

ちなみに2巻の巻末には、同じく週刊少年チャンピオンにて毎回短編で連載していた「ザ・クレーター」シリーズより「オクチンの大いなる怪盗」が収録されているのですが、これは同時期の作品だから選ばれたのでしょう。奇想モノのSF作品です。


おまえは子どもを生むことも できないし………
そのうえ虫みたいに すぐ死んでしまうんだなァ
こっちへすわんなよ…………………



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  1. 2009/07/25(土) 23:20:35|
  2. 手塚治虫
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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