大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

永井豪 (21) 「オモライくん」

今夜の永井豪作品は、「オモライくん」(講談社刊)です。
NAGAI-omorai-kun.jpg

永井豪先生は描いてきた作品のジャンルは幅広いものがありますが、ヒット作の多さからセックス&バイオレンスの漫画家というイメージが一般的でしょうか。
しかしギャグ漫画家としても超一流であり、特に私の中では愛しいこの作品があるからこそ、その思いが強いのです。
1972年の週刊少年マガジンで連載された作品で、オリジナル単行本は全2巻。

主人公はタイトル通りにオモライくんで、仲間におこもちゃんコジじいがいまして…これらの素晴らしい名前から分かる通り、全員コジキ。何とも明るいコジキ達です。
当然ながら全員汚い!この汚さをギャグにしている作品で、永井豪先生も吐き気をこらえながら頑張って描いたわけです。いや本当に凄まじい。

オモライくんはコジキながら学校に通っていまして、太っているように見えるのですが、実はアカが固まりたまって分厚い層になっているだけなので、いくらでも削る事も出来ます。
その削ったアカをツバで柔らかくして笛を作り、それを音楽の先生が間違って吹いたために溶けて糸を引き…凄まじい光景の後についには発狂しちゃう話は、初めて読んだ時から強烈な印象が残っています。
他にも数人の先生、恋する乙女や東京都民一千万人等、オモライくんの汚さで被害を受けたり死んだりした者は数知れません!
アカで覆われた顔をタオルで蒸して柔らかくし、顔を変装して男意気からクラスの女の子を救うなんて泣かせる話もありました。

そしておこもちゃん。
何と若くてセクシーな娘でありながらコジキの彼女も、数知れぬ死者を出してしまっていますが…かなり可愛いボインちゃんで、素敵な永井豪ヒロインの中でも有数の好きなキャラです。

そしてコジじい。コジキ道七十年の時に神様のように見えるこの方がまたいい!
年末年始のゴミ出しが無くコジキには苦しい時期の過ごし方なんかも後輩に伝授するのですが、それが
『全身の力をぬき らくなしせいでねる あとはゆめをもてばよい あすへの希望じゃよ
人間はな ものをしっとるから生きとるんじゃない だいじなものは精神じゃよ
精神があすの希望と 生きる意欲にみたされているならば 人間は死なんのじゃ
ではたのしいゆめをみるんじゃぞ たのしいたのしいゆめを』

なんて言って、見た目だけじゃなく頭も高学歴のインテリよるはるかに哲学者。笑顔も素晴らしい。
座右の銘は、『コジキはつねに受け身であれ!』でしょうか。

他に教師からコジキに引き込まれた冷奴(やっこじき)のエピソードいくつかは爆笑モノですし、スケバンの緋ボタンおユウ
さらには一コマだけの客演で師匠である石森章太郎先生の変身忍者 嵐だとか、真樹日佐夫作品から「ワル」氷室洋二や…東京都中のコジキが集まった中に何故か赤塚不二夫キャラのバカボンのパパ松本零士キャラの大山昇太(おいどん)やその他、登場するだけで嬉しいヤツらも、います。

後半に泣かせる話がありまして、おこもちゃんがオモライくんの遠足のために弁当(おにぎりでそれぞれ新鮮なゴキブリ、ミミズ、毛虫入り)を作ってくれる話…これはいいとして、ラストの「オモライは永遠に」
これは最後にしてオモライくんの出生に関するエピソードで、いくら「オモライくん」としても汚すぎる話!しかし終わりで不覚にも、私は本気で涙を流してしまった…そんな思い出もある話。

古本好きなら単行本はオリジナル版で買うのが当然でしょうが、余裕があれば全1巻の「オモライくん 完全版」(実業之日本社刊)も買ってみてください。
NAGAI-omorai-kun2.jpg
ず~っと後年に描かれて単行本初収録でもある「オモライくん2001」も収録され、さらに連載順通りに収録されている心使いが素晴らしい出来になっていて、しかもおこもちゃん並に可愛い、佐藤江梨子ちゃんが解説書いてます!!

とにかくこの作品を読んで、不況でリストラだとか小さい事でクヨクヨしてる世の中、そして自分を見つめ直すきっかけになって欲しいと思います。
人間はまずどんな状況でも死にはしない、生きて行けるし…それどころか考えようで世の中は無限の富に溢れていると教えてくれるのですから。


せっかくつくってくれた おこもちゃんのお弁当や たべなあかんで
そら先生のはゴミメシやない 上等の弁当や きれいやしあじもいいやろ
でもわい そんなもんより心や わいのためにいっしょうけんめいつくってくれたんや
みかけはわるくても あじはおちても
おこもちゃんの やさしい あったかい心をだいじにしたいんや わい くうで



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  1. 2009/09/09(水) 23:45:20|
  2. 永井豪
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コメント

('仄')パイパイ
  1. 2014/01/16(木) 15:30:43 |
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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