大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

永井豪 (23) 「手天童子」 1

呪われし宿命の子 手天童子郎!!
その運命の命ずるまま・・・・はてしなき闘争の旅へ旅だつのだった・・・・
その旅こそ・・・・愛と冒険とロマンの旅だった!



今夜の永井豪作品は、「手天童子」(講談社刊)です。
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これは週刊少年マガジン誌上にて、1976年から2年弱をかけて永井豪とダイナミックプロ名義で連載された作品で、単行本は全9巻。

天才永井豪先生が自身のキャリアにおいて生涯の代表作となる作品…すなわち「デビルマン」「バイオレンスジャック」に続いて、同じマガジンで発表した作品。
この2作と比べてしまえば知名度は下回ると思いますが、逆にそれらには無い魅力も備えていて、しっかり設定や伏線を生かしてまとめた壮大な物語で…永井豪作品は未完率も高いのですが、「手天童子」はしっかりまとまって完結しています。
しかし、こんな全盛期の永井豪作品群をリアルタイムで読み続けられた世代のマガジン読者が羨ましい…


物語は、どこかの世界で"鬼"達が人間の赤ちゃんをめぐって激しく戦っている描写から始まります。
そしてすぐに、現在の日本。柴竜一郎京子という二人の男女が、先祖の墓前に結婚報告に来て和尚と立ち話をしていると…
早速、あのどこかで争っていた巨大(七、八メートル)な鬼が二体、時空間を飛んで空から現れました!

口にくわえた赤ちゃんを守っているらしい方の鬼が勝ち、そこにいた柴夫妻に赤ちゃんを授けると、テレパシーで
『十五年 十五年タノム・・・・キョウヨリ十五年カゾエタ日・・・・ムカエニクル・・・・』
と言い残して姿を消しました。
その鬼の子を育てると決めた柴夫妻は、和尚に名付け親になってもらいます。有名な鬼といえば"大江山の酒呑童子"ですが、酒のみって名はどうも良くないので、読み方はそのままに天の手によりさずかった童子ということで手天童子に決まりました。
それも十五年経てば別れなければならない子に柴の姓を名乗らすのはいかんと、手天童が姓で手天童子郎(しゅてんどうじろう)となりました。

この件から鬼の伝説について調べるようになった柴は、三歳になった子郎を公園に連れて行くと、子郎の足元から恐ろしいものを見てしまいます。
『影だ!夕日にのびる手天童 子郎の影は わたしの数倍大きい鬼の影だった!!』
というわけで、ここまでが「手天童子」のプロローグ。

次には手天童子郎、十五歳になっています。北陵学園に通う高校一年生になった子郎は美少年で天才、スポーツ万能…しかし自分がいつか鬼に連れて行かれる運命を知っているために、友達が出来るのを嫌がっています。
そんな子郎ですが、通勤のバスの中で同級生でお嬢さまの白鳥美雪"結命党"というワルの集団に絡まれている所に遭遇し、助けてあげました。

白鳥美雪…「手天童子」のヒロイン登場ですが、姫カットで可愛いです!
そして結命党とは…学園の一角にある廃校となった旧校舎をたまり場としている20人あまりのグループで、悪い事は何でもして教師達も手を出せない奴らで、女生徒を連れ込んで集団レイプもしています。
永井豪作品でレイプ描写は珍しくありませんが、それはいつもキツイ…だからこそ、後にカタルシスもありわけですが。
そして結命党は何と、"盟主"と名乗る鬼を崇拝しています。
結命党の3人が美雪をさらって旧校舎で乱暴しようとしたその時!その盟主が制止しました。
そして美雪そっくりに化けて、子郎を狙うのですが…結果的に美雪だけはレイプされずにすんで良かった。ホッ。
巨大な鬼が美雪の体を舐めずり回して心身をコピーする場面に6ページもかけ、なかなかエロいのですが。

美雪に化けた鬼は、まだ自分の力に覚醒していない子郎の能力を探るべく近づいてきました。
本物ではない美雪に、子郎は自分の苦悩を語ったり、いい雰囲気になったりしていましたが…
ある日、囮に使われた種村先生を助けるために結命党、そして美雪に化けた鬼との全面対決がついに行われます。
まだ学園ドラマ要素も残っていましたが、この旧校舎で種村先生、それに結命党の不良達も全員死ぬハードな展開に!

その時子郎の影が鬼の形で巨大に膨れ上がり、凄い力を発揮しましたが…
これは過去にも、謎の声に操られて暴走したトラックに撥ねられてビルに叩きつけられても無傷だった時などにも起きた現象。
子郎の身に危険が迫ると、影は鬼の姿になって体の周りに見えない障壁のような物が作られるのです!

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そして子郎は、捕らえられている本物の美雪を助けるために、鬼が作り出した亜空間で鬼の手下である妖怪達と遭遇するのですが、戦時下の悪魔の爆撃機B29や母の京子の姿で現れる妖怪との戦いがまた凄いのですが、何とか勝って美雪と合流できました。
しかし次の強大な敵にはとてもかなわない…そこでついに登場してきれたのが、護鬼(ごき)!
角がある以外は人間の戦士のようなカッコいい姿をした護鬼は、実は子郎を守るために15年近くも身体を分散してバリヤーとなっていたのです。あの鬼の影の正体も、護鬼だったのです。

護鬼は強く、結命党の盟主だった鬼も含めて倒して、見事に子郎と美雪を助けてくれました。
その護鬼の顔は、子郎が良く知っていて懐かしい感じのする誰かの物だと気付くのですが、その意味が分かるのは作品のラストが近くなってから。

さてあの事件後、子郎は自分を好きになっている美雪を避け続けます。
それはそうです。子郎はもうすぐ鬼に連れ去られるし、さらに前髪をかき上げると鏡には二本の角が生えてきているのですから…

溺愛する美雪の様子がおかしいために心配する兄の白鳥勇介は、プレゼントも叩き払うわれて泣いて去った妹を見て、ボクシング部なのに本気で殴りますが、当然子郎は無傷。
その二人でいる所をドーベルマンの群れに襲われますが、いつの間にか護鬼はバリヤーになっていないのに、目覚めた自分の鬼の力でドーベルマン達を殴り殺し…
そんな場面に遭遇した勇介は、何と
『なるほど妹の恋人にはふさわしくねえやつだ だがよ 俺の親友にはふさわしいぜ』
というわけで、子郎について命がけの大冒険をしたいと言うのです。子郎も、初めて現れた『運命列車に一緒に乗ってくれる友』に喜びます。

さて、このドーベルマンの群れをけしかけた者は誰だったのか。
それは前に北陵学園で新任の生物教師として在籍し、子郎を探っていた鬼の一族を名乗る鬼谷でした。
彼の正体は闇の仏法"暗黒邪神教"の魔導師。暗黒邪神教は闇を尊ぶ反仏教、邪神信仰の教団で、鬼の仏像を祀って鬼仏衆と呼ばれる信者は数万人…そしてその本尊は、大暗黒死夜邪来
『大暗黒死夜邪来は すべての邪 すべての罪 あらゆる反逆がはびこる暗黒世界へ・・・・
全宇宙をまきこみためにのみ 存在するのだ!』

という事です。

恐ろしい敵の存在が明らかになってきましたが、最初の仲間になった白鳥勇介が共に戦いたいという仲間を連れてきました。
まずボート部キャプテンで柔道三段な上に関東一円をしきるヤクザ・代紋組の跡取りである大山直次郎、元女子プロレスラーのゴツイ女は無双力(リッキー)、相撲部キャプテンの小谷椰子夫(こややし)、地味な男ながら軽く超能力を持つ梶工作、そして…身の危険を心配するために子郎が遠ざけていたヒロイン・美雪。もう、自分の命どころか家族・友人をも巻き込む覚悟も出来ているから手伝いたいと。
一滴の涙を流す子郎…

それから先手必勝と、鬼谷の家に乗り込んだ手天童子郎ご一行。
"鬼獄界"(おんごくかい)なる、無の空間に突然発生した鬼の世界を消滅させるという伝説を持つ手天童子を倒す事が鬼谷の夢でした。
暗黒邪神教の手下である、鬼のすさまじい肉体を受け継いで生まれた"争魔衆"、そして鬼のもつ強靭な精神力を受け継いで生まれた"幻魔衆"という二つの暗殺団を使って迎え撃ちます。

特に強敵なのが鬼の腕を持つ争魔衆の邪腕坊苦海は奴。
どうにも不利な具合の中、敵は強大な魔動鬼も出現してしまいますが、味方は頼りの護鬼はいなくなってるしで、ついには直次郎が鬼に喰われて…
怒った子郎の身体が光に包まれると、その光が集まって剣の形になり、今さら出てきた護鬼が言うには、
『あれこそ魔をうちはらう 降魔の利剣 ついに手天童子は目ざめられた!とうとうきたのです旅だちのときが!』
だそうです。

目覚めた力でその鬼を見事に倒した子郎でしたが、帰宅すると美雪と母の京子がさらわれている!!
すぐさま全国の鬼仏衆を集めている"暗黒寺"へ向かい、最終決戦をする事となるのです。

…という所で、今夜はここまで。
私としてはかなりオススメ作品ですが、永井豪先生特有の悪趣味な描写にあふれる作品なので、どうでしょうかね。
後半はさらにカオスな展開が待っているのですが、それはまた次回に。


われら結命党は超人をめざしている 人間をこえた存在をだ!
わかるか?人間をこえるのだ ひ弱な人間であることをやめるのだ!
人間のルールをはずれることによって 人間以上のものになるのだ!
そのためにつぎつぎと罪をおかしてきた
つまり人間界におけるルールやぶりってわけだよ!
しかしまだ人間をこえられる そこで決心したのだよ・・・・
人間として最悪の罪をおかそうとな!殺人さ!
殺人によってわれわれは人間ではなくなる
人間以上の存在になるのだ!!



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  1. 2009/09/15(火) 23:00:05|
  2. 永井豪
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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