大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(31) 「大長編ドラえもん VOL.9 のび太の日本誕生」

今夜の藤子不二雄作品は、「大長編ドラえもん VOL.9 のび太の日本誕生」(小学館刊)です。
FUZIKO-doraemon-vol9.jpg
おおっ!今回からいよいよ単行本の初版でも藤子・F・不二雄名義という、今度こそ亡くなるまで使ったこのペンネームの時代に突入します。

私が所持する単行本は、画像のように初版時に付いてた帯が巻かれています。そこにあるように、今作は大長編映画原作10周年記念作品。
あれ、1年に1作発表しててVOL.9なのに10周年記念なのは何故?そう思われるでしょう。
…その答えは、この前年に公開された映画の時だけ藤子・F・不二雄先生が体調を壊して、原作漫画を描けなかったから。
藤子先生はモチーフとなるアイデアだけ出したのですが、他人の手で話が作られた(もとひら了脚本)映画版の弟9作目は「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」でした。
そんなわけで今回紹介する「のび太の日本誕生」以降は、原作漫画版の方が映画版より作品数が1つ少なく、番号も1つずれていくのです。

さて「大長編ドラえもん VOL.9 のび太の日本誕生」ですが、連載はいつも通り月刊コロコロコミックにて、1988年から翌年までの連載となっています。
そしてこの作品こそが、現在まで続いている映画版・大長編ドラえもんシリーズの中でも史上最大の観客動員数を記録しているのです。その記録が表す通り、シリーズ一番の人気作でしょうね。

オープニングが原始時代で、ここである少年が異空間に飲み込まれる所から始まるのも壮大な感じがします。
そして現代日本…いつも通りダメな少年・のび太が『学校でも家でもしかられてばっかり』という理由で家出を決意しますが、それもドラえもんの秘密道具を頼っているのだからのび太らしい。
近所だと空き地も裏山も持ち主がいて泊まれず、どこも空いてる土地が無いと分かると高井山の山奥村という所に行くのですが、ここは大長編でない通常の「ドラえもん」で登場した事がある廃村。世界遺産である白川郷・五箇山の合掌造り集落を思い出させる、合掌造りの家が並ぶ村なのですが…ダムが完成して水の底へ沈んでしまいました。
そんなわけで日本のどこも私有地で、勝手に住める場所などないと気付いたのび太ですが…

それからジャイアン
『じょーだんじゃないっつーの!! 店番やら配達やら草むしりやら。
 子供にだって人権があるっつーの!! おれはかーちゃんのどれいじゃないっつーの!!』

と母親に反抗して叩かれて、
『そんなせりふは どれいみたいにはたらいてから いうことよ。』
と返される有名なシーンで家出を決意し、続いてスネ夫しずか、ドラえもんまでがそれぞれの理由から家出する事になりました。

現代では持ち主のいない土地など無い事が分かったわけですが、それならば誰も来ない大昔へ家出しようと思い付き、タイムマシンに乗りこむと自由を求めて7万年前の日本(それに中国大陸)へ旅立ちました!
…誰もいない楽園を満喫するとたった一日で現代へ一時帰宅すると、何と本物の原始人の少年・ククルに出会うのです。
彼こそはオープニングで登場して異空間(時空乱流でした)に飲み込まれた少年で、彼のヒカリ族はクラヤミ族に襲われてどこかへ連れて行かれたらしいのですが、クラヤミ族には精霊王ギガゾンビなる嵐や雷を操る不死身の呪い師が付いてるとか。

ギガゾンビなんてカッコいい名前のヤツ、その正体は23世紀の人間でした。7万年前の世界を根城に地球を支配する永久王朝を作ろうと企む時間犯罪者なのです。
つちだまという超能力土偶を操る強敵で、このつちだま自体も強い。再生能力を持っていて、粉砕された折には
『オノレ タヌキノ化ケモノ。コノウラミ ハラサデオクベキカ』
などとかつてのコンビ・藤子不二雄A先生の「魔太郎がくる!!」の主人公と同じセリフを吐いて復讐を誓ってます!

こんな「大長編ドラえもん」有数の強敵に対抗するべく、ドラえもんはメイクして精霊大王ドラゾンビと名乗り、ヒカリ族を率いてクラヤミ族に立ち向かうのです。
この安易なネーミングが表す通りの光と闇の闘いは、あわやドラえもん達の負けと思われましたが、タイムパトロール隊が助けに来てくれて助かりました。
ギガゾンビを倒すのもドラえもん達じゃなく、ただのタイムパトロール隊員なんですよね…
ギガゾンビは仮面をかぶって見た目も良かったのですが、仮面が外れると意外と冴えない素顔でした。

ちなみにクルルは後にたくましく成長するとウンバホ(日の国の勇者)と呼ばれてヒカリ族の族長となるのですが、藤子・F・不二雄先生の別作品「チンプイ」を読めば分かるように春日エリは、彼の子孫です。こんなスピンオフの設定、ファンには嬉しいものですよね。
このヒカリ族が日本列島に住み着いた時こそ、"日本誕生"の瞬間であり我々日本人の祖先のようです!

今回のゲストキャラクターには、のび太が秘密道具で作ったペガグリドラコという三匹の架空動物がいます。
種類の違う動物のアンプルを同時に使って誕生した化物なのですが、けっこう可愛く、強い。
帯を外して改めてジャケを見ると全員出ているのですが、
FUZIKO-doraemon-vol9-2.jpg
のび太としずちゃんが同乗しているのが馬と白鳥のかけ合せ・ペガ、ククルが乗ってるのはワシとライオンのかけ合せ・グリ、ジャイアンとスネ夫が乗るのはワニとシカとトカゲのかけ合せ・ドラコ。
子供の頃、彼らの背に乗って空を飛ぶ様を見た時は、タケコプターとか未来の空飛ぶ道具以上にワクワクしたものでした…

FUZIKO-doraemon-vol9-3.jpg
↑今回の藤子・F・不二雄先生です。


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  1. 2009/12/06(日) 23:39:00|
  2. 藤子不二雄
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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