大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(104) 佐野豊 1 「ドラゴン危機一発」

前回に続いてブルース・リー(BRUCE LEE)関連の漫画作品で、「ドラゴン危機一発」(スコラ刊)です。
SANO-the-bog-boss.jpg

ブルース・リーの没後25年…つまり1998年、その節目で彼の再評価が進んでいた頃に突如書店へ送り込まれた作品で、アメリカで「グリーン・ホーネット」「鬼警部アイアンサイド」「ロングストリート」等のリーが出たために今では伝説となっている有名な作品群に出演してから香港に凱旋し、心機一転ゴールデン・ハーベスト社と契約して香港映画に主演したその第一作目「ドラゴン危機一発」のコミカライズ作品です。
映画は1971年の製作で原題は「唐山大兄」、英語題は「THE BIG BOSS」…香港で当時の映画興行記録を更新して大スターになるきっかけとなった超重要なこの作品を漫画にしたのは何と佐野豊先生!!
いや、全然知らない名前ですが。分かるのは帯に書いてあるように、これが処女作であるという事だけ。

絵も見覚え無いし、まぁこの絵ならどこかで観てても記憶に残らないだろうななんて失礼ながら思ってしまいますが、ブルース・リーを描き続ける限り私は貴方を尊敬するし本も買い続けますよ。
他の作品に比べるといささか地味な「ドラゴン危機一発」を最初にコミカライズ作したのは、続いて「ドラゴン怒りの鉄拳」「ドラゴンへの道」「燃えよドラゴン」「死亡遊戯」と描いていくためですね?
勢いにのって「燃えよ!カンフー」「サイレント・フルート」といった悲劇の関連映画や、チョイ役で出た「かわいい女」とか、もしかして渡米前に香港で出ていた少年時代の作品も描こうとしていましたか?
しかし、そんな作者の想い(私の想像ですが)とは裏腹に、2度と佐野豊先生がリー映画を描く事も、その名が出版界で浮上する事すら無かったのであった…

でも表紙も裏表紙も映画のリー写真だし、開くとまず巻頭の4ページ使ってカラー写真が載っています。
当然数多く存在するブルース・リー・コレクターの本棚には、貴方の作品がずっと保存されるでしょう。この本が売れなかったのは我々リー好きな者達の力不足が要因でした。あまり落ち込まないで下さい。
それに海外のリー・コレクターにとっては激レアなアイテムとして高値で取り引きされそうですね。

「ドラゴン危機一発」
日本のこのタイトルは「007 危機一発」からパクっただけで原題ともストーリーとも関係無く、日本でのTV放映時には藤岡弘、がリーの吹き替えを担当したとか、当初はブルース・リーが準主役の予定だった所を段違いに凄いアクションを見せて主役になったとか、まぁいろんな話がファンの間で語り草になっています。
…が、ここでは漫画版「ドラゴン危機一発」について書かなくては。

まず舞台が製氷工場で、それを隠れ蓑にして麻薬を密売しているギャングの一味にチェン(ブルース・リー)が立ち向かう、といったあらすじは同じ。ケンカをしない誓いのために持つ母の形見のペンダントもあります。
しかしギャングのボスでもあるマイ工場長、つまりハン・インチェが演じたあの役柄のキャラはカンフー使わず、映画ではドラ息子だったトニー・リュウがカッコ良くなってラスボスになったという感じでしょうか。
もっと凄い、というか当時驚いたのは、殺されるはずのシュウらが生き残ったり、ラストで主人公であるチェンが逮捕されるあの悲しいラストは…逮捕されるのが敵側になるという真逆の展開!
そう、あの映画が持っていた悲壮感は無くしてハッピーエンドにしているのですが、でもチェンの性格は映画以上に暗いからあまりスッキリするわけでもない、という訳の分からない事になっちゃってます。
ラストで分かるのですが、チェンは父の復讐のために来ていたという動機付けがハッキリしているので、ここではそうしたのでしょう。

映画でのチェンは『好事魔多し』のことわざそのままに、調子に乗って女で失敗してというお茶目な一面もありましたが、漫画版ではそんな事もない堅物。
一度強さを見せてから、工場の連中と一、二、三、四とか言いながら行進してるあのシーンは一応あって『おおっ』とか思うのですが、敵を殴り飛ばしたらその後ろの板壁が人型に穴を開けて突き抜けるシーンが無いんですよ。あの名場面を漫画で面白おかしく描けるチャンスをスルーするなんて、この作者である佐野豊先生が本当にブルース・リー映画を好きなのか仕事として依頼されてやっただけなのか、疑問に思ったポイントでした。
ブルース・リーの代名詞とも言える怪鳥音をはっきり描いてないのは、映画では今作ではまだ出てなかったのを忠実に意識しての事だと思うので、やはり次に「ドラゴン怒りの鉄拳」を描いてもらいたかったのですが。


幼い頃から母と二人きりで…
その母も死んで今じゃ一人きりだ…
だから…新しい家族ができたみたいで…
うれしいよ



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  1. 2010/01/06(水) 23:11:41|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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