大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(89) 古泉智浩 2 「ジンバルロック」

今夜は久々の古泉智浩作品を紹介しましょう。
古泉智浩先生といえば数年前に「ココ」「転校生 オレのあそこがあいつのアレで」を紹介しただけでしたが、そろそろ他の作品もいくつか紹介していこうと思うのです。

となると、まずは初の単行本となった「ジンバルロック」(青林工藝舎刊)から。
KOIZUMI-jinbal.jpgKOIZUMI-jin.jpg
(↑左の帯はJUDY AND MARYのYUKIちゃんによる推薦文。これは初版だけかな?)

そうそう、私のブログではいつもジャンル分けが微妙な漫画家の場合少し悩むのですが、古泉智浩先生は月刊漫画ガロで問題ないでしょうか。
しかしガロでは描いたとはいえ1996年の再デビュー時に一度きりなんですよね。
その約3年前に大泉月光名義ながらあのヤングマガジン(講談社刊)のちばてつや賞で大賞を受賞してデビューしているわけだし、その後は月刊アフタヌーンの四季賞も受賞している、いわば最初から漫画家としては順調にエリートコースを歩んでいるかに見えた方。
しかしその作風からも、その後アックスを中心に描いていた事からも、『ガロ系』扱いされるのは本人も嬉しいのではないかと…勝手に推測します。

で、今回紹介する「ジンバルロック」もアックスにて1998年から2000年まで掲載していた作品。
アックスは創刊も1998年で私は最初から読んでいましたが、残念ながら年代的に「ジンバルロック」の連載開始時には高校を卒業してましたが、でも卒業してさほど時間が経ってないうちに読めたのは良かったと思います。
自分のダサく、何もやる気のなかった学生生活を生々しく再現して見せてもらっているような感すらあります。私も古泉智浩先生と同じ新潟県出身だし、嫌いな剣道部だったし…とにかく今でも大好きな作品です。

主人公は左官業を営む"赤金工業"の次男で高校二年生の赤金裕一郎
普通の高校生である彼が同じバカ高校に進むバカ達と歩む、くだらない日常を描いているのですが、地味な内容のようで面白さにあふれています。
第1話目からして、剣道部の柴田先輩が放課後に格技場でセックスする所を見せてくれて、その相手は同じ剣道部の原田という巨乳ながらブスな女なのですが…それを外から覗きながらオナニーしちゃう赤金と、その同級生・横野
そして横野は、『分かっただろ これがオレ達だ オレ達はこの程度なんだ』などと言う。

全編に渡ってこのような情けない描写が多くて、普通の少年漫画では主人公になりっこない者(学生時代の私のような)をカッコつけずに見せてくれる青春漫画!
剣道の大会に出場しても当然やる気なしでさっさと団体戦を負けて終え、後輩の平沢という部員が個人戦で勝ち進みそうになったら対戦相手を応援して負けを祈る(休みの日に会場に行かなくてはならなくなるので)。
その一人真面目に剣道をする平沢が泣きながら『いつだってヘラヘラヘラヘラしやがって…けい古だってサボってばかり…剣道何だと思ってんだよ!!』と問いかけてきたら、赤星は
『おい平沢 オレ達が好きこのんで剣道やってるとでも思ってんのか オレ達が 剣道やってるのは

ただ なんとなくだ』

そう答えるのです。それも宇宙空間をバックに背負って…
私のような者にとってはこれ、凄いリアリティ。ついにこんな凄い作品が出てきたかと連載当時は心で拍手喝采した私でした。

好きではないしブスだけど、女の子に好かれてキスとおっぱい触る所まで行っちゃう話やら、中学生のヤンキーから逃げる腰抜けぶりを見せる話やら、最後は先輩の卒業式まで、1話完結の連作方式でハズレ無しのエピソードが続きます。
兄の秀樹や父の則夫がメインになる話や、同級生の木下が在籍するバンドの話もあり、それらがまたどれも面白すぎて優れた短編集のようにも読める素晴らしいです、「ジンバルロック」
そうそう、バンドの話ではデッド・カクエーズというバンドが少し出てくるのですが、このバンド名の元ネタはもちろんアメリカ合衆国のデッド・ケネディーズ(Dead Kennedys)でしょう。それを新潟県人ならではの小ネタ的な名前にしていて嬉しい。

ただこのたまらない面白さには『共感』出来るかどうかの部分が大きいので、学生時代に勉強やスポーツに打ち込んでたりクラスに打解けてた人とか、もちろん恋愛やセックスなんかもしちゃってた人には分からないんですよね…
そう気付けばダメな日常を延々と繰り返してた自分も、全て「ジンバルロック」の面白さを分かるためだったのかもしれない。そう考えれば少しは報われるってものです。
あ、私も学校生活以外では喜び・楽しみもあったんですよ!ただそれがバイトして得た金を握り締めて東京に行ってはプログレのレコードやいろんな古本を買い漁る事だったりしただけで。しかも暗く無口でほとんどしゃべらなかった当時の私ですから、そりゃ田舎の農村の同級生、まして女子とは打解けられるわけがなかったのです。

最後に、前に古泉智浩先生を紹介した時に先生の住む亀田町(現在・新潟市)の実家の御菓子屋"古泉"まで訪ねた事を書きましたが、その時の写真が出てきたので貼っておきましょう。
まず、こちらはお店の案内冊子。
koizumi5.jpgkoizumi6.jpg

当時の古泉先生は家業を手伝いながら漫画を執筆していて、確か3冊目の「チェリーボーイズ」が出ていたかな。私も一時実家に戻って住んでいた時期で…となると多分2002年くらいでしょうか。
店内にて、お母様とのショットです。
koizumi1.jpg
koizumi2.jpg
二人とも凄く親切で、私は何も気のきいた質問とかも出来なかったけど優しく迎えてくれました。

もちろん、私もツーショット写真をお願いしました。
koizumi4.jpg
手には「ジンバルロック」を持っていますね。

本に頂いたサイン。
KOIZUMI-jin2.jpg

それとは別に、お店で購入したお菓子の包み紙にもサインを頂いちゃいました。
koizumi3.jpg
本当にありがとうございました。感謝してます。


ブラジャーだ!!
これが生乳だーっ!!
自分の中の大切な何かに対して
ごめんなさーい



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  1. 2010/02/15(月) 23:46:39|
  2. 月刊漫画ガロ
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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