大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(91) 古泉智浩 4 「ライフ・イズ・デッド」

古泉智浩作品で絶対に紹介しておかなくてはならないのが、とりあえずもう一冊ありまして…それが「ライフ・イズ・デッド」(双葉社刊)です。
KOIZUMI-life-iz-dead.jpg

古泉智浩好きでゾンビ映画好きの私が喜ばないわけがない"ゾンビ漫画"なのですが、単純にそれだけでなく、作品としての出来自体も古泉作品屈指の名作に仕上がってます。

漫画アクションにて2006年から連載開始した全1巻の作品で、舞台はやはりド田舎…とある葬式シーンでおじさん達が話してる方言から見て新潟県、と断言して良いでしょう。
今世紀の初めからアンデッド・ウィルス(UDV)が地球規模で蔓延していて、それに感染すると潜伏期間の後で発症し、死後完全なゾンビとなる。生きているうちはゾンビ状態を示すレベルが1~5段階に分けられています。

そしてその感染源は従来のゾンビ映画のように噛み付き、そして性交渉でも感染する、という設定です。ゾンビ初期段階は普通の人とそれほど変わらないように見えますからね…セックスしちゃうわけです。
主人公の赤星逝雄は、かつて感染していることを隠してゴム付けずにして感染者を増やしちゃうようなヤリマンの女・としてしまったためにアンデッド・ウィルス感染しているニートの23歳。それも女性経験は他に無いというのに…可哀想。
もう確実に死んでゾンビになる事が決定付けられた逝雄の、最後の生活を描いたのが「ライフ・イズ・デッド」なのです。

セックスで感染し、死を宣告される…つまりはHIV感染についての恐怖も意識しているのだと思いますが、それにゾンビを隠喩に使ってエンターテイメント色も加えつつ表現しているのです。
ゾンビ映画の巨匠にして基礎を作ったジョージ・A・ロメロ監督の初期作品と同じように、ゾンビを単純な恐怖の対象ではなく人間の怖さを描くために使っていて、良く読めばここで流れる深い悲しみに気付くでしょう。
ゾンビ化した者の動きも決して1985年以降の…というか「バタリアン」以降のゾンビ映画のように走ったり喋ったりは出来ず、あくまでロメロ映画型のゾンビになります。

家族にゾンビが出てしまった赤星家の両親と妹は、それでも表向きは優しく逝雄の世話をするのですが…父は感染者が出た場合に支給される銃でカッコつけて撃つポーズを決めていたら逝雄に見られたり、最後まで兄のために頑張ってアイドルを目指しているかに見えた妹・消子の仮面がはがれる時も見ものです。
他人である周りの人間たちはもっと最低で、主治医の先生と、逝雄に好かれるが実は先生の愛人だった看護婦・桜井は結局ゾンビになった人間をバカにしていて不謹慎なプレイをしてるし、唯一逝雄の親友として出てくる面井は無神経すぎる最低な奴で、逝雄の生きているうちに連載終わらなそうな「20世紀少年」を貸してきたり消子の部屋に侵入したりしてますよ。クソガキ学生3人組もとかもひどい。

そして迎える衝撃のラスト!
古泉智浩作品にしては設定もしっかりしているし、社会批判を込めた悲しい話ながらどこかふざけて笑え、エロ描写もある…ブラックすぎる名作!!


まったくなんてガキだ
学校教育はどうなってるんだ
ゾンビは差別用語だぞ




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  1. 2010/02/24(水) 23:25:46|
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  1. 2010/03/03(水) 22:27:15 |
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  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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