大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(37) 「大長編ドラえもん VOL.14 のび太と夢幻三剣士」

今夜は藤子・F・不二雄先生の「大長編ドラえもん VOL.14 のび太と夢幻三剣士」(小学館刊)です。
FUZIKO-doraemon-vol14.jpg
月刊コロコロコミックにて1993年から翌年まで掲載された作品で、ドラえもん映画化15周年記念作品でもあります。原作漫画版は映画より一作少なくて、今回で14作目ですけどね。

タイトルから分かる通り、今回はアレクサンドル・デュマ・ペールの小説「三銃士」が元ネタで、のび太ドラえもんのひみつ道具『気ままに夢見る機』(アクセサリー・キット付き)によって、夢の中でいろんな冒険をしています。
これは"夢カセット"を替える事で様々なジャンルの中から好きな夢を見る事ができ、寝ている間だけの事とはいえ楽しそうですね。
「のび太のドラビアンナイト」における『絵本入りこみぐつ』とかぶるのですが…

もちろん夢の中におけるキャストは自分で選ぶ事が出来るので、いつも自分を主人公にしてヒロインをしずか、脇役をジャイアンスネ夫にするのでした。
しかし夢は自分だけの世界…一夜明ければ誰も昨夜の自分の活躍を知らない。というわけで、ついには他の3人にもこっそりアンテナを付けて夢電波を無理やり受信させ、夢を共有します。

そしていつものメンバーで冒険する夢カセットは、謎の老人に教えられドラえもんに買ってもらった「夢幻三剣士」なるもの。
夢カセットを入れて行く"ユミルメ国"が今作の主な舞台となりますが、この「夢幻三剣士」では今までの夢カセットと違い、現実感を高めるために主人公の性格や能力はそのままで夢世界に入ります。
そのため最初はいつも通りジャイアンやスネ夫にやられ、ドラえもんも
『夢だからといって、なにもかもつごうよくはすすまない、そこんとこが実にリアルだ!!教育的な、ためになるゲームだ!!』
と、感心しているのですが、これが現実世界にも影響を及ぼす危険なゲーム(夢)なのでした…

今作で特筆すべきは、大長編ドラえもんに絶対の付き物だった味方のゲストキャラクターが出てこない事。これはシリーズ唯一といえる異常な事態です!
いつものメインキャラだけで話は進みますが、それでも趣を変えてドラえもんが魔法使いドラモン、そしてのび太が白銀の剣士・ノビタニヤン、ジャイアンがジャイトス、スネ夫がスネミスとして『夢幻三剣士』を名乗ってユミルメ国を妖霊大帝オドロームの魔の手から救うため冒険します。
ユミルメ国の王女がしずか扮するシズカリア王女。しずかは城を抜け出して男装の剣士シズカールにもなるし、「夢幻三剣士」の世界を案内する妖精のシルクもしずかの姿です。
おっと、ご安心ください。男装して女の子だとばれずにいたシズカールが、ドラモンとノビタニヤンの目を盗んで"竜の温泉"に入るオールヌード入浴シーンはちゃんとありますので!

カセットを入れ替えるといろんな冒険を出来る、という所からも分かるようにファミコンのロールプレイングゲーム(RPG)を意識した作りになっていて、オドロームの前にスパイドル将軍ジャンボス将軍といった中ボスのモンスターとその軍勢を倒さなくてはならないし、のび太を「夢幻三剣士」に誘った謎の老人もトリホーというオドロームの側近でした。
さらにRPGであるので、竜の流した汗(だし汁)入り温泉に入ったために一度だけですが生き返る事も出来ます。しかし生き返るとはいえ、のび太としずかが実際に死ぬシーンがあるのは衝撃的ですよ!

ラストの妖霊軍団の首領・オドロームとの最終決戦。敵の杖から出る強大な魔力に苦戦しながらも、のび太としずかの連係プレーで勝利しました!
あれ、ジャイアンとスネ夫は戦いの舞台となった幽冥宮に来てさえいませんが…

それにしても全員がオドロームに捕まって、あわや処刑されるというピンチの場面で現実世界の野比のび助(のび太パパ)が『気ままに夢見る機』をいじったために窮地を脱する、そして続きはまた都合のいい所からって…これは無しでしょう。
加えて『主人公の性格や能力はそのままで夢世界に入る』という設定は全然生かされず、結局は白金の騎士の剣が勝手に戦ってくれてノビタニヤンは努力せずとも強いという。

まぁ今回は大長編にありがちなメッセージ色も抑えてあり、かなり単純な勧善懲悪物語に仕上げた子供向け作品だと思うので、細かい事は気にしなくていいか。子供向けを意識したからこそ敵を異形の怪物でカッコ良くしてくれたと、プラスの面を楽しみましょう。
オドロームの顔は本当に、藤子・F・不二雄作品らしからぬ怖さですからね。


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  1. 2010/04/06(火) 23:48:45|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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