大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(40) 「大長編ドラえもん VOL.17 のび太のねじ巻き都市冒険記」

今夜はいよいよ、藤子・F・不二雄先生の遺作となった「大長編ドラえもん VOL.17 のび太のねじ巻き都市冒険記」(小学館刊)です。
FUZIKO-doraemon-vol17-1.jpg
月刊コロコロコミックの1996年から翌年まで掲載された作品で、漫画で『ねじ』といえばつげ義春先生の「ねじ式」と、これ。

漫画界に偉大すぎる足跡を残した藤子・F・不二雄先生の最後の作品は、約三分の一ほど描いたあたりで絶筆となってしまいましたが、残りの部分は藤子プロできっちり完成させてくれました。
その本人が描けなかった部分も、同シリーズの他の作品と違って何故か終わりまで話の筋を教えられていて、もしかするとご自身の体調から遺作となる事を知っていたのではないか…などと囁かれています。
あとアニメ映画版の「ドラえもん」主題歌といえば武田鉄矢というイメージがありますが、今作は何故か矢沢永吉!これ以降は毎回別の歌手、それもその時売れてたアイドルとか使うようになってしまいます。
というのも武田鉄矢『藤子先生が亡くなった今、僕はドラえもんの映画の作詞を引退します』と宣言したのだそうで…

さて今回のお話は、ドラえもんのひみつ道具から『生命のねじ』…このねじを当ててまけばどんな人形も生きて動く、そんな物を使ってとある小惑星を"ねじ巻き都市(シティ)"として作り上げる事から始まります。
のび太ジャイアンスネ夫しずかの持つ人形達が生命を持ち、ファンタジックで住みやすい街が形成されていき…
そこへのび太の部屋へ忍び込んだ上に『どこでもドア』まで使ってねじ巻き都市に入り込んできた、前科百犯の凶暴な脱獄囚、熊虎鬼五郎
それに、のび太が打ち上げた人工衛星から大量に送られてくる、奥深い神秘の森の写真…おっ、これは名作「大長編 ドラえもん VOL.3 のび太の大魔境」を思い出しますが、ここでも森の中に謎の光るモノを見つけます。コレは一体何なのか。
…と、大長編ドラえもんでおなじみの、楽園作り願望や冒険願望を満たしてくれるわけです。

今までの大長編でとんでもない強敵と戦ったりしてたドラえもんとレギュラーの仲間達ですので、いくら犯罪者だし銃も持ってるとはいえただの人間である熊虎鬼五郎などさほど怖くない。意外と可愛い風貌だし。
しかし熊虎は偶然にも『タマゴコピーミラー』を使って自分のコピー(クローン)を10数人誕生させてしまい、彼らを子分にして武力でねじ巻き都市の侵略を狙う…
一方、謎の光るモノの方ですが、こちらは光り輝く巨大な怪物の姿で襲ってくるし、ドロドロに溶けては変幻自在に姿を変えてダメージを与える事も不可能という、もしや大長編ドラえもん史上最強の敵か!と思われたのも束の間、唯一コンタクトを取れたのび太が話した所、『種まく者』と名乗るそいつはいいヤツでした。
というより映画「2001年宇宙の旅」におけるモノリス。神と言える存在であり不定形の造物主。地球も火星もねじ巻き都市も彼が作り、何十億年も見守ってきたようです。
そこまでハッキリと、「ドラえもん」世界におけるのび太らを始めとした人類創造主を描いてしまったわけですね。しかも星の自然や悪人に関しても、問題は自分の力で解決するようにと試練を残して去ってしまいました。
ドラえもんが生命を与えた人形に知性を与える落雷だけ起こし、未来は託して行くその姿がそう、のび太らの創造主であり…これで本当に世を去った藤子・F・不二雄先生の姿とかぶります。

のび太がしずかを助けようとして地割れに落ちて他のメンバーは熊虎一家に捕まったり、ドラえもんがほんの一時的に故障したりとピンチもありますが、あとは前作「のび太と銀河超特急」にてドリーマーズランドの"西部の星"で登場した銃…ここで『フワフワ銃』という名前が判明しましたが、この道具が再登場して生きていたのび太が使い、またもガンマンとしては本当に超一流の腕を使って活躍します。
追い詰められた熊虎一家によって森に放火された時も、生命を得て『ビッグライト』で巨大化した小便小僧の放尿にてピンチを脱出!その時の一言は『みごとチン火したね!!』でした…

今回のゲストキャラクターは人形達だから可愛らしいのは当然なのですが、特にブタのぬいぐるみであるプピーは愛らしすぎ!
神の落雷の影響で知能高く生まれた牛のぬいぐるみのアイン・モタイン、馬のぬいぐるみのレオナルド・ダ・ヒンチは名前が良いですね。
盛りだくさんに娯楽を詰め込み、辛気臭い所は全く見せずに藤子・F・不二雄先生最後のメッセージを伝えてくれるこの「のび太のねじ巻き都市冒険記」。読むべきでしょう。

最後に、単行本カバーに載っている藤子・F・不二雄先生。
FUZIKO-doraemon-vol17-2.jpg
Vol.11からVol.16までは同じ写真が使われていましたが、遺作となった今作にようやく変わりました。
これを最後に逝ってしまった藤子・F・不二雄先生ですが、創造したキャラクターは世界中で愛されています。当然今後も「ドラえもん」の新作は未来永劫制作されるでしょうし、とりあえずこのてんとう虫コミックスにおける『大長編ドラえもん』も、全24巻まで続きます。


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  1. 2010/04/20(火) 23:43:13|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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