大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(41) 「大長編ドラえもん Vol.18 のび太の南海大冒険」

『大長編ドラえもん』シリーズは藤子・F・不二雄先生の没後も刊行され続けたわけですが、今回はいよいよ没後第一作目…
「大長編ドラえもん Vol.18 のび太の南海大冒険」(小学館刊)です。
FUZIKO-doraemon-vol18.jpg

今回からは、当たり前ですがいよいよ藤子・F・不二雄先生自身は全く関わっていない「ドラえもん」作品となり、ではどうしたかといえば今まで藤子F先生と共に仕事してきた藤子・F・不二雄プロダクションが漫画化したのです。
雑誌連載も今まで通り月刊コロコロコミックで、今作は1997年から翌年まで掲載されました。
今までの単行本の続きとなる通し番号で『VOL.○○』が付いてますが、このVol.18からはそれと別の通し番号で『まんが版▽映画シリーズ○』と入るようになりました。
もっともそれはVol.20の発売時から付けられる事となり、後から遡って「のび太の南海大冒険」にも付いたので、初版本である↑の画像にはまだ後者の通し番号はまだ入ってません。

さて。藤子F先生の逝去後も「ドラえもん」は続くと判明して、いろんな注目を集める事となった「のび太の南海大冒険」
作画担当は藤子・F・不二雄のチーフアシスタントを務めていた、藤子プロの萩原伸一先生。実は遺作となった前作「のび太のねじ巻き都市冒険記」でも連載第3回目から、藤子F先生の遺志を継いで執筆していた方です。
現在もむぎわらしんたろうと名義を変えて、コロコロにて「ドラベース ドラえもん超野球外伝」という『ドラえもんの野球漫画』を長期連載している方なのですが、この日本人全員が知ってる大ロングセラー『大長編ドラえもん』シリーズを描く大役を受けたわりに扱いが酷くて…クレジットは表紙に無し、内部でもかなり地味に一箇所載ってるだけなんですよ。
今回のお話も藤子プロのオリジナル作品扱いながら、実は通常の短編が入ったてんとう虫コミックス「ドラえもん」で、41巻収録の「無人島の大怪物」と45巻収録の「南海の大冒険」を元ネタ(原案)として使っています。

図書館でスチーブンソンの海洋冒険小説「宝島」を読んで、海賊と戦いながら宝探しといった冒険に憧れたのび太が、ドラえもんの力を借りてジャイアンスネ夫しずかも巻き込んだ海の冒険に出かける…
海で少年達は全員素っ裸になっちゃったりして楽しくはしゃいでいたのも束の間、今作では早い段階から時空間の乱れに巻き込まれて皆で17世紀のカリブ海…おりしも本物の海賊が活躍した時代に飛ばされてしまいました。
ここでいつも頼りになる、逆にピンチを演出するためには邪魔になるのが、何でもアリと言えるドラえもんの四次元ポケット。過去のシリーズではドラえもんが故障したり、離れ離れになったり、道具が限定されたり、といった工夫をしてきましたが、今回はポケットを流されて失ってしまいます。

こんな時代の海に一人ではぐれてしまったのび太は、イルカのルフィンに助けられて無人島へ流れ着き、知り合った少年ジャックとサバイバル生活。
もう一方のドラえもん他3人は海賊のキャプテン・キッドに助けられ、共にカリブ海の宝島"トモス島"を目指す事となるのです。

そこで襲い来る異形の怪物たち…そしてトモス島を支配するMr.キャッシュ。彼は二十二世紀の未来から来た時間犯罪者でした!
となると「のび太の日本誕生」のギガゾンビを思い出すでしょうが、まぁ似たような設定です。
それにキャッシュに協力するマッドサイエンティストのDr.クロン。彼がいろんな改造生物を作っていたのですが、ここら辺はH.G.ウェルズの小説「モロー博士の島」の設定も頂いてますね。
Dr.クロンが造り出した『究極の生物兵器』ことリバイアサンなる恐るべき怪獣も相手に、ひみつ道具をほとんど失ったドラえもん軍団と仲間になった海賊達は勝つ事が出来るのか!?

そりゃ出来るに決まってるんですけどね。藤子F先生が亡くなった事で、もっと危なくトンデモナイ展開を期待しないでもなかったのですが…ドラえもん達だけじゃなく作者の側がする"冒険"など、国民的漫画になった「ドラえもん」ではもはや期待できようもなく、生前の流れとなーんにも変わらないのです。

この「のび太の南海大冒険」が発売された頃は、今よりずっと熱心に古本屋を回って藤子不二雄作品を探していた私。もちろん作者没後も藤子コレクションの一環として『大長編ドラえもん』の続きを買っていました。
しかしもう大人で、このシリーズに対する熱は冷めていたために新しい方のは読み返しても全然内容の記憶が無く…当時も、ササッと数分で読んでは自部屋の本棚の藤子コーナーに入れるだけだったと思います。
思い入れがほとんど無いのは辛いですが、改めて読むとしっかり完結させてる娯楽作として完成度も高く、絵は可愛いし、子供達に読ませるには最適、ですかね。

ところで今回の影の主役はジャイアン。この時代では一番大事な海賊としては才能があると分かったジャイアンは、のび太に対する友情も厚く、ゲストキャラクターでジャックの姉・ベティにモテたりもして、得意の(!?)歌も必殺の武器として登場!
今まで「のび太の宇宙小戦争」ではしずか、「のび太と竜の騎士」ではスネ夫といった感じで1作のみ主役扱いというのはありましたが、実はジャイアンがここまで話の中心になるのは初めて。それが藤子F先生の存命中に実現しなかった事を考えると、自分をいじめた側の人間であるジャイアンを主役にするのは避けたかったのかもしれませんね。

それと安心したのが藤子F先生亡き後も、いつの時代もお風呂好きなしずちゃんのオールヌードシーンがある事。分かってますね~、藤子プロ!
映画版の方も、蓋を開けてみると配給収入ではシリーズの歴代最高額を記録する大ヒットとなったのです。



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  1. 2010/04/22(木) 23:44:45|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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