大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

手塚治虫(19) 「手塚治虫 THE BEST 10 マンションOBA」

もうちょっとJC(ジャンプ・コミックス)の『手塚治虫 THE BEST』シリーズで続けまして、10巻目は「マンションOBA」(集英社刊)です。
TEZUKA-the-best10.jpg

これは表題作の「マンションOBA」と、続く「春らんまんの花の色」はその続編で、どちらも1972年の週刊少年ジャンプに掲載された短編…となると、そう!
例の読切連載、「ライオンブックス」シリーズの中の作品です。
続く「てんてけマーチ」は1977年の月刊少年ジャンプ「四谷快談」は1976年の週刊少年ジャンプに掲載された短編で、この計4作品が収録されているTHE BESTの10巻目は…ズバリ『幽霊』をテーマに選ばれていますね。
それも、どれも全く怖くないユーモラスな幽霊(または妖精、妖怪)たち。

ではまず、「マンションOBA」
"ムサシ野"の地で山が削られ、林も神社も壊されて建ったマンションの名が、OBA・KE(OVER-BUILT APARTMENT KEEPING)! 
そこの住人は、全てムサシ野の自然の中にあったトリデを追い出されたオバケ達なのです。
オバケ達が人間の姿に身をやつしてまでこのマンションに住みついたのは、もちろん自然を破壊する人間に復讐するため。
ただあまりにもあくどいワルである人間には妖魔の力では対抗できないと、訪ねてきた家出少年のタカシに悪の心を持つように育てて、代わりに人間へ復讐させようとするのですが…
結局オバケ達が優しすぎてこの計画は失敗します。
タカシが惚れるハルという花の精が可愛い!ヌードもあります。

で、続く「春らんまんの花の色」ではオバケ達が総出演して暴れ回り、ついには人間を追い出す…と、高畑勲監督によるスタジオジブリの劇場アニメ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」そっくりな話。
もちろん「ぽんぽこ」が20年以上も後に作られた作品ですが、高畑勲監督は「マンションOBA」「春らんまんの花の色」のファンだったのでしょうか。
実はどちらも私にとってはどうでもいい部類の作品なんですけどね。

このTHE BEST10巻で面白いのは残る2作。

「てんてけマーチ」は、美しい幽霊・ヒノキの精が太鼓打ちの名人である三兵のじいちゃんに自分を切り倒させて太鼓を作らせたのですが、じいちゃんが死んだら自分を叩く者がいなくなってしまった。
そこで兵隊になりたかった三兵の枕元に立ち、彼の太鼓打ちの腕も名人にまで成長させますが…ついに三兵にも赤紙が。
そして三兵は戦場へ。そこでも太鼓を忘れずにいた三兵でしたが、右手を失っての帰還兵となり、もう太鼓を叩く事が出来なくなった…では三兵の息子・清次は!?
悲劇の中に新しい希望が出てくる、なかなかホロリとする短編です。

「四谷快談」は、タイトルからして「四谷怪談」のパロディとすぐに分かりますが、こちらに出てくるお岩さんが可愛すぎる!
世間では可哀想で恐ろしい…あのイメージしか無いお岩さんですが、「四谷快談」を読んだ後は好きになる事間違い無し。
舞台は戦後の四谷。みなしごの平公という少年がトラックに轢かれそうになった白蛇を助けた事からお岩さんと生活を共にするのですが、彼は空襲で爆弾の破片が視神経を痛めてお岩さんのように左目が潰れていて、もうじき右目も見えなくなる運命でした。
しかし最後はお岩さんが自分の目を平公にあげると右目は見えるようになり、後に平公は隻眼の名投手としてプロ野球で活躍する事になるのです。
ストーリーはそんな所ですが、このお岩さんは平公にオッパイを見せてあげて母親を思い出させてあげたり…オールヌードもありますよ。
他にも凄いのが、手塚治虫先生自身が準主役として登場。八百屋に下宿して「鉄腕アトム」やらをシコシコと描いている漫画家で、平公の理解者になるのです。他に例のスター・システムでブラックジャック、ヒゲオヤジ、田鷲警部等も出演しています。


ユウレイではありませんよ亡霊ですよ
ジャズとクラシックぐらいのちがいがあるわ
ユウレイは足がないけど 亡霊は足があるわ
ユウレイのあいさつは「うらめしや」よ 亡霊は何をいってもいいの



スポンサーサイト
  1. 2010/06/28(月) 23:32:00|
  2. 手塚治虫
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<旅行・紀行・街(85) 東京都武蔵野市 2 楳図かずお邸、井の頭自然文化園、ハモニカ横丁…等 | ホーム | 手塚治虫(18) 「手塚治虫 THE BEST 7・8・9 フライング・ベン」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/918-d6a881df
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する