大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

手塚治虫(21) 「手塚治虫 THE BEST 12 二人のショーグン」

JC(ジャンプ・コミックス)の『手塚治虫 THE BEST』シリーズ、12巻目は「二人のショーグン」(集英社刊)です。
TEZUKA-the-best12.jpg

12巻は3編を収録した短編集で、掲載誌と発表年は
「二人のショーグン」・・・・デラックス少年サンデー、1979年。
「赤の他人」・・・・週刊少年ジャンプ、1970年。
「あかずの教室」・・・・週刊少年ジャンプ、1971年。

今回選択された作品を見ると、テーマは手塚治虫先生のお得意ネタの一つでもある『メタモルフォーゼ』…つまり変身を扱った作品、でしょうか。いや、すると「あかずの教室」はちょっと違って超能力モノか。大きく分けて、どれもSF作品。


まず表題作の「二人のショーグン」。4回に渡って連載された中篇です。
中学3年生のショーグンこと有馬将軍(ありままさゆき)は、勝手な夢ばかり押し付ける県会議員の父の元でやる気を無くして落ちこぼれていますが…捨て猫を拾っては川で魚を取って育ててやり、その数40匹も飼っている優しい少年。
そのうちの1匹でピンクレディーと名付けられたメスのネコがある日、精霊と出会って人間の言葉と不思議な力を得たのです!
それからピンクレディーは、ショーグンに恩返しすべく彼に変身して学校に行き、苦しい受験勉強も代わりにやって親の望む東大法学部へ入ってあげると言うのです。

『私はあなたの身代わりです あなたのいやなことはみんな引き受けますから』

などと言う素晴らしいネコなのですが、ショーグンはヒロインのユリーと仲良くしているピンクレディーに嫉妬したり、クラス委員長の横槍仁から卑劣な攻撃を受けたり…
そういった展開で進むファンタジー学園ドラマは、今度は自分がネコになってその生活まで体験しますが、嫌いな親の失脚により急展開。
どこまでもショーグンに尽くすピンクレディーの姿に、猫好きならずとも微笑ましく思える事でしょう。

この「二人のショーグン」は『THE BEST』を名乗りながらマイナー中心の、このシリーズの中では有名な方だと思いますが、必ず"手塚版「綿の国星」"とか呼ばれますよね。「綿の国星」とは大島弓子先生の代表作でもある少女漫画で、やはり擬人化された猫の物語。
ただし連載開始は「綿の国星」の方が先ですが、手塚治虫先生は当時大島弓子作品を一つも読んだ事が無かったというし、まぁ内容も似ているわけではありません。
そもそも生々しく擬人化した動物キャラが出る漫画は、手塚先生が開拓して広めたものですしね。
猫が人間になるといえば可愛い『猫耳』が気になる方も多いと思いますが、「二人のショーグン」ではネコのように頭のてっぺんではなく人間の耳の位置に大きな猫耳が付いています!これは『エルフ耳』と言うべきでしょうか(ジャケ写真参照)。しかし、最後に出てくる女の子に注目!!

ただ、正直言って私はこの作品を大して好きではないのです。多少苦手意識のあるサンデーで掲載された作品だからか…化け猫の怪談話なら好きなのですが、これは確かに化け猫ながらほとんどラブコメですからね。
ちゃんとネコの姿したお仲間も出てくるので、『猫漫画』好きにはお薦めします。

次の「赤の他人」「あかずの教室」は奇想を生かした怪奇短編でこちらの方が私の好み。
後者は例の、読み切り短編の連作「ライオンブックス」シリーズとして発表された作品です。


あすこのセガレはネコをダメにしとる!! 扱いを知らねえ
三度三度くいものはあてがいだ 楽をさせすぎとる
だからよワレもさかなの骨がかみくだけねえだろ!
連中ヒヨワになって失業したとき どうしてええかわからねえ
メシもさがせねえ トドのつまりノタレ死にだ
きな 修羅場を見せてやる あれだ あの中にとびこめるかよ?



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  1. 2010/07/13(火) 23:46:11|
  2. 手塚治虫
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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